日本でもおなじみのVWのミドルクラスワゴン「パサートヴァリアント」がフルモデルチェンジ、欧州で新型が世界初公開されました。どんなモデルに進化したのでしょうか。

全世界で3400万台が販売されたベストセラーワゴンが新型に進化

 独volkswagen(フォルクスワーゲン・VW)は2023年8月31日、新型「Passat Variant(パサートヴァリアント)」を世界初公開しました。

 新型パサートヴァリアントの車両は、同年9月5日からドイツ・ミュンヘンで開催されるIAAモビリティで初お目見えされる予定です。

 パサートはVWのDセグメントモデルで、初代パサート(B1型)は1973年に登場。以来、パサート(B8型)まで8世代・半世紀の歴史を誇るモデルとなります。

 初代からの累計販売台数は全世界で3400万台以上を数え、世界でもっとも成功したミドルサイズモデルともいわれています。VWのモデルの中ではゴルフに次ぎ、ビートルを上回るモデルとなっています。

 今回フルモデルチェンジして登場した新型パサートヴァリアントは9世代目となるモデルです。ワゴンモデルのヴァリアントのみの設定で、いまのところセダンの予定はありません。

 パワートレインには、3種類の新型PHEV(プラグインハイブリッド)の「eHybrid」および48Vマイルドハイブリッドモデル、そして5種類のターボチャージャー付きガソリン「TSI」、およびディーゼルモデル「TDI」が用意されます。

 PHEVモデルはシステム出力204馬力のモデルと、272馬力のモデルを用意。完全に新開発となるPHEVシステムで、容量19.2kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。EV走行はおよそ100kmと、日常生活は完全にEV化されます。また以前の3.6 kWではなく11kWのAC充電に対応するため、普通充電での充電時間も短くなります。

 さらに最大50kWの急速充電にも対応。電気駆動モーターと新しい経済的なターボチャージャー付きガソリンエンジン (1.5TSI evo2) の組み合わせにより、総航続距離は1000kmを超えるようになります。

 またパサートに新たに搭載された48Vマイルドハイブリッドドライブ「eTSI」は150馬力を発生、運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、内燃機関を使用せずに「惰性走行」を可能にします。

 内燃機関モデル(ICE)は204馬力/265馬力のガソリンモデル「2.0TSI」、122馬力/150馬力/193馬力を発生するディーゼルモデル「2.0TDI」はDSG(DCT)と組み合わされます。このうち265馬力の2.0TSI、193馬力の2.0TDIは4MOTION(4WD)が標準装備、その他のモデルは前輪駆動(FF)となります。

 インテリアは全面的に刷新。印象的なのはスタイリッシュな大型の横長ディスプレイで、最新世代の「モジュラー インフォテインメント マトリックス」により、フォルクスワーゲン ドライバーの要望に一貫して合わせた直感的な操作が可能になります。

 また最先端のアシストシステムを搭載。パークアシストプロはスマートフォンを使った遠隔操作で駐車スペースへの出入りが可能で、メモリー機能搭載のモデルはリクエストに応じて走行の最後の50mを記録して保存、たとえば自宅のカーポートの入り口に到達すると、駐車操作を引き継ぐことを申し出ます。駐車スペースからの単独運転も可能です。

 さらに新開発のアダプティブ シャーシ コントロール「DCC Pro」を初搭載。これはフォルクスワーゲンで初めて採用された2バルブ技術のサスペンションで、ミドルクラスの走行性能を格段にアップしているといいます。

 インテリアには空気圧による10室の圧力ポイント・マッサージ機能を備えたエルゴアクティブプラスシートを搭載、ドライブの快適性を向上させます。

 新型パサートヴァリアントの詳細は発表されていませんが、ホイールベースは先代比50mm延長。これにより後席の足元が50mm広がっています。さらに最大1920リッターの荷室容量を備え、ビジネスにもレジャーにも最適なオールラウンダーになっています。

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 新型パサートは2024年第1四半期に欧州市場にて発売される予定です。