アウディのフラッグシップセダンである「A8」がフェイスリフトしました。今回のフェイスリフトで変更された点を解説します。

よりシャープなデザインと革新的なテクノロジーを採用

 アウディは、プレミアムセグメントにおける先駆的存在である「A8」にフェイスリフトを施し、2021年11月2日に公開した。

●「A8」のルーツとは

 A8は、「V8」の後継モデルとして1994年に登場して以来、ラグジュアリーセダンセグメントのフラッグシップモデルとしての役割を果たしてきた1台だ。ステータスと名声の象徴であり、ラグジュアリーセダンの先駆的存在でもある。

 2017年に発表されたA8の第4世代は、パフォーマンス、スタイル、装備のあらゆる面で大きな進化を遂げて登場。アウディの各シリーズモデルを牽引するクルマとして、未来のデザイン言語をいち早く取り入れ、現在に至るまで先進的なアウディブランドの代表的な存在となっている。

 シャープなデザイン、確立されたテクノロジー、そしてリアシートの優れた快適性などの要素が、同セグメントにおけるアウディのプレミアムコンセプトを定義している。

 そんな同セダンは、卓越した快適性とスポーティなハンドリングが共存できることを示す好例であり、すべてのドライバーのニーズを満たす幅広い運転体験をもたらしてくれる。

 あらゆるディテールに及ぶ高い精度とインテリジェントな機能を備えた新しいA8は、ユーザー中心のパーソナルモビリティにおいて、高い価値を備えたテクノロジーのパイオニア的存在となっている。

●エクステリアの変更点とは

 A8は今回のフェイスリフトで、エクステリアの存在感を増し、自信に溢れた躍動感が高められた。

 シングルフレームグリルのベースはさらに幅が広くなり、サイズが拡大されたクロームアングルを下方から上方へと伸ばすことで、印象的なグリルが創出されている。

 サイドエアインテークはより直立したデザインとなり、ヘッドライトと同様に新鮮な印象を与えくれる。また、フロントエンドのデザインは全体的に見直され、調和の取れたデザインエレメントを採用。アウディブランドのトップモデルとしての存在感に、さらに磨きがかけられた。

 ルーフはフラットなラインを描き、ボディ全体の長さを強調する一方で、ワイドなホイールアーチは、クワトロドライブシステムが採用されていることを暗示。すべてのバージョンで、ロッカーパネルには新しい形状が採用され、その下端にはブレードが装着されている。

 リアエンドの特徴は、ワイドなクロームライン、デジタルOLEDテクノロジーが採用されたことによる、カスタマイズ可能なテールライトや、横幅一杯に広がるセグメント化されたライトストリップだ。バンパーのディフューザーインサートは繊細なアクセントとなり、水平バーとともにデザインが見直されている。

 さらに、排気フローを最適化した4本出しの丸形テールパイプを搭載。これは、Sモデルによく見られるスタイルで、スポーティなデザインを象徴する要素のひとつとなっている。

 なお、エクステリアには、標準仕様に加えてクロームエクステリアパッケージを設定。さらに、A8としては初めて、新しいSラインエクステリアパッケージも提供される。

 ボディサイズは、ホイールベースが3.00m、全長が5.19m、全幅が1.95m、全高が1.47mで、S8は全長が約1cm長くなっている。ボディには、アウディスペースフレーム(ASF)が採用され、ボディの58%はアルミニウムコンポーネントで構成されることになる。

 パッセンジャーコンパートメントは熱間成型されたスチールコンポーネントから構成され、超高強度で非常にねじれ剛性の高いカーボンファイバー強化プラスチック製のリアパネルにより強化された。

 フロントのストラットタワーバーにはマグネシウムが採用され、さらに進化を遂げた軽量コンセプトが完成したという。この非常に高いボディ剛性は、正確なハンドリング、優れた快適性、室内の静粛性の基盤となっている。

無駄を排したシンプルなインテリアデザイン

フェイスリフトが施されたアウディ「A8」のインテリア

●インテリアの変更点とは

 インテリアは、開放的で広々としたラウンジを連想させるデザインだ。その造形は、幅の広さを強調するために、水平基調が基本とされている。

 夜間には、アンビエントライトパッケージプラス(アウディデザインセレクションとS8に標準装備)がインテリアをエレガントに演出。リアシートにはマトリクスLEDテクノロジーを採用した、リーディングライトが設置されている。

