こんにちは。G1行政書士法人 代表の嶋田裕志です。相続・遺言専門の行政書士として10年以上、年間1,000件を超えるご相談にお応えし、行政書士の範囲だけでなく、相続税や不動産など相続に関する幅広い知識をもって相続手続きを代行しています。

突然ですが、皆さんは、身内の方を亡くされた経験はありますか?

亡くなった人が近しい関係であればあるほど、皆さんは「当事者」として死亡後の手続きに関わることになります。具体的には、その亡くなった瞬間から、通夜、葬儀、役所での手続きなど、とにかく時間に追われながらたくさんの手続きをしなければなりません。

悲しくて、寂しくて、つらくて、耐えがたい状況であっても、手続きは待ってくれません。特に死亡後すぐの手続きには期限があるものも多く、慣れない手続きで心身共に疲れてしまい、体調を崩してしまうという方もたくさんおられます。

ここでは、いざ皆さんが「当事者」になったときに困らず相続手続きができるよう、詳しく解説いたします。

今回は、相続手続きの前段階で必要な事項について取り上げます。


■相続手続き開始の前に

死亡後の手続きは避けて通れません。相続手続きに関する解説の前に、まずは死亡後の手続きについてご説明いたします。

■死亡診断書の受け取り
多くの場合、病院で最期を迎えます。そして、「死」を確認した医師が作成する「死亡診断書」を受け取るところから、死亡後の手続きは始まります。

【病院の場合】
死亡を確認した医師が「死亡診断書」を発行

【病院以外の場合】
警察医や監察医による遺体の検案と身元確認が行われ、死亡診断書の代わりに「死体検案書」という書類を発行

書類を受け取ったあとは、通夜や葬儀に向けて、親族や職場へ連絡します。まだ葬儀の日程などが決まっていなくても、参列者が予定を調整しやすいように、前もって亡くなったという事実だけでも伝えておいた方がよいでしょう。

その後は葬儀社を決め、病院の退院手続きを済ませます。病院での遺体の安置は数時間程度が一般的ですので、葬儀社と相談のうえ、葬儀社の安置場またはご自宅へ搬送します。

■死亡届の提出
病院から受け取った死亡診断書(または警察等から受け取った死体検案書)はA3用紙になっていて、右半分が医師によって記入された状態で受け取り、左半分が未記入の「死亡届」になっています。

ここに、届出人が必要事項を記載して提出します。届出人になれる人は、
1.同居する親族
2.親族以外の同居者
3.家主・地主・土地の管理人
4.同居していない親族
5.後見人
と、法律によって順番が決められています。該当する人が記入し、役所へ提出しましょう。

※死亡届の提出期限は、亡くなった日から原則7日以内です。ただし、海外での死亡など、特別な事情がある場合は死亡の知らせを受けた日から3か月以内となります。

なお、死亡診断書は生命保険の手続きでの死因確認や、そのほかの相続手続きでも使用することがあるため、死亡届を提出する前に必ずコピーを複数枚とっておきましょう(一度提出してしまった原本を返却してもらうことは原則できません)。

また、役所に死亡届を提出する際には、「火葬許可証」(※市区町村で名称が異なる)の発行も申請して受け取ります。これは葬儀後の火葬で必要になるので、忘れず受け取っておきましょう。

■通夜・葬儀・火葬
故人の配偶者や子ども、また一番近しい関係にある人が喪主を務めることになりますが、基本的には葬儀社が主導してくれることがほとんどですので、それほど心配することはありません。

故人を送り出すための大切な式ですので、参列者へのあいさつなどもしながら、別れを惜しみつつ送り出してあげましょう。お骨になる前の姿はこのときが最後となります。

葬儀が終わると、次は火葬に進みます。役所で発行してもらった火葬許可証を忘れずに持参し、火葬場の管理事務所に提出しましょう。火葬が終わると、「火葬執行済」の印が押された火葬許可証が渡されます(いわゆる「埋葬許可証」にあたる書類です)。これは遺骨を埋葬する際に必要になりますので、そのときまで大切に保管しておきます。

■ここから役所の手続きが開始

葬儀が終わり、火葬まで終わってやっと一段落…という気持ちかと思いますが、このあとには役所や年金事務所での手続きがあります(死亡届を提出する際にあわせて最低限の手続きを済ませるケースもあります)。

手続きのなかには、亡くなった日から7日以内、10日以内、14日以内など期限が定められているものがあります。また、初めてのことで自分にはどの手続きが必要なのか、なかなか判断が難しいかもしれません。

ネットなどで調べると、亡くなった日から2週間でするべきことをまとめた一覧もありますので、ぜひ参考にしてみてください。


葬儀というひとつの区切りがついたら、いよいよ「相続」が始まります。次回は、相続手続きで重要な「遺言書」について解説いたします。