日本でも2017年に登場以来、使い勝手の良さとオールラウンドな走行性能で人気の「Eクラス・オールテレイン」が2代目に進化、世界初公開されました。新型はどのようなクルマなのでしょうか。

Eクラスのクロスオーバーモデル「オールテレイン」が進化

 独メルセデス・ベンツAGは2023年9月4日、新型「Eクラス・オールテレイン(E-Class All-Terrain)」を世界初公開しました。

 Eクラス・オールテレインは、SUV譲りの高いアイポイントとロードクリアランス、ステーションワゴンの実用性を兼ね備えたメルセデス・ベンツ初のクロスオーバーモデルとして2017年に登場。

 Eクラス・ステーションワゴンと変わらない実用性や積載性に加え、可変トルク配分型四輪駆動システム「4MATIC」などでオールラウンドな走行性能を備え、世界中で人気のモデルとなりました。2021年(日本では2022年)にはCクラス・ステーションワゴンをベースとしたオールテレイン第2弾「Cクラス・オールテレイン」も登場しています。

 今回初公開された新型Eクラス・オールテレインは2世代目のモデルです。2023年6月に世界初公開された新型Eクラス・ステーションワゴンをベースにしています。

 全長4950mm×全幅1904mm×全高1497mm、ホイールベースは2961mmというボディサイズで、先代よりも28mm全幅が広がっています。これにより、後部座席の乗員に余裕が生まれています。またホイールベースも22mm増加したことで、後部座席の足元/膝まわりのスペースがさらに拡大しています。

 ステーションワゴンをベースとしているため、後部には615リッターから最大1830リッター(PHEVは460リッターから1675リッター)という広大な荷室を用意。背もたれ部は40:20:40の分割可倒式で、イージーパックテールゲートが標準装備されます。

 外観デザインは、フロントにスリーポインテッドスターのパターンが組み込まれたイリジウムシルバーのSUVスタイル「ツインルーバーグリル」が特徴的です。またフロントバンパーと高光沢クロームのアンダーライドガード風のパネルも、SUVスタイルを際立たせます。

 リアには高光沢クロムのシミュレートされたアンダーライド ガードで丸みを帯びたモデル固有のバンパーも備えています。さらに特徴的なのは、ステンレス鋼の外観をした頑丈なロードシルガードです。

 新型Eクラス・オールテレインは、全グレードでAIRMATIC(エアマチック)エアサスペンションが標準装備されています。オールラウンドなレベル制御により、必要に応じて状況に適応しながら、車両の荷重に関係なく一定の地上高を維持します。空気抵抗を軽減し、燃費を向上させるため、コンフォートモードで運転すると、速度が120km/hに達すると自動的に車高が15mm下がります。

ディーゼル/ガソリン/PHEVを用意

 新型Eクラス・オールテレインは、市場導入されるときからディーゼル/ガソリン/プラグインハイブリッド(PHEV)の3種を用意します。

世界初公開されたメルセデス・ベンツ新型「Eクラス・オールテレイン」のインテリア

 PHEVの「E300 de 4MATIC」は、197馬力・440Nmを発生する2リッターディーゼルターボに129馬力・440Nmのモーターを組み合わせるモデルで、システム出力312馬力・700Nmを発生。最大100kmのEV走行が可能です。

 E300de 4MATICの0−100km/h加速は6.9秒、最高速度は213km/hです。

 ガソリンおよびディーゼルモデルはISG搭載のマイルドハイブリッドモデルで、電気モーターの出力は17kW(23馬力)・205Nmに向上しています。

 ディーゼルモデルの「E200d 4MATIC」は197馬力・440Nmの2リッターディーゼルターボ、ガソリンモデルの「E450 4MATIC」は381馬力・500Nmの3リッターターボを搭載。0−100km/h加速と最高速度は「E200d 4MATIC」が8.1秒と220km/h、「E450 4MATIC」が4.7秒と250km/h(リミッター)となります。

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 ドイツ市場では2024年第1四半期より、3グレードで市場投入される予定です。