アメリカの電気自動車専門メーカー「テスラ」。ラインナップするクルマは、環境性能だけでなく圧倒的なパフォーマンスも備えており、近年着々と人気が高まっています。そんなテスラが米国において、2021年の第3四半期にメルセデス・ベンツの新車販売登録台数を超えたようです。

米国ではBMW、レクサスに次ぐ第3位となったテスラ

 地球温暖化対策としてCO2排出量削減が叫ばれて久しい。欧米の自動車メーカーはこぞって電気自動車の投入を加速させているだけでなく、向こう10年以内に内燃式エンジン全廃を謳っているほどだ。なおEUは、2035年までに内燃式エンジン搭載車の販売を禁止する方針を打ち出しており、米国も各州で同様の流れに動いている。

 充電インフラ、発電方法、再生可能エネルギーの貯蔵、バッテリーに用いるレアメタルの供給、生産から廃車までのライフサイクルにおけるCO2排出量、カーボンニュートラルな合成燃料の活用など……、まだまだ議論の余地はありそうなものだが、欧米では内燃式エンジン廃止が規定路線になりつつある。

 2021年1月、ドイツの普通乗用車における新車販売台数内訳は、電気自動車の割合が9.6%だった。対して11月は、20.3%にまで伸びているという。相次ぐ新型電気自動車の導入や電気自動車購入のインセンティブによる販促効果もあるだろうが、それだけ消費者は電気自動車をウェルカムしている姿勢であるようだ。

 電気自動車メーカーとして、というよりも株価の爆上げ(過去5年で2500%以上アップ!)やCEOであるイーロン・マスク氏の発言が何かと話題を呼んでいるテスラ。2021年11月の時価総額はトヨタ、VW、ダイムラー、フォード、GMの5社分にまで膨れ上がった……。そんなテスラが米国での新車販売高級車セグメントでさらなる偉業を成し遂げた。

 高級車セグメントの新車販売登録台数、2021年第3四半期を経たトップはBMW、2位にレクサス、そして3位にテスラ(23万855台)と、初めてトップ3にランクインしたのだ。なんとメルセデス・ベンツを上回る販売台数となり自動車メディアがざわついた。しかもライバルメーカーが豊富なラインナップで勝負しているのに対して、テスラはたった4モデルしか販売していないのだ。

 そんな背景のなか、2020年同期のテスラ車販売台数と比較すると+76%で、BMWの+36%、レクサスの+33%を大きく上回る販売増を達成した。賞賛には値するだろうが今後もテスラがメルセデス・ベンツの販売台数を超え続けることができるか否かは未知数。

 とはいえこれらを見る限り、米国における高級車セグメントの消費者、つまりは富裕層には「テスラ」というブランドがしっかり受け入れられているということが伺える。事実か否かはいったん置いておいて“環境に優しい”という社会的メッセージの発信としてもテスラの需要が高まったのではないだろうか。

●テスラの販売にバッテリーが追いつくか!?

 ただ、個人的には気になることもある。

 それは2025年までにテスラの販売台数が50%伸びたと仮定すると、バッテリーに用いるリチウムは30万−40万トンほど必要と見積もられていることだ。2025年の世界でのリチウム生産見込み量は100万トンとなっている。果たして、テスラ1社で世界のリチウム供給量のうち30%−40%を確保できるのだろうか?

 電気自動車周りの技術的ブレークスルーは、続々と登場しそうな雰囲気でもあるが、今後の動向に要注目である。