パガーニが、自社のすべての車両に対して保証を与えるサービスをスタートしました。欧州では内燃機関搭載のクルマは、富裕層のステータスとしての地位を高めていくようです。

パガーニ流「クラシケ」は、フェラーリのスペチアーレと同じだ

 イタリア、モデナのサン・チェザーリオ・スル・パーナロに、ミュージアムを併設する新本社を建設するなど、ハイパーカーの世界で大きな成功を収めているパガーニ・アウトモビリ。そのパガーニが、新たなビジネス──否、カスタマー・サービスとして「パガーニ・プロ(Pagani Puro)」と呼ばれる事業をスタートさせることになった。

 これはフェラーリの「クラシケ」や、ランボルギーニの「ポロ・ストリコ」に相当する、パガーニのクラッシック部門ともいえるものだ。

 改めて考えてみればパガーニの創立は1992年。2022年は創立30周年であるため、その初期に生産されたモデルには(実際には1999年のジュネーブ・ショーで披露された「ゾンダC12」がファーストモデルとなるが)、それなりの対応も必要になる。

●芸術品としてのパガーニ車両を守るプログラム

 パガーニ・アウトモビリの社長であるオラチオ・パガーニは、これまでにパガーニ車を購入してくれたカスタマーのすべてが、所有している愛車を時間をかけてメンテナンスし、大切に扱う貴重なクルマであるという意識を持っていることを誰よりも深く知っている。

 それが今回パガーニ・プロを設立したもっとも大きな理由だ。そこで、パガーニ・プロは、各々のパガーニ車と、その個々のコンポーネントの信頼性と安全性を証明し、毎年その価値を高めていくための特別なカスタマー・サービスをおこなうことを目的としている。

 ちなみにパガーニ・プロという名前に秘められた意味は、「安全性、信頼性、耐久性」を表しており、最新世代の素材と成型プロセスを使用して、芸術と科学、デザインと機能、ディテールへのこだわりと熟練した職人技の組み合わせといった、パガーニ車にそもそも掲げられたコンセプトにほかならないという。

なぜ、パガーニが全車両に保障を改めて付与するのか

 パガーニ・プロ・プログラムは、パガーニ社で製造されたすべてのモデルのデータが保存されているデータベースを使用した、綿密でまた厳密な分析により、車両の各コンポーネントの信頼性と、その状態を再確認することを大きな目的としている。

パガーニは、内外装、さらにはビスやボルトの1本に至るまでこだわりが貫かれており、まさに走る芸術品である

 まず個々のコンポーネントの完全な履歴を再度取得しなおし、シリアルナンバー、写真、またそのモデルの製作に関与したメカニックの氏名等々のデータを記録する。不具合があればもちろんここでそれを修復し、新車時の状態、もしくはカスタマーが望む新しい仕様へとリニューアルすることも可能だ。

●パガーニが自らの車両の価値を高めるプログラム

 フェラーリのクラシケが、登場から20年以上経過したクルマに適応されるのと違い、パガーニのサービスはモデルや登録年などにかかわらず、すべてのパガーニ車で利用できる点が特筆に値するだろう。つまり、パガーニの全車両は、フェラーリでいうところのスペチアーレモデルに匹敵する価値であるということだ(スペチアーレモデルは20年経過していなくても全車両がクラシケ対象車両だ)。

 パガーニ・プロでは、すべての車両は400項目以上のチェックを受けことになっており、認定車両には保証延長を提供する予定だ。

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 パガーニ・プロという新たなサービスは、パガーニ車の本質と独創性を維持し、パフォーマンスと美的感覚から──あえてこう表現するのならば──新車の状態でドライブするという真の喜びをオーナーに与える、いわゆる万能のカスタマー・サービスといえるのだろう。

 パガーニ・プロは、もちろんモデナの本社で利用することができるプログラムだが、パガーニ・アウトモビリが認定するメカニックだけが営業している専門のサービス・ディーラーでも同様のサービスを受けられる。

 作業が完了するとモデナでのプログラムと同様に、車両の履歴を記録し、実際に実行されたメンテナンスの詳細を記した、そしてオラチオ・パガーニによって署名された「プロブック」が発行される。それは将来的な車両の売買や、オークションでの落札価格を高めることになるはずだ。