北海道・上富良野町にはサウナ好きから「北の聖地」と呼ばれる温泉施設が存在します。この時季はマイナス20度や30度近くにまで冷え込む、標高1000mを超える高地にある場所ですが、どのようにアクセスすればいいのでしょうか。

旭川空港からクルマで1時間の場所にある

 旭川空港からクルマで1時間、標高2077mの活火山・十勝岳の麓にある温泉施設が「吹上温泉保養センター白銀荘」です。

 ネプチューンの原田泰造さん演じる主人公が、全国各地のサウナを巡るTVドラマ「サ道」。2019年の年末に放映されたスペシャル版でも紹介され、日本最大のサウナ検索サイト「サウナイキタイ」の北海道版でも常に上位にランクしているサウナの“北の聖地”がこの白銀荘になります。

 春・夏・秋の季節は、大雪山国立公園十勝岳連峰の主峰・十勝岳の登山口に接する場所にあるため、宿泊もできる白銀荘は十勝岳登山のベース地としても重宝されるとのことですが、標高1000mを超える場所にあるため、冬に行くにはなかなか躊躇してしまうのが正直なところ。

 それでも白銀荘はこの厳冬期でも営業しています。どのようにアクセスすればいいのでしょうか。

 クルマでは旭川市や旭川空港からは国道237号線を美瑛・富良野方面に走り、上富良野駅方面に曲がります。その後北海道道291号、吹上上富良野線を十勝岳温泉方面に上っていき、途中「美瑛・白金温泉」という大きな看板が見えたら右折しておよそ2km。麓にある「後藤純男美術館」からなら、およそ25分で到着します。

「吹上温泉保養センター白銀荘」に向かうアクセス道路の道道291号、吹上上富良野線

 極寒の北海道、朝晩はマイナス20度以下になることも多い場所で、この時期は路面もカチカチに凍っています。積雪もあり登坂路が続くので、クルマで行くにはスタッドレスタイヤ装着は当然のこととして、4WD車でないと厳しいかもしれません。ただし除雪は行き届いているため、想像するよりも走りやすい道ではあります。

 春夏秋のシーズンでは、近くの有名な観光地である「白金青い池」方面から白金温泉を右折して白銀荘に向かう、道道666号十勝岳温泉美瑛線でアクセスすることができますが、冬期は望岳台ゲートから先、白銀荘まで通行止めとなるため、クルマで向かう場合はこの道道291号吹上上富良野線の一択になります。

 もうひとつのアクセス方法として、町営バスを使うという手があります。JR上富良野駅前を1日3本、8時52分/12時49分/16時31分発の「町営バス十勝岳線」に乗れば白銀荘まで約30分で到着します。片道大人500円になります。

 帰りのバスも白銀荘発10時01分/13時51分/17時40分と3本用意されるため、立ち寄り湯するにも1時間程度の余裕はあります。ただし朝イチのバスの場合、入浴できる時間の前に到着してしまうため、待ち時間が必要です。

サウナからの“雪ダイブ”も良いかも

 入浴料700円をカウンター横の券売機で購入し、白銀荘の中にある温泉施設に向かいます。ちなみに入浴は10時から22時(受付は21時)までとなります。

「吹上温泉保養センター白銀荘」の男湯

 温泉の泉質は「酸性ナトリウム・カルシウム塩化物・硫酸塩泉」。冷え切った身体を慣らしながらゆっくり入ると、じんわりと体の中の芯があたたまっていくのを感じます。

 この温泉も気持ちが良いのですが、今回の目的は“北の聖地”であるサウナの体験。扉を開けると100度前後の熱気が襲ってきます。ただ、それほど熱さは感じません。

 先客のおじいさんが「ちょっと良いかな?」といってサウナストーンに水をかけると、一瞬で体感温度が上がります。ただし耐えられないほどの痛さ熱さというわけではなく、気持ち良さが勝るロウリュです。

 汗もかききったところでサウナを出て、水風呂に向かわずにそのまま露天風呂の方に向かいます。

 外気温はマイナス13度。水風呂よりも冷たい気温に、身体が一瞬で引き締まっていくのがわかります。露天風呂の脇の積もった雪にダイブすることも考えましたが、雪にヒト型を付けるのが恥ずかしく、行いませんでした。

 サウナと外気温のこの温度差、確かに「ととのう」までの時間がはやい感じがあります。北の聖地の称号もダテじゃないと思いました。

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 白銀荘からクルマで2分ほどにある駐車場からアクセスできる「吹上温泉露天の湯」は、野良(?)の温泉好きには有名な無料の露天風呂です。

吹上温泉露天の湯

 ここは倉本聰さん脚本のTVドラマ「北の国から’95秘密」で、田中邦衛さん演じる黒板五郎と、宮沢りえさん演じるシュウが一緒に入浴するシーンで全国的に知られた場所で、春や秋のシーズンには混むこともあるようですが、真冬のこの時期はひっそりとしています。

 膝上まである雪をかき分けつつ、手すりにつかまりながら慎重に坂を降りていくと、5分ほどで露天風呂に到着。そこには更衣室などはなにもなく、着替える場所は吹きっさらしの板張りなのも、野性味を感じさせます。

 マイナス10度を下回る気温のなか服を脱いでいくと、なにか思考が遅くなるような、ちょっとした命の危険も覚えます。ヒートショックに気をつけつつかけ湯をして入りますが、源泉のまま温度調節もしていないためか、熱すぎて湯船の中に足を付けることもできませんでした。慌てて服を着直しましたが、本当に焦るばかりで、かじかんだ手足ではなかなか着用できなかったのも良い思い出です。

 吹上温泉露天の湯には上下に露天風呂があるので、下の風呂のほうが適温になりやすいということ、真冬に一人でアクセスするのは危険なので必ず2人以上で行くこと……そんなことを考えつつ、また膝上の雪をかき分け、駐車場に戻りました。