ロー&ロングなクルーザースタイルの車体に400ccの2気筒エンジンを搭載し、発表以降、高い支持を集めているカワサキの新型「エリミネーター」。その上位グレード「エリミネーターSE」に試乗できたので、その印象お伝えします。

スポーツバイクと同じエンジンを搭載

 モーターサイクルショー2023で初公開されたカワサキの新型「エリミネーター」。ライダーたちの期待を集める大きな理由は、同社の「Ninja 400」と同じ400ccの2気筒エンジンを搭載していることです。

 クルーザーモデルでありながら、スポーツバイクと同じエンジンを搭載した新型「エリミネーター」はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか? 多くのライダーが注目しているところでしょう。

 新型「エリミネーター」には、ビキニカウルやフォークブーツ、ツートンタイプのシートなどを採用した「エリミネーターSE」という上位グレードも存在します。今回試乗したのはこのモデル。世界で初めて前後2カメラ式のドライブレコーダーを標準装備している点も注目を集めています。

 クルーザーらしいロー&ロングなスタイルによって、シート高は735mmとかなり低く設定されています。身長175cmの筆者でも両足のカカトが完全に接地し、ヒザの曲がり方にも余裕があります。さらに、着座位置が20mm低くなるローシートや、同30mm高くなるハイシートも用意されているため、幅広いライダーの体系に対応する懐の深さも持ち合わせています。

 最高出力48psを発生するエンジンは、「Ninja 400」のそれから特性の変更などはおこなわれていないとのことですが、低速トルクの豊かな2気筒であるせいかスムーズにスタートすることができます。

 また、アシスト&スリッパークラッチを装備しており、クラッチが軽いのもポイント。街乗りなどではありがたいところです。

●スポーティなライディングも楽しめる

 少し大きめにアクセルを開けると、スポーツバイクのパワーユニットらしい爽快な吹け上がりを体感できます。パワーは十分以上あるため、加速はクルーザーモデルとは思えないほど俊敏。1990年代まで生産されていたかつての「エリミネーター」シリーズも、パワフルなエンジンによる加速力の強さがウリでしたが、その遺伝子は新型にも確実に継承されています。

 さらに驚いたのが、コーナリング性能の高さです。それはひとつ目のコーナーを曲がる際に感じることができました。車体を傾ける操作が非常に軽く、クルーザータイプとしてはバンク角も深くとることができます。さらにコーナリング中の姿勢もとても安定しています。

 トルクフルで高回転域までスムーズに回るエンジン特性のおかげで、立ち上がり加速を生み出すための操作も軽快。コーナーを攻める感覚こそありませんが、クルーザーでありながらワインディングも楽しめる味つけです。

 足つき性がよく街中でも扱いやすいため、エントリーライダーやブランクのあったリターンライダーにも乗りやすいことは間違いありません。それでいて走行性能も高いので、ベテランライダーにとっても操りがいがあります。

 125ccや250ccクラスからのステップアップを検討しているライダーにとって、新型「エリミネーター」は注目のマシンとなるでしょう。

●製品仕様
■エリミネーター
・価格(消費税込):75万9000円
・サイズ:2250×785×1100mm
・重量:176kg
・エンジン:398cc水冷並列2気筒DOHC4バルブ
・最高出力:48ps/1万rpm
・最大トルク:37Nm/8000rpm

●製品仕様
■エリミネーターSE
・価格(消費税込):85万8000円
・サイズ:2250×785×1140mm
・重量:178kg
・エンジン:398cc水冷並列2気筒DOHC4バルブ
・最高出力:48ps/1万rpm
・最大トルク:37Nm/8000rpm