2022年春以降に日本には導入される予定のプジョー新型「308/308 SW」を、フランス・カンヌで試乗してきました。日本導入予定のベストバイをズバリお教えします。

日本では来春以降発売予定のプジョー「308/308 SW」をカンヌで試乗

 2021年3月にハッチバック、6月にステーションワゴンのSWと、オンラインでワールドプレミアとなっていたプジョー新型「308/308 SW」。すでにヨーロッパ市場では10月12日に発売された。日本市場への導入時期は、来春以降となる模様だが、9月下旬にフランス・カンヌでおこなわれた国際試乗会で、その走りを一足早く体験する事ができた。

 2020年春に世界がコロナ禍となってから、世界中の自動車メーカーは国際イベントをストップしていたが、ヨーロッパではワクチン接種率も上がり、この時は感染状況がある程度落ち着きを見せていたことから、国際イベントも徐々におこなわれつつあった。

 今回の308試乗会は、プジョーとしてはコロナ後初の国際試乗会で、私が参加した日は、ヨーロッパのみならず、ニュージーランドやチュニジアなどからもジャーナリストが参加していた。

 カンヌ郊外にあるプライベート空港を起点におこなわれた試乗会では、ありとあらゆるバリエーションの試乗車が用意されていた。おそらくヨーロッパでしか販売されない仕様も多数用意されていたが、私は2日間のスケジュール内で、308と308SWの両方で、日本市場への導入が予定されているPHEVの「ハイブリッド225」と、ガソリンの「ピュアテック130」およびディーゼルの「ブルーHDi 130」の8速AT車を試乗する事ができた。

●進化した最新プジョーデザイン

 新型308/308 SWは、車名が「308」に固定されてから3世代目で、社内開発コードは、308が「P51」、308 SWは「P52」となっている。プラットフォームは従来モデルと同じく「EMP2(エフィシエント・モジュラー・プラットフォーム2)」だが、改良型の「V3(バージョン3)」で、50%のパーツは新設計だ。

 ボディサイズは、308が全長4367mm、全幅1852mm、全高1441mm、ホイールベース2675mmで、308 SWは、全長4636mm、全幅1852mm、全高1442mm、ホイールベース2732mmと、先代からひとまわり大きくなっている。

 とくに全幅は1850mmを超え、Cセグメントのモデルとしてはかなりワイドだ。ハッチバックとSWでホイールベースが異なる点も特徴である。一方で全高は先代より若干低められ、全体としてロー&ワイドで伸びやかなプロポーションとなった。

 508から導入された、最新のプジョーデザインを纏ったエクステリアは、この新型308/308 SWでさらに進化したようだ。ライオンの牙や爪をモチーフとしたLEDのライト類や、立体的な形状のフロントグリルや前後バンパーなど、彫りの深いキレのある造形が印象的な外観は、ディテールまで精緻に作り込まれていて、なかなか高級感が感じられる。

プジョー独自のiコクピットを採用したインテリアは、ドライバー中心にデザインされている

 プジョー独自のiコクピットを採用したインテリアは、ドライバー中心にデザインされたことがはっきりと感じられ、質感も非常に高い。またこれまではステアリングホイールの位置が低いため、他のクルマから乗り換えるとドライビングポジションに違和感を覚える事があったが、ニュー308/308 SWではそこが払拭され、とても自然にドラポジが決まるようになっている。

 インテリアのハイライトは、10インチのタッチディスプレイと、その下に頻繁に使う機能を割り当てられる「iトグル」と呼ばれるタッチパネルを備えた、最新世代のインフォテインメントシステム「iコネクト・アドバンスド」だ。

 ディスプレイもタッチ操作に対するレスポンスが良く、とても直感的に使える。さらには「OK、プジョー」と声をかけると、自然な会話形式で様々な操作がおこなえるのだ。このシステムは日本仕様にも搭載される予定だというから、非常に楽しみである。

日本導入モデルでベストバイの「308/308 SW」はどれか

 走りはとても上質だ。308、308 SWとも、ボディの剛性感はとても高く、足回りはコシがありながらしなやかで、高い安心感とともに俊敏で正確なハンドリングが楽しめる。

 あえていえば、57mmホイールベースが長い308 SWは、ハッチバックより挙動が若干ゆったりしていて、ワインディングロードを積極的に走ると、リア回りのバウンシングがやや大きいが、デイリーユースではほぼ感じる事はないだろう。落ち着いた乗り心地で文句なく快適。ラゲッジの使い勝手も優れ、良いクルマ感に溢れている。

57mmホイールベースが長い308 SWは、ハッチバックより挙動が若干ゆったりしている

 最高出力131psの1.2リッター直3ターボのピュアテック130搭載車は、もっとも軽快な走りが味わえる。とくにパワフルではないが、8速ATが1750rpmで最大トルクの230Nmを発生させるエンジンの能力を巧みに引き出している。

 同じく131psを発揮する1.5リッター直4ディーゼルターボのブルーHDi搭載車は、最大トルクが300Nmと太いだけに、乗用域で力強い加速が味わえ、高速道路でも一層の余裕が感じられた。先代は日本でも1.5リッターディーゼルが人気を博したが、新型もこれが販売の中心となりそうである。

 もっとも衝撃的だったのは、新設定のPHEVであるハイブリッド225だ。その走りの完成度は、ピュアテック130やブルーHDiとは次元が違ったのだ。ハイブリッドパワートレインは、1.6リッターガソリン直4ターボに電気モーターと8速ATを組み合わせたもので、電気モーターを積極的に使う制御も含めて、基本的に508ハイブリッドと共通である。

 だが走りの上質感がまるで違うのだ。発進時は電気モーターで静かにスッと転がり出し、アクセルペダルを深く踏み込めばエンジンが始動してパワフルで滑らかな加速を披露する。その時も振動やノイズはしっかり抑えられていて、静粛性は極めて高い。

ハッチバックのハイブリッド225は、プレミアムブランドを含むCセグメントモデルでベストな1台

●ハッチバックの「ハイブリッド225」は待つ価値あり

 乗り心地も抜群に良い。車両重量が1633kgあり、ピュアテック130搭載車より約350kg重いため、市街地でも高速道路でも、乗り心地がとにかくフラットなのだ。足回りのセッティングも絶妙である。さらにハンドリングも秀逸で、車両後部に12.4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載するため前後重量バランスが良く、非常にニュートラルで気持ちの良いコーナリングが楽しめるのである。

 個人的にはハッチバックのハイブリッド225は、世界中を見渡してみても、プレミアムブランドを含むCセグメントモデルでベストな1台だと感じた。

 現地価格を考えると、ハイブリッド225の日本市場での価格は、おそらく500万円台後半になりそうだ。インポーターにはなんとか頑張ってもらいたいところだが、たとえ少し高くても、その走りを一度体験すれば、十二分にそれだけの価値があると理解してもらえるだろう。スタイリッシュで上質なコンパクトカーを探している人は、新型プジョー308/308 SWの上陸を待つべきである。