スーパーカー大王ことモータージャーナリスト山崎元裕氏に、2022年に注目したいハイパーカーメーカーをピックアップしてもらいました。アリアの「ルート66」などアメリカの偉大なドライビングロードからインスピレーションを受けたクルマは、要注目です。

1億円オーバーのハイパーカーはハイブリッドとエンジンの2グレード

 2022年に注目しているハイパーカーメーカーのひとつは、「アリア」だ。アリアが米国カリフォルニアに創業したのは1993年。これまではポルシェ「911」のレストモッドでお馴染みのシンガー社への技術協力や、自動車メーカーのコンセプトカー製作、あるいは自動車や航空機のデザインと、幅広い活動をアリアは続けてきた。

 そのアリアが自らの社名を掲げたのクルマが、「FXEハイパーカー」と「FEグランドツアラー」の2台である。

●数年のブランクを経て改めて発表

 アリアの存在が初めて世界に広まったのは、2017年のLAショーでのことだった。同社はここにFXEハイパーカー──ハイブリッドのミッドシップコンセプトカーを持ち込んだのである。FXEのシステム全体での最高出力1150psという数値が一躍LAでの大きな話題となったのである。

 だが、それからFXEの続報は途絶えてしまう。数年後には、アリアはやはりハイパーカーの世界に進出することができないのではないかといった噂を耳にすることも多くなった。しかしアリアの開発部門では、確実にFXEの生産化に向けてのプロセスが進行していたのである。そして2021年12月、アリアは正式にFXEを限定400台、車両価格を100万ドル(邦貨換算約1億1400万円)以上と発表した。

 実際に完成したプロダクション仕様のFXEは、コンセプトカーから基本的なデザインはほとんど変化していない。シボレー「コルベット」を強く意識したと思われるエクステリアデザインは、シャープなライン構成が特徴的で、ドライバーの位置は全長のほぼ中央となる。

 カーボンモノコックにボディパネルにもカーボンを採用し、乾燥車重は1520kgに抑えられた。搭載されるエンジンは6.3リッターV型8気筒スーパーチャージャーで後輪を駆動。さらに10kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、前輪を2機のエレクトリックモーターで駆動する。

 またベーシック・グレードともいえるFEグランドツアラーは、エレクトリックモーターがなく、パワートレインは内燃機関のみとなる。FEの車両価格も100万ドル(邦貨換算約1億1400万円)以上だ。

 FEの車重は1360kg、最高出力は740psであるので、ざっくり計算するとFXEのエレクトリックモーターは410psのパワーを発揮し、ハイブリッド化に伴う重量増は160kgであることが推測できる。ただし、FXEには前後のスポイラーやリアウイング、サイドスポイラー等々のエアロパーツが装備されるので、その分の重量増も考慮する必要があるだろう。

 FXE、FEともに組み合わされるトランスミッションは7速DCT。FXEの最高速度は391km/h・0-100km/h加速は2.9秒、FEの最高速度は346km/h・0-100km/h加速は3.1秒だ。

 アメリカに誕生したハイパーカーのニューフェイス。2022年の活躍と発展に大いに期待したいところだ。