ポルシェのチューナーとして有名な「ルーフ」には、エンジンコンバージョンキットがありました。これであなたの「911」をさらにパワーアップすることができます。

愛車の「911」をルーフ仕様のエンジンにコンバージョン

「ルーフ」といえば、ポルシェをベースとしたコンプリートカー製作で知られているが、本来このブランドは、ポルシェをより楽しく、より長く乗り続けることができるように、直すべき部分は直し、手を入れるべき部分には手を入れることで、さらに高い完成度を実現するということを目的としている。

 そのため、ドイツ本国のファクトリーでは、一般的な整備や修理に加え、旧型車両のレストアも受け付けており、そのクオリティの高さは「ポルシェ社からラインオフした状態よりも美しい」と評されるレベルだ。

 そんなルーフが展開する事業のひとつに、エンジンコンバージョンキットの開発がある。これはルーフのコンプリートカーに搭載されているエンジンと同様の工程を得て、製品化されるものだ。

 組み上げられたエンジンにはさまざまなタイプがあり、たとえばNAエンジンであればシリンダーヘッドやシリンダーの加工、排気系のチューニングなどをおこなうことでパフォーマンスを向上。ターボエンジンの場合には、エンジン内部のチューニングだけではなく、ターボチャージャーの変更もおこなっている。

 今回、ルーフの日本における総輸入元である株式会社RTCは、ルーフのエンジンコンバージョンキットの日本国内向けラインアップを拡充した。

 新たに導入されるのは、次の4つだ。

・Rc91:991後期型「911カレラ/カレラS」と「911GTS」用
・R91:991型「911ターボ/ターボS」用
・Rc92:992型「911カレラ/カレラS」用
・R92:992型「911ターボ/ターボS」用

●Rc91のメニュー

 まず991の後期モデルにのみ対応するRc91だが、モデル別でチューニング内容は2パターン用意されている。カレラ/カレラSに対応する「Rc91−460」は、460ps/6500rpm、570Nm/2400−5200rpmというスペック。

 キット構成はスポーツエアフィルターとECUコンバージョンをおこなうというもので、価格(消費税込、以下同)は176万円だ。

 また550ps/6500rpmという最高出力と、620Nm/2800-5600rpmという最大トルクを発生する「Rc91−550」は、カレラ/カレラSに加えて、GTSにも対応する。カレラ/カレラS用のRc91−550は、大型のターボチャージャーを装備し、スポーツエアフィルターとECUコンバージョンをおこなっていて、価格は308万円。

 GTS用のRc91−550は、ECUコンバージョンとスポーツエアフィルターの交換のみで同スペックを発生できるため、価格は176万円となっている。このGTS用Rc91−550には、オプションとしてインコネルを素材として採用したスポーツエキゾーストマフラーも用意されている。

●R91のメニュー

 991型ターボ/ターボSに対応する「R91-635」は、ECUコンバージョンとスポーツエアフィルター、スチール鋼製スポーツエキゾーストマフラーのキット構成。スペックは635ps/6200rpm、860Nm/3500-4500rpmとなっていて、価格は231万円。これにインコネル製スポーツエキゾーストマフラーと、加えてカーボン製マフラーカッターがオプション設定されている。

 また745ps/6500rpmというパワーと、995Nm/4500rpmというトルクを発生する「R91−745」が上位バージョンとして用意されている。こちらはECUに加えて、PDKを制御するGCUもコンバージョンされ、さらに大型のインタークーラー、カーボン製大口径インタークーラーダクト、VTGターボチャージャーコンバージョン、プレッシャーバルブ、スポーツエアフィルター、インコネル製エキゾーストマニホールド/スポーツエキゾーストマフラーというのがキット構成となっている。価格は638万円だ。

扱いやすいパワーアップがルーフの真骨頂

 ここからは、992型用のコンバージョンキットの構成を解説しよう。

●Rc92のメニュー

「Rc92−580」は、992型911カレラ/カレラSに対応するエンジンコンバージョンキットとなる。スペックは580ps/7100rpm、610Nm/3500-6500rpm。

 キット構成はECUコンバージョンとスポーツエアフィルターで、カレラ用の場合はターボチャージャーの換装とコンバージョンが、カレラS用はターボチャージャーコンバージョンがおこなわれる。価格はカレラS用が275万円で、カレラ用は要問い合わせ。オプションとしてバルブコントロール機能付きのスポーツエキゾーストシステムが用意されている。

ルーフのコンプリートカーである「Rt35」

●R92のメニュー

 992型911ターボ/ターボS用としては「R92−750」と「R92−830」をラインナップ。

 R92−750は、750ps/6900rpm、900Nm/4800rpmというスペックで、キット構成はECUコンバージョンとスポーツエアフィルターというもの。価格は176万円だ。

 R92−830の方は、ECUコンバージョンとスポーツエアフィルターに加えて、VTGターボチャージャーコンバージョンとバルブコントロール機能付きスポーツエキゾーストシステム、インコネル製エキゾーストマニホールドも加わっている。価格は523万6000円だ。

 ここに上げたエンジンコンバージョンキットの価格は、あくまで単品のもので、エンジンの換装には当然ながら工賃も必要となることをお忘れなく。

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 スペック的にいえばR91-745の場合は991型911ターボとの比較でプラス225ps/285Nm、R92-835では991型911ターボと比べてプラス250ps/180Nmを実現。しかも、パワーグラフを見てもらうとわかると思うが、ピーク値のみが向上しているのではなく、低回転からトルクが出ているため、フレキシビリティでもある。

 メンテナンスに関しても、ノーマルエンジンと同等間隔でおこなえば、性能を維持することができるため、日常使用から高速巡航まで、シチュエーションを選ばずに走ることができる。ここ一発では速いが扱いづらく、耐久性も低いといったような、いわゆるチューニングエンジンに関する一般的な概念とは違う完成度の高さは、ルーフならではのものだ。