2021年は、多くの高級ブランドのセールスが好調でした。もちろんベントレーも過去最高の販売台数を達成。そこで、ベントレーが世界のどこで販売が好調だったのか、マーケット別セールスを紹介します。
ベントレーにコロナ禍は関係なし! 2年連続で過去最高を達成
世界的にコロナ禍に見舞われた2021年ではあったが、高級ブランドのクルマはどのメーカーも新車販売が好調であったようだ。そればかりか新車だけでなく、正規認定中古車の在庫も足りなくなるほどであるという。
高級車の販売が好調な理由として考えられるのは、内燃機関を搭載したクルマの生産が終了してしまうこと、コロナ禍で海外旅行に行くことができない代わりになどいろいろあるだろうが、ベントレーは自社の好調なセールスをどのように分析しているのだろうか。
その前に、2021年のベントレーの販売台数を紹介しておこう。2021年の総販売台数は1万4659台。これは2020年の1万1206台に比べて31%増という数字であった。
ベントレーはこの好調な数字の要因を「新モデルの導入」、「魅力的な製品ポートフォリオ」、「ハイブリッド化モデルへの需要の増加」によってもたらされたと分析している。
具体的には、「フライングスパー」が通年で世界中で販売されたこと、11の新型派生モデルのうち「コンチネンタルGTスピード」が発売されたこと、そしてベンテイガにハイブリッドモデルが加わったことなどが挙げられる。ベンテイガの5台に1台がハイブリッドモデルという。
では、モデル別のシェアはどの様になっているのだろうか。もっとも販売台数が多かったベンテイガが40%を占め、次にコンチネンタルGTが33%、フライングスパーが27%となっている。
コンチネンタルGTの内訳は、クーペ60%、コンバーチブル40%となっている。フライングスパーにはハイブリッドが今後加わるため、2022年にはさらにフライングスパーの台数が伸びるだろう。
●コロナ禍において2年連続で過去最高をマーク
ベントレーモーターズの会長兼CEOであるエイドリアン・ホールマークは、次のようにコメントしている。
「2021年も予断を許さない年でしたが、大きな逆風を乗り越え、飛躍的な成長を遂げたことを確認でき、大変嬉しく思います。これは、当社のブランド力、オペレーションの卓越性、世界的な需要、そして当社の戦略的優先事項の確証を示すものであり、2年連続で過去最高の売上を記録できました。
ベンテイガハイブリッドの市場導入に対する反応とフライングスパーハイブリッドへの期待は、ラグジュアリーセクターの方向性を示しており、私たちはその最前線に位置しています。この数字は、当社が販売台数と市場シェアで業界をリードしているだけでなく、電気技術への投資と、世界初の完全電化、ゼロカーボンのラグジュアリーカーメーカーになることを約束していることを証明するものです」
ベントレーは米国と中国のどちらでよく売れているか?
ベントレーは世界67か国に240の販売店を展開しているが、マーケット別に見た販売台数をみてみよう。

●日本の販売台数は596台
まず最大のマーケットである米国は、前年比39%増の4212台。コンチネンタルGTスピードの導入とフライングスパーが通年で販売されたことが後押しした。
次に多かったのが中国で、前年比40%増の4033台。フライングスパーとベンテイガが好調な販売をキープしたことで、2年連続でもっとも伸びたマーケットとなった。
欧州は前年比15%増の2520台。モデルライン間で均等にセールスしているのが特徴だ。
アジア太平洋地域は、前年比37%増の1651台で、過去最高の業績を達成した。
ベントレーのホームマーケットである英国では、前年比14%増の1328台を記録。そして中東は、前年比24%増の915台であった。
アジア太平洋地域に含まれる日本だけの販売台数をピックアップすると、前年比30%増の596台と過去最高の販売台数をマークしている。
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マーケット別に販売台数を見ると、米国と中国だけで世界総販売台数の半分以上という結果になった。現在、経済や軍事などで世界の覇権争いをしている米国と中国だが、ベントレーの販売台数においてもそれらと全く同じ構図となっているようだ。