神奈川県の藤沢生まれ、藤沢育ちなら誰もが一度は食べたことがあると言われているのが、駅前のビル内にある地下街の中華料理店「味の古久家 藤沢店」。創業は1947(昭和22)年。藤沢っ子の3世代、4世代にわたり愛され続けているお店です。

⚫︎昭和の雰囲気と王道の料理。期待を裏切らない美味しさ

 この店の料理はいずれも、王道の”町中華”。ラーメン、チャーハン、焼きそば、餃子など、誰もが好きな料理であり、そのどれもがホッとする味わい。

 濃厚豚骨や背脂・生ニンニクマシマシといった今時のラーメンではなく、昔ながらの中華そば。毎週食べても飽きない、そして思い出したら無性に食べたくなる美味しさです。

 中でも、「味の古久家 藤沢店」に来たら一度は食べて欲しい料理を紹介します。

⚫︎野菜シャキシャキ、ほんのり甘い餡が絶妙なサンマーメン

 神奈川名物のサンマーメンといえば野菜たっぷりの餡が特徴。

 ここのサンマーメン820円は、ほんのり甘めの餡で、豚肉、白菜、もやし、にんじん、キクラゲなどが入っています。

 この餡は、10人前程度の量を一気に炒めて作ることにより、味のブレがなく、最高の状態に仕上げているとのこと。

 豚と鶏でとったスープに、もちもち食感の自家製麺、とろみのある餡に包まれたシャキシャキの野菜。餡によるフタ効果で、最後まで熱々で食べられるのもたまりません。

 定番のラーメンやタンメン、味噌ラーメンも美味しいけれど、麺、スープ、野菜のバランスの良さは、さすが老舗中華料理店、と感じる美味しさです。

⚫︎シンプルだからこそ技を感じるチャーハン

 そして、シンプルイズザベスト、余計なものは一切ない、飾り気のない美味しさを感じるのがチャーハン800円。

 大きな中華鍋で炒めたからこその香ばしさ、そしてややしっとりしつつもパラパラなゴハン。一番上にグリーンピースが飾られていたり、端にザーサイが添えられているのもいい!

チャーハン800円。もちろんスープ付き。具は玉子、チャーシュー、ネギのみ

 個人的には、ギョウザハーフ210円やシュウマイ480円、春巻440円などをビールと共に味わったのち、ハーフチャーハン580円でしめる、というのもおすすめです。

⚫︎具沢山で華やか、ご褒美中華の五目焼きそば

 そして、何かいいことがあった日や、自分にご褒美をあげたくなるような日にぴったりなのが、五目焼きそば990円。

 白菜やもやしなどの野菜餡の上には、赤いフチのチャーシューに煮卵、海老天、イカ、シイタケ、ニンジン、かまぼこ、サヤエンドウなど華やかな一皿。五目ではなく八目、十目はあるスペシャル感のある焼きそば。

五目焼きそば990円。店では一番高いメニュー。つまり全て1品1000円以下

 これも、ビールや日本酒などと注文して、チャーシューや海老天などをつまみに、程よくお酒を楽しんだ後、麺でしめる、という流れもあり。

 五目焼きそばで海老天がのっているお店は、他ではなかなか見ないけれど、実は麺や餡かけとも相性がいい。一つ一つの具を楽しんだのち、とろ〜り餡のかかった焼きそばを味わうという、多幸感を楽しむ一皿です。

⚫︎帰りは店頭販売の餃子をお土産に

 この店は店頭に販売コーナーがあり、汁物以外、ほぼ全部のメニューはテイクアウト可能。もちろん店内で味わうのもいいのですが、お土産として買っていくべきなのは名物の餃子(店内飲食の場合6個350円、持ち帰り340円)。

 店内飲食と合わせて、1日2000個が売れていくという人気メニューです。

 餃子は焼餃子の他に生餃子もあり同じく6個入り340円。店頭販売は他にも、シュウマイ1個120円や春巻1本200円、自家製メンマ250円なども。寒い時期には肉まんやチャーシューまん、あんまんが人気です。

餃子6個340円。店内で食べる場合6個1皿350円になる

 店は開店すぐのタイミングと、ランチタイム、ディナータイムのコアタイムは常に満席。行列ができることも多いですが、席数が多いのと、注文を入店時にすることから待ち時間は短め。この店の常連、ファンが多い理由の一つです。

 なぜそこまで人気があり、長く続いているのか。

 店長に話を聞くと「若い時はジャンボラーメン、就職してサラリーマンになったら少し豪華にサンマーメン、というように、歳を重ねるにつれ頼むものが変わっていく、そして親が子供を連れ、その子供が大人になったら、また自分の子供を連れて、というように、世代を繋いで来ていただいております。もちろん、どのテーブルにも餃子がありますね。誰もが頼みやすい、選びやすいメニューになっているのもあるでしょう。今年創業75周年を迎えましたが、今後は100年へと繋いでいけるように頑張りたいと思います」

 全ての味が75年前と同じではなく「変わらないように変えてきている」と話す店主。

 昔のレシピそのままではない、食べにきた客が毎回美味しいと思える味作りを続けてきた結果、75年もの長きにわたって藤沢の人々に愛され続けてきた「味の古久家 藤沢店」。

 小田急線や東海道線で藤沢駅を通る機会があったら、ぜひ立ち寄って欲しい、体も心も温まるお店でした。