〝なっち先生〞こと大谷奈千代が、コーチに転身して気づいた「プロとアマチュアの考え方の違い」は、スイングの改造や強化以上にスコアアップの効果がある。 そこで「頭と心の中を変えるレッスン」を毎月掲載!

捻転は肩でも腰でもなく“お腹をねじる”が正解!

女子プロ教える“正しい捻転”!捻転は肩でも腰でもなく「お腹をねじる」が正解
なるべく上半身だけをねじりたいトップまでは「蛇口をひねる」、上半身と下半身の捻転差を広げたい切り返し以降は「雑巾しぼり」をイメージしよう。「どちらも“お腹も大きくねじる”を意識してください。すると、バックスイングもダウンスイングも適した捻転動作が行なえますよ!」(大谷)

スイングは捻転が大事といわれます。バックスイングでもダウンスイングでも体を「ねじり」ますが、みなさんはどんなイメージをもってねじっていますか?私は生徒さんには、バックスイングは「水道の蛇口をひねる」、ダウンスイングは「雑巾しぼり」のイメージで捻転してください、と伝えます。

バックスイングは、アドレスしたときの右ヒザの位置を変えずに右の股関節に体重を乗せて胸椎を右に回旋させる。下半身は止めて上半身だけをねじる「蛇口をひねる」ようなイメージですね。切り返し時とダウンスイングは、トップの位置に胸を残したまま下半身から切り返すのが理想で、上半身と下半身が反対方向に引っ張り合う形になるため「雑巾しぼり」のイメージとよく似ています。

これが頭や理屈ではわかっていてもうまくできない人は、お腹をチェックしてください。バックスイングでもダウンスイングでも、お腹はかなりねじれます。お腹の筋肉がグーッとねじられて「キツい!」と感じないのは捻転不足なんですよ。

バックスイング時のお腹は、目安としてはトップで背中がターゲット方向を指すまでねじりたいですが、きちんとお腹をねじっておくと、切り返しで左足を踏み込んだときに筋肉の引っ張り合いが起こるので、飛ばしに必要なパワーが生み出せる。足を使って力を引き出すこともできます。そのため、捻転と、そのねじりを活かしてエネルギーを出すスイングは、スイングの始動からお腹のねじれをしっかり作っておくことが大事!もっと飛ぶはずなのに……と思っているのにヘッドスピードが上がらないし、ボールを強く叩けない人は、“お腹のねじれ”をチェックしてみましょうね。

お腹のねじれは、日常生活ではあまり使うことがないので日ごろの鍛錬も大切です。鍛錬といっても自宅の床に寝た状態で上体や足を動かし、お腹を左右にねじるストレッチを1日10回ずつ。これだけでも効果アリなので、今日から早速やってみましょう。

いかがでしたか? なっち先生のアドバイスのようにお腹のねじれを意識してみましょう。

女子プロ教える“正しい捻転”!捻転は肩でも腰でもなく「お腹をねじる」が正解

大谷奈千代

●おおたに・なちよ/1984年生まれ、兵庫県出身。05年のプロテストに合格。ステップアップツアー2勝、11年には賞金シードを獲得。現在はレッスンにやりがいを感じ、コーチに転身。アマチュアやプロの卵を精力的に指導している。