GT的要素の強いフェラーリ「ローマ」を、ノビテックが刺激的なエアロパーツとエンジンチューンで過激仕様にしました。ノビテックのチューニングメニューを解説します。

ノビテックが、甘い「ローマ」に刺激的なスパイスを加えた

 フェラーリ「ローマ」はローンチに際して、“La Nouva Dolce Vita(新・甘い生活)”というコンセプトを前面に押し出していた。いわずと知れたフェデリコ・フェリーに監督の映画『甘い生活』が、もちろん下敷きとなっている。

『甘い生活』では、1950年代から1960年代にかけてイタリアのローマで流行した華やかで自由に生きるというライフスタイルが描かれている。つまりフェラーリ・ローマは、機能性よりもむしろ享楽主義をデザインで表現した1台なのであろう。最初にローマを見た時から、個人的なこのような感情は変わることはない。だからこそローマは、フェラーリの現行ラインナップにおいても特別な姿に映る1台なのだ。

●レベル2で84馬力アップ

 そのローマをベースに、早くもノビテックがチューニングモデルを発表した。もはやフェラーリ・チューニングの世界においては、もっとも幅広いラインナップを構成しているといっていいノビテック。そのカスタマイズは今回も魅力的なフィニッシュであった。

 まずフロントに搭載されるエンジンは、4リッターV型8気筒ツインターボで、その基本スペックに変化はない。しかし電子制御管理システムのすべてをノビテック・オリジナルのものへと変更。燃料噴射と点火用に特別に調整されたマッピングが導入されているほか、ターボの電子ブースト圧力制御のアップグレードもおこなわれ、スロットルレスポンスの向上も大きな魅力だ。さらにノビテックは、性能向上効果のある高性能触媒を、このローマにも設定している。

 ここまでのチューニングを、ノビテックは「パフォーマンス・レベル2」と称し(レベル1ではエンジンにチューニングは施されない)、最高出力と最大トルクは、ノーマルの620ps&760Nmから704ps&882Nmにアップされている。

 注目の運動性能は0-100km/h加速3.2秒、そしてわずか8.9秒後には200km/hの速度に達するという。最高速は325km/hオーバーとノビテックからは発表されている。

 一方のボディキットは、この高速域での走行にさらなる安定感を生み出すための重要な要素だ。すべてのボディワーク・コンポーネントは、とくに軽量でありながら高強度のネイキッドカーボンから製造され、高光沢のコーティングが施されている。

リアのトランクリッドにリップスポイラー、バンパーのセンターには垂直カーボンフィンが与えられている

●やりすぎない絶妙なエアロ

 フロントスポイラーはプロダクションバンパーに取り付けられ、優雅なローマのスタイルに、さらに印象的な特徴を与えているのが分かる。もちろんこの洗練されたデザインは、高速走行での安定性に寄与しており、メインヘッドライト下の左右のトリムエレメントとカーボンファイバーグリルが、さらにスポーティなタッチを際立たせている。

 サイドに目を移してみよう。ノビテックのロッカーパネルは、フェラーリのそれよりもより低く滑らかな視覚的スタンスを与え、前輪と後輪のアーチの間のエアの流れを最適化するものだ。サイドミラーのカーボンカバーは、ローマにスポーティなルックスを生み出す、これもまた大切な要素となっている。

 そしてリアのトランクリッドにはリップスポイラーが与えられるが、さらなるアップグレードとしてディフューザーインサートと垂直カーボンフィンなどが与えられている。

 前後のホイールは、最近のノビテックではお馴染みのVossen社製で21インチを採用。ローマ用では72色のカラーと3つの表面仕上げを選択できる。これに組み合わせられるタイヤは、フロントが255/30ZR21、リアが315/25ZR22の設定だ。

 サスペンションは、これもまたノビテックのスポーツスプリングが採用されている。車高は約35mm低くなるが、実用性を犠牲にしないために油圧式のフロントリフト・システムが同時に搭載され、必要時にはフロントアクスルのボディを40mm持ち上げることができる。ちなみにこのリフト機構は、車速が80km/hになると自動的にキャンセルされるそうだ。

 インテリアのカラーリングや配色、そして素材の選択はオーナーの希望どおりにオーダーが可能。より甘美で華やかなローマの世界を、カスタマーは楽しめるに違いない。