4モデルがラインナップされるトヨタ「クラウン」シリーズに、2024年、懐かしいネーミングが帰ってきます。そのモデルこそ、2007年の生産終了から約17年ぶりの登場となる「クラウン・エステート」。しかし新型には、ちょっと気になる点がありました。

アクティブライフを楽しめる機能的な新発想SUVへと変身

 トヨタ自動車は2022年夏に開催した発表会において、4タイプの新型「クラウン」を公開しました。その中で注目を集めているのが、2024年に発売予定の新型「クラウン・エステート」です。

 近年、クラウンはセダンの印象が強いモデルでしたが、かつてのクラウンには、ステーションワゴンのエステートや2ドアクーペなども存在していました。

 そうしたクラウンの輝かしい時代を復活させたいと考えたのか、現行モデルとなる16代目は先行発売された「クラウン・クロスオーバー」、スポーツSUVの「クラウン・スポーツ」、王道の「クラウン・セダン」、そしてクラウン・エステートという4つのモデルバリエーションを展開。4モデルによる“面”で変化の著しいニーズに対応しようとしています。

 なかでも、先代モデルの2007年での生産中止以来、約17年ぶりの復活となる新型エステートは、“クラウンのステーションワゴン”だったことを知る人からも、そうでない人からも、高い注目を集めています。

 そんな中、かつてのエステートを知る人たちの間で、新型エステートのボディサイズが話題になっています。

 21インチのタイヤ&ホイールを履く新型エステートのボディサイズは、全長4930mm、全幅1880mm、全高1620mmとなっています(数値はすべて開発目標値)。なかでも、1880mmという全幅と1620mmという全高は、都市部の集合住宅に多く見られるパレット型の立体駐車場では収まらないケースが多く、SNSなどでは「欲しいけどあきらめざるを得ない……」、「マンションの外に駐車場を借りようかな……」といった意見が見受けられます。

 従来モデルのように“クラウンのステーションワゴン”を期待していた人たちの中には、新型エステートのボディサイズが悩ましい問題となっている人がいるようです。

●快適な車中泊空間を得られるリアのフルフラットデッキ

 トヨタは新型クラウン・エステートを、洗練と余裕の大人の雰囲気を併せ持ち、リアのフルフラットデッキとともに、機能的なSUVとしてアクティブライフを楽しめるモデルと位置づけています。

 つまり新型エステートは、単なるステーションワゴンではなく、ワゴンとSUVの魅力をいいとこ取りしたモデルへと進化を遂げているのです。

 ワゴンよりもアクティブなSUVの要素を採り入れていることは、先ごろ公開されたインテリアデザインからも明らかです。リアシートの背もたれを倒すと、ラゲッジスペースから続くフラットで広大なスペースが出現。“フルフラットデッキ”と呼ばれるこの空間は、車中泊が趣味という人やアウトドア好きなど、アクティブなユーザーたちも期待しているポイントです。

 もちろん、クラウンを名乗るだけあって高級感も重視。先に公開されたオフィシャル動画では、フロアだけでなく、両サイドのホイールハウス部までしっかりと上質なカーペットで覆われた“フルフラットデッキ”が映し出されるなど、ただの荷室ではない、クラウンならではの高級感あるスペースに仕上げられているようです。

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 ステーションワゴンとSUVの魅力をいいとこ取りした新型クラウン・エステートは、その分、ボディサイズが大きくなりました。しかし、こうした“サイズ問題”が気にならない人にとっては、普段使いから休日のレジャードライブまで活躍してくれる、オールマイティに使える1台となりそうです。

 16代目クラウンシリーズの本命は、4台の中で最後に登場する新型エステートなのかもしれません。