2025年1月に米国アリゾナ州フェニックスで開催されたRMサザビーズ主催のオークションで、1984年製アウディ「スポーツクワトロ」が高値で落札されました。

エンジンを強化したグループBホモロゲモデル

 2025年1月に米国アリゾナ州フェニックスで開催されたRMサザビーズ主催のオークションで、1984年製アウディ「スポーツクワトロ」が高値で落札されました。

 どんなクルマなのでしょうか。

 アウディは、1981年のWRC(世界ラリー選手権)開幕戦モンテカルロラリーに、グループ4仕様の「アウディ・クワトロ」を投入しました。クワトロの車名のとおり、4WDのモデルでした。

 デビュー戦の勝利は飾ることができませんでしたが、第2戦のスウェーデンラリーで初優勝。2年目の1982年シーズンではマニュファクチャラーズタイトルを獲得しました。

 1983年のWRCグループBはランチアにタイトルを奪われたものの、1984年シーズンにはアウディ・クワトロをショートホイールベース化、さらにパワーアップを果たした「スポーツクワトロ」を投入し、マニュファクチャラーとドライバーズタイトルを獲得しました。

 こうした勝利を受け、アウディは巨大マーケットである米国市場でのプロモーションを画策。ファクトリーレーシングチームを編成しました。このチームは1988年のトランザムシリーズを制覇しましたが、その圧倒的なパフォーマンスのため、その勝利の直後にクワトロシステムは禁止されています。

 その後、スポーツクワトロはIMSAシリーズやパイクスピーク・ヒルクライムなどに舞台を移し、米国のモータースポーツで圧倒的な存在感を示しています。

 今回オークションに出品された1984年式スポーツクワトロは、わずか164台しか製造されていないグループBホモロゲーションモデルのうちの1台(シャシナンバー5035)です。

 搭載された2.1リッター直列5気筒ターボエンジンは、チューナーのハインツ・レーマン氏によってさらに強化され、その最高馬力は標準ユニットより130馬力も高い435馬力を発生しました。

 また組み合わされる5速マニュアルトランスミッションもモータースポーツ用のシンクロメッシュにアップグレード、軽量フライホイール、プレッシャープレート、6パッドクラッチディスク、そして室内には特注のロールケージも採用されました。

 1991年には、米国フェラーリクラブが主催するバージニアシティ・ヒルクライムレースに出場、総合4位という成績で周りを驚かせたといいます。翌年の同大会では、競合する2台のフェラーリ「F40」のタイムを更新、「F40キラー」というニックネームが付けられました。

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 落札予想価格は37万5000ドルから47万5000ドル(日本円で約5820万円から7370万円)とされていましたが、最終的に75万8500ドル(約1億1193万円)と予想を上回る高値で落札されました。