農業と福祉を軸に、施設運営の大部分を障がいのある人たちの活躍の場とした自然のテーマパーク「かいづか いぶきヴィレッジ」が大阪府の貝塚市にオープン。新たな取り組みをスタートさせた新発想のグランピング施設をご紹介します。
多様な人材が活躍できるグランピング複合施設
大阪府貝塚市に、農業と福祉の力を活かした新スタイルのグランピング複合施設「かいづか いぶきヴィレッジ」が誕生した。
三和建設と一般社団法人FUKUROが共同でつくった同施設は、大阪府が進める農業分野における障がい者の就労を促進する場としての役割も担う。
そんな「かいづか いぶきヴィレッジ」誕生の背景について、担当の北纓さんは次のように語る。
「少子高齢化が進むなか、障がい者の人口は年々増加傾向にあり、国民のおよそ7.4%がなんらかの障がいを有しているといわれています。三和建設はこれまで多様な人材が社会で活躍しつづけるための環境整備をおこなってきましたが、それと同様に、FUKUROも健常者と障がいのある人たちがともに働ける場所をサポートする活動をおこなっています。そんななか、新施設『かいづか いぶきヴィレッジ』は異業種の2社が多様性を受容する“ダイバーシティ経営”を実現する共同活動のひとつとして生まれました。
運営地は、2004年に都市と農村が交流する“農業庭園”として整備された後、2021年に“大阪府立農業公園”となった場所。今回、府が取り組んでいる“ハートフルアグリ”を基盤に、新たな自然のテーマパーク『かいづか いぶきヴィレッジ』として生まれ変わりました」
新スタイルのグランピング複合施設の魅力
『かいづか いぶきヴィレッジ』は、約12万平米の広大な自然のフィールドを有している。そのなかに、グランピング施設をはじめ、フレンチレストランや農園、キャンプ場、バーベキューサイト、農産物直売所などが点在する、“農╳福╳食╳宿”をかかげた複合施設だ。
「収穫体験では、季節の野菜の収穫を楽しむことができます。“SDGsリゾート”というコンセプトのもと、持続可能な環境を意識しているのも本施設の特徴です。太陽光パネルを導入した再生可能エネルギーによる栽培や、レストランの生ごみを再利用した堆肥づくりなど、“食と農の循環”を実践する場にもなっています」(北纓さん)
注目のフレンチレストラン「ル・クロ」では、“自然を食べる”というコンセプトのもと、3つ星レストランで腕を磨いたシェフが監修する地産地消の洋食╳フレンチのコースを楽しめる。
●グランピング施設や日帰りBBQエリアも完備
グランピング施設は全17棟で構成。ユニークなタマネギ型のロータスベルテントや、贅沢なジャグジーつきのドーム型テントなどが設けられており、料理もシェフが腕によりをかけたフレンチ╳BBQをテーマにしたメニューが提供される。

また、手ぶらで楽しめる日帰りのBBQ施設も新たに完備され、テントを持ち込めるキャンプフィールドも整備されている。
さらに2022年5月には、近くの旧蕎原小学校の跡地を利用してつくられた温泉施設が、新たにオートキャンプ場を設けた「かいづか いぶき温泉」としてリニューアルオープン予定だ。
農業の魅力や福祉の力を最大限につなぎながら、自然を楽しめる「かいづか いぶきヴィレッジ」。魅力的なアウトドアフィールドとして注目のスポットとなりそうだ。
●施設概要
・施設名:かいづか いぶきヴィレッジ
■グランピング・ベル型テント
・宿泊料金/2名1棟利用時(消費税込):1万7600円〜(1名/1泊2食)
■グランピング・ロータスベルテント
・宿泊料金/2名1棟利用時(消費税込):2万3100円〜(1名/1泊2食)
■グランピング・ドームテント
・宿泊料金/2名1棟利用時(消費税込):2万4970円〜(1名/1泊2食)
■キャンプサイト
・区画:6区画
・利用料金(消費税込):6600円(1泊/平日)、7700円(休前日、ハイシーズン)
■バーベキューサイト
・区画:34区画
・利用料金(消費税込):3500円〜(3時間・6名までの場所代)