北米マツダは現地時間の2024年1月30日、新しいクロスオーバーSUV「CX-70」を世界初公開しました。意外だったのは、以前からウワサされていたような“ワイドな「CX-60」”という位置づけではなかったこと。新型CX-70にはどのようなねらいがあるのでしょう?

新型「CX-70」は現行マツダ車で最大の2列シートSUV

 現地時間の2024年1月30日(日本時間の1月31日深夜)、北米マツダは新しいクロスオーバーSUV「CX-70」を世界初公開しました。

 意外だったのは、ボディのパネル構成やサイズがウワサされていたような「CX-60」ベースのものではなく、「CX-90」に酷似していたこと。なぜこのような設定となったのでしょう?

 マツダの現行ラインナップで最大となる2列シートSUVの新型CX-70は、マツダのラージ商品群における第3弾。マツダにとって重要なマーケットである北米市場向けに開発されました。

“Passion Pursuer〜情熱の探求者〜”を商品コンセプトに掲げる新型CX-70がターゲットとするのは、「もっとアクティブに生活を楽しみたい」というユーザーたち。そのため、ラージ商品群の特徴である大胆なプロポーションを採用しながら、週末の旅行やロングドライブなどに対応できるだけの広いラゲッジスペースを確保しています。

“Dignified Performance”がコンセプトのエクステリアデザインは、マツダらしい洗練されたスタイリングに、スポーティかつ凜とした存在感をプラス。走行中や停車中を問わず、常に大胆なプロポーションとボディの造形による映り込みがダイナミックな躍動感を演出しています。

 独自のデザインとなるフロント回りは、光沢ある黒のハニカムフロントグリルとシグネチャーウイングによって性能の高さをアピール。また、前後のバンパーはともにワイド&ローな印象を与える形状としています。

 ルーフレール、ドアミラー、サイドトリム、ウインドウトリムなどはスポーティな雰囲気をアピールすべくブラック仕上げに。また21インチの大径ホイールは、ブラックメタリック仕上げの仕様と、ダイヤモンドカットのディテールをあしらったブラックメタリック仕上げの仕様という2種類が設定されています。

 インテリアも新型CX-70のダイナミックかつスポーティな性能を演出すべく、上質な素材を採用し、洗練さとクラフトマンシップを表現した空間に仕上げています。

 注目は絶妙なカラーコーディネートで、内装色には市場やグレードによって異なるものの、バーガンディ(赤)、ブラック、グレージュ、タンの4色を設定。

 なかでも、新採用となるバーガンディのナッパレザーを使ったシート表皮&トリム類は、スポーティな印象を際立たせ、さらに、ステアリング、ダッシュボード、センターコンソール、ドアトリムに施された赤のダブルステッチが、インテリアを鮮やかに演出します。

 そして、訴求ポイントのひとつであるラゲッジスペースは、同セグメントにおいて最大級となる容量を確保。リアシートの背もたれを倒すとフラットかつ広大なフロアが出現し、さまざまな荷物の積載に重宝します。

 ちなみに、リアシートの背もたれはリアゲート側にあるスイッチを押すだけで倒すことが可能。また、フロア下のサブトランク用にカーゴオーガナイザー(仕切り箱)も純正アクセサリーで用意され、各種小物を整理収納することができます。

 新型CX-70のパワートレインは2種類を設定。3.3リッター直列6気筒ターボエンジンに“M ハイブリッド ブースト”を組み合わせたマイルドハイブリッド“e-スカイアクティブG 3.3”と、2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド“e-スカイアクティブ PHEV”が搭載されます。

 いずれの心臓部も後輪駆動ベースのアーキテクチャーと組み合わされることで、意のままにクルマを操る楽しさと優れた環境性能の両立を実現しています。

●プロポーションと後席&荷室は「CX-90」に通じる

 そんな新型CX-70で意外だったのは、ボディパネルの構成とサイズです。

 CX-70はこれまで「CX-60のワイド版」だといわれてきました。しかし、新型CX-70のサイドビューは、写真を見る限り、北米市場で売られている3列シートSUVのCX-90に酷似。まさに新型CX-70は、「CX-90の2列シート版」といった趣なのです。

 特にサイドウインドウ下端のラインには、CX-60との違いが最も現れています。CX-60のそれは、後ろ足で蹴り出すようなFR車らしい表現とすべくリアドアの後方で大きく跳ね上がりますが、新型CX-70のそれはCX-90と同様、リアピラーの中央まで真っ直ぐ伸びています。

 さらに新型CX-70は、リアピラーの形状や角度、リアドアの大きさなどもCX-90のそれに準じたものとなっています。

 こうしたことから、現時点でボディサイズは公表されていないものの、新型CX-70はCX-90(全長5100mm、全幅1994mm、全高1745mm)に近い大きさだと思われます。

 その分、新型CX-70のサイドビューは、CX-60(全長4740mm、全幅1890mm、全高1685mm)より伸びやかな印象を受けます。それは、こうしたボディのパネル構成やサイズの違いによる賜物といえるでしょう。

 また、新型CX-70は、リアドアの大きさもCX-90のそれに匹敵するサイズとなっています。しかもリアドアはほぼ直角に大きく開くため、リアシートへのアクセスは良さそうです。

 加えて、新型CX-70のリアシートは、CX-60のものよりも機能が充実しています。背もたれのリクライニング量は大きく、前後のスライド機構も装備。この辺りの機能は、CX-90譲りのものといえそうです。

 ちなみに、新型CX-70の荷室の両サイドには、カップホルダーのようなトレーが存在しています。これらはCX-90との共通性を感じさせるディテールといえそうです。

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「CX-60のワイド版」とウワサされてきたCX-70は、なぜCX-90に通じるボディの面構成とサイズを採用したのでしょうか? その要因は、北米市場のラインナップに要因があると思われます。

 北米市場では、現地でいうところのコンパクトSUVである「CX-5」や「CX-50」が人気を得ており、CX-90の全長を縮めてしまったCX-70では、それらとのバッティングが懸念されます。

 また、マツダにはラージサイズのSUVが3列シートモデルのCX-90しか存在しないことも、CX-70の構成に影響を与えたのではないでしょうか。

 いずれにせよ、今回、CX-70が世界初公開されたことで、2024年中にも日本市場に投入されるとウワサされる「CX-80」がどのようなモデルとなるのか、大いに気になってきました。