X(旧Twitter)を中心に漫画を公開している幌琴似(@xxxhorocoxxx)さんの漫画「ぬいぐるみと通勤するサラリーマンが、同僚にぬいぐるみを拾われてしまう話」が話題を集めている。サラリーマンが大切にしていたぬいぐるみを落としてしまい、会社の同僚に拾われることから物語が展開していく本作について、作者の幌琴似さんに話を聞いた。


■「『ぬいぐるみが好きな人vsそれを気味悪がる人』という対立構造にならないように気をつけました」

本作を執筆した経緯について、幌さんは「自分の経験の範囲から描けるネタを探そうと思い、私自身ぬいぐるみが好きだったため、ぬいぐるみをかわいがっている大人の話を描くことにしました。『一見真面目そうな男性会社員がぬいぐるみを仕事に連れて行っている』という設定はインパクトがあるかと思い、主人公にしました」と明かす。

本作で工夫した点を尋ねると、「『ぬいぐるみが好きな人vsそれを気味悪がる人』の対立構造にならないように気をつけました。どんな趣味に対しても人によって好き嫌いは必ずあって、それを止めることはできないからです。そのため、『自分の好きなものに正直でいたい自分(澄野)vs人目を気にして否定してしまう自分(三恵)』という構造にしました。

同じ趣味を持つ者同士でありながら、2人はお互いを全肯定してくれる存在ではなく、三恵さんも澄野さんに少し意地悪なことを言うし、澄野さんも三恵さんにチクリと刺すような一言(自分のこと自分で否定して…)を言っています」と、2人の関係性を単純化しないよう心がけていたそう。

終盤では、忘年会から抜け出し澄野へ会いに行った三恵の行動が印象的に描かれるが、「そんなに乗り気ではない忘年会にも結局流されて参加している様子は、人目を気にしてばかりの三恵さんを象徴しています。ひどいことを言って傷つけてしまった澄野さん(好きなものに正直でいたい自分)は、三恵さん自身の心の一部、ありたい姿でもある。澄野さんの心だけでなく、自分の心を癒やすためにも会いに行ったのだと思います」と、その意図を明かしてくれた。

最後に、幌さんは「現実同様、人間の柔らかい部分をチクリと刺すような痛みがありつつも、最後には『こんな世界があったらいいな』と思えるような、優しさに包まれた結末が待っている漫画を描いていきたいです」と、今後の目標について言及した。




取材協力:幌琴似(@xxxhorocoxxx)