神戸どうぶつ王国では2021年7月22日より、世界一小さなシカの「プーズー」を公開中。日本では2園でしか飼育されておらず、西日本では初登場となるそう。

飼育担当者に公開の経緯や、プーズーのチャームポイントなどを聞いてみた。

■中型犬と同じくらいのサイズ感!希少動物プーズーとは?
プーズーは世界一小さいシカと言われるだけあって、体長約80cm、体重約8kgと中型犬サイズ。ニホンジカと比べると体長は2分の1程度で体重はわずか10分1程度の、本当に小さくてかわいらしいシカだ。生息環境の悪化から野生での生息数は減少傾向にあり、現在では絶滅危惧種に指定されている。

神戸どうぶつ王国でなぜ公開することになったのか。経緯を飼育担当の田中秀太さんに聞いたところ、「以前は埼玉の動物園でしかプーズーに会うことはできませんでした。動物園の役割は様々ですが、私たちは『野生への扉』でありたいと考えています。動物たちを通じて、動物や動物たちの故郷である『野生』に、そして地球の環境問題に興味を広げていただきたい。そしてこの扉