2022年の年明けにオメガから発表され話題となった、スピードマスター65周年記念モデルの「スピードマスター キャリバー321 カノープスゴールド」(957万円、消費税込)。初代スピードマスターをモチーフにしたデザイン、白く光り輝く18Kカノープスゴールドの外装、そして、月面にも降り立った伝説のムーブメント・キャリバー321と、スピードマスターの伝統とオメガの技術力が凝縮された新作の魅力に迫ります。

初代譲りのデザインにしっくり馴染むキャリバー321

 キャリバー321は、1957年発表の初代スピードマスター「CK2915-1」にも搭載されていた手巻き式クロノグラフムーブメント。アポロ時代に成功した、6回の有人月面着陸で着用されていたスピードマスターのムーブメントとしても有名だ。この歴史的なムーブメントの生産が再開されたのは2019年。

「オメガの”スピマス“といえば、時計界のマスターピース。中でも手巻きクロノグラフの”ムーンウォッチ“は大傑作です。折に触れ、アニバーサリーモデルが登場してきましたが、2019年は、オメガが月に降り立ったアポロ11号の月着陸から50周年というビッグアニバーサリー! 何をやってくるかと期待していましたが、そこに登場したのが、月着陸ウォッチに搭載されていたキャリバー321の復刻だったと」と、当時を振り返るのは時計ジャーナリストの篠田哲生さん。

 つづけて「手巻きのクロノグラフムーブメントは、時計業界の絶滅危惧種。ムーンウォッチにはCal.1861といういい手巻きムーブメントを搭載していましたが、やはりアニバーサリーということで、オリジンを復活させたわけですね。これはオメガの心意気でしょうね。耐磁性と高精度を兼ね備えた最新手巻きクロノグラフとしてCal.3861もつくる一方で、オールドスタイルのキャリバー321を復古させる。多くのファンがいて、たくさんの伝説があるブランドだからこそ、ファンの期待に応えたい。そんな気持ちが見えます」と、キャリバー321が再び作られるようになったことの意義について語った。

 復活したキャリバー321が搭載されたスピードマスターは当モデルで3作目。まず前の2作と大きく異なるのがその見た目で、初代スピードマスター「CK2915-1」からインスピレーションを受けたヴィンテージ感のあるデザインに。印象的な“ブロードアロー”型の針や、インダイヤルと外周に段差を付けた“ステップダイアル”以外にも、細部にまでこだわりが散りばめられている。

 ブラックオニキス製のダイアルにはヴィンテージのオメガロゴや、楕円形のローマ字の“O”を採用。グラン・フーエナメルで描かれたベゼルのタキメータースケールに注目すると、コレクター好みの“ドット・オーバー90(90の数字の上に打たれたドット)”と“ドット・ダイアゴナル・トゥ70(70の数字の斜め下に打たれたドット)”の姿も。
 
 さらに、リューズには防水性を示すナイアードのマークがあしらわれているなど、初代スピードマスターを彷彿とさせるディテールがしっかりと継承されている。

オメガを代表するアイコン「スピードマスター」65周年記念モデルの「スピードマスター キャリバー321 カノープスゴールド」

●宇宙にちなんだ時計に相応しいカノープスゴールドの外装

 モデル名にある“カノープスゴールド”とは、当モデルに使われているオメガ独自のホワイトゴールド合金のこと。美しさと高い耐久性を兼ね備えたこの素材は、ケースやブレスレットのみならず、針やインデックスのPVD加工にまで贅沢に使われている。

「“カノープス”とはシリウスに次いで明るい白い星。宇宙にちなんだ時計に宇宙にちなんだ素材を合わせるというのは、結構いいセンスだと思います」と篠田さん。素材ひとつをとってもストーリーを抱かせるのは、このモデルから初代へのオマージュやこだわりが強く感じられるからではないだろうか。

 ケースバックのサファイアクリスタルガラスにはブランドを象徴するシーホースのエングレーブ。キャリバー321の動きによって生命感を得たその瞳には、ブルーサファイアが鮮やかに輝く。

 デザインやムーブメントだけでなく、時計が収められているボックスまでも初代スピードマスターへの敬意が伝わってくる65周年記念モデル。カノープスゴールドの輝きを得て、ただ懐かしいだけでなく、スピードマスターの新たな解釈も感じられる仕上がりとなっている。

●製品仕様
■スピードマスター キャリバー321 カノープスゴールド
・価格(消費税込):957万円
・ケース径:38.6mm
・ケース/ブレスレット:カノープスゴールド
・ガラス:ボックス型強化サファイアガラス(両面に無反射処理)
・ムーブメント:キャリバー321
・パワーリザーブ:55時間
・防水性:6気圧(60メートル/200フィート)