 また、シートも非常に快適で、とくにリアシートでは、数多くのオプションが利用可能。最高レベルのラグジュアリー体験を得ることができる。

 これらの装備プログラムの頂点となるのが、「A8 L」のリラクゼーションシートだ。同シートには、数多くの調整オプションに加え、フロントシート背面にフットレストが装備される。

 乗員はフットレストで足を温めたり、強さを調整可能なマッサージ機能を利用することが可能。リラクゼーションシートパッケージには、シートの背もたれ部分に18個の空気圧クッションを備えたマッサージ機能、電動調整が可能なコンフォートヘッドレスト、オプションのコンティニュアスセンターコンソール(オプションの折りたたみ式テーブルも利用可能)、4ゾーンデラックスオートマチックエアコンディショナー、新しいリアシート用ディスプレイが含まれている。

 さらに、アウディエクスクルーシブプログラムでは、バーコンパートメントを含むクーラーも用意され、リアシートの快適性がさらに高められた。

 MMIタッチレスポンスの操作は、ふたつのディスプレイ(10.1インチと8.6インチ)と日常会話に対応したボイスコントロールでおこなわれる。操作コンセプトおよびディスプレイのハイライトは、オプションのヘッドアップディスプレイを備えたドライバー指向のフルデジタル アウディバーチャルコックピットで、重要な情報はドライバーの視野内に直接表示されることになる。

●新型「A8」のエンジンラインナップは?

 新型A8には、5種類のエンジンが搭載される。3.0 TDIと3.0 TFSIは、それぞれ3リッターの排気量を備えたV6エンジンだ。

 さまざまな出力レベルで提供され、A8とS8に搭載される4リッターV8エンジンの4.0 TFSIには、シリンダーオンデマンド(COD)テクノロジーが採用されている。TFSI eプラグインハイブリッドモデルは、3.0 TFSIエンジンと電気モーターの組み合わせだ。

 3.0 TDIは、「A8 50 TDI クワトロ」と「A8 L 50 TDI クワトロ」に搭載。このエンジンの最高出力は210kW(286PS)、最大トルクは600Nmを発揮する。最大トルクは、1750rpmから3250rpmの幅広い回転域で発生。同ディーゼルエンジンを搭載したA8およびA8 Lは、0-100km/hを5.9秒で加速し、最高速度は250km/hだ(電子リミッター作動)。なお、この数値は、すべてのA8モデルで共通となっている。

 250kW(340PS)を発生する3.0 TFSIは、「A8 55 TFSI クワトロ」と「A8 L 55 TFSI クワトロ」に搭載される。中国では、210kW(286PS)を発生するバージョンを設定。最大トルクは、500Nm/1370〜4500rpmで、0‐100km/h加速は5.6秒となっている(Lモデル:5.7秒)。

 A8モデルに搭載される4.0 TFSIは、338kW(460PS)の最高出力と660Nmの最大トルク(1850から4500rpm)を発生。これにより、非常にスポーティなパフォーマンスが実現されている。

 「A8 60 TSFI クワトロ」および「A8 L60 TFSI クワトロ」は、ともに0‐100km/hを4.4秒で加速する。V8エンジンのハイライトのひとつは、シリンダーオンデマンドシステム(COD)で、同システムは、エンジン負荷が低い場合に、4つのシリンダーを一時的に休止させる仕組みとなっている。

●パフォーマンスモデル「S8 TSFI クワトロ」とは?

 S8 TSFI クワトロは、スポーティなシリーズのトップモデルである。同モデルに搭載されるツインターボV8エンジンは、420kW(571PS)の最高出力と、800Nm/2050‐4500rpmの最大トルクを発生。0‐100km/h加速は3.8秒だ。

 エキゾーストシステムにはサウンドフラップが装着され、必要に応じてよりシャープなサウンドを楽しむことができる。さらに、このA8ファミリーの最上位モデルは、非常に広範囲な標準装備を特徴とする。そのハイライトは、革新的でユニークなサスペンションコンポーネントの組み合わせで、S8にのみ、工場出荷時にプレディクティブ アクティブサスペンション、スポーツディファレンシャル、ダイナミック オールホイールステアリングが装着されることになる。

 同モデルは、インテリアとエクステリアに独自のデザイン要素を取り入れ、スポーティなキャラクターを意図的に演出。主要な市場である中国、米国、カナダ、韓国では、ロングホイールベース仕様のS8のみが導入される。

 また、ロングホイールベース仕様では、全長と全高が増加することによって、ヘッドルームおよびレッグルームのスペースが増え、乗員快適性が大幅に向上。すべてのモデルには、48ボルトマイルドハイブリッドテクノロジー(MHEV)が標準装備されている。