これまでイベント等で新型「ジムニー5ドア」をサプライズ公開していたスズキの南アフリカ法人が、待望の正式発売をアナウンスしました。50年超の歴史を持つジムニーに5ドアがラインナップされるのは現行モデルが初めて。その人気の秘密はどこにあるのでしょうか?

3ドアのホイールベースを340mm伸ばした新型5ドア

 スズキの南アフリカ法人は先ごろ、新型「ジムニー5ドア」を正式発売しました。

 新型ジムニー5ドアは、2023年1月にインドで開催された「オートエキスポ2023」で世界初公開。すでにインド市場では、スズキ車ナンバーワンの人気を獲得しています。

 スズキの南アフリカ法人はこれまで、そんな人気モデルを南ア最大の都市・ヨハネスブルグで開催された「フェスティバル・オブ・モータリング」などでサプライズ公開し、以前より予約受注をスタート。「2023年の第四半期には発売したい」とアナウンスしていました。

 そんな注目のモデルが、ついに彼の地で正式発売となりました。

 新型ジムニー5ドアは、ジムニーの海外仕様、つまり日本仕様でいうところの「ジムニーシエラ」がベース。ボディサイズは、全長とホイールベースがそれぞれ3ドアよりも340mm長く、全長は3820mm(スペアタイヤを含めると3985mm)、ホイールベースは2590mmとなっています。

 ちなみに、1645mmという全幅と1720mmという全高は3ドア、5ドアともに共通ですから、新型ジムニー5ドアは「3ドアのホイールベースを340mm伸ばしたモデル」といえるでしょう(各ボディサイズの数値はすべて南ア仕様)。

 ボディサイズが大きくなったことで気になるのは、悪路走破性が犠牲になっていないか、ということです。

 その点、新型ジムニー5ドアは、ロードクリアランス210mm、アプローチアングル36度、ランプブレークオーバーアングル24度、デパーチャーアングル47度と十分なスペックを確保しています。

 3ドア仕様はロードクリアランス210mm、アプローチアングル37度、ランプブレークオーバーアングル28度、デパーチャーアングル49度ですから、大きく見劣りしない性能を期待できそうです。

 南ア仕様の新型ジムニー5ドアは、3ドアと同様、最高出力75kW(約102馬力)、最大トルク130Nmを発生する1.5リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載します。

 トランスミッションはエントリーグレードの「GL」が5速MTのみ、上級グレードの「GLX」は5速MTと4速ATから選択できます。

 4WD機構は3ドア同様に本格的で、ローレンジモードやヒルディセントコントロール、ヒルアシスト、ブレーキアシストを標準装備しています。

リアドアの追加でリアシートへのアクセスが格段に良化

 新型ジムニー5ドアの全長とホイールベースは3ドアより伸びていますが、そのルックスはひと目でそれと分かるジムニーらしいものです。

3ドアのホイールベースを延長してサイドにリアドアを設け、利便性を格段にアップさせたスズキ新型「ジムニー5ドア」が南アでの発売を開始

 直立したフロントグリル、丸いヘッドライト、エッジの立ったフォルム、サイドヒンジ式のリアドア、そして背面スペアタイヤなど、新型ジムニー5ドアの前後デザインは、3ドアのそれとほぼ共通の仕立て。追加されたリアドアのおかげでサイドの見た目は異なりますが、間延びした感じは一切ありません。

 前席回りは、ダッシュボードのデザインやシート、大半のスイッチ類のデザインが3ドアと共通です。アップライトなドライビングポジションにより良好な視界を提供し、オフロードはもちろんのこと、都市部のドライブでもドライビングのストレスを軽減します。

 フロントシートには、背もたれを後方へと倒してリアシートと一体化させることができるフルフラット機構が備わるため、車中泊やドライブ時にリラックスすることなども可能です。

 新型ジムニー5ドアの乗車定員はジムニーシエラと同じ4名ですが、独立したリアドアを備える5ドア仕様のため、後席へのアクセスが格段に良化しています。

 またリアシートは、専用のシート構造やトリム類を採用。ジムニーシエラのものよりもクッションが厚くて背もたれが高い新型ジムニー5ドアのリアシートは、座り心地もよさそうです。

 さらに南ア仕様は、50対50分割式のリアシートを採用。左右それぞれを倒すことで、ラゲッジスペースを標準状態の211リットルから拡大できます。

 気になるボディカラーは、セレスティアルブルーパールメタリック、アークティックホワイトパール、シルキーシルバーメタリック、ブルーイッシュブラックパール、グラナイトグレーメタリック、ジャングルグリーンのモノトーン6色を用意。

 またオプションとして、ルーフを光沢あるパールのブルーイッシュブラックペイントで塗り分けたシフォンアイボリーメタリック、キネティックイエロー、シズリングレッドメタリックのツートーンカラー3色をラインナップしています。

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 日本とインドの生産拠点では、新型ジムニー5ドアとジムニーの爆発的なヒットにより、現在もフル稼働状態が続いているといいます。それでも日本では、依然としてオーダー時に「納期まで1年以上見ていて欲しい」と販売店にいわれるという話を耳にします。

 果たして、そのような状況下の日本市場で新型ジムニー5ドアが発売される日が来るのか? 早期の発売に期待したいところです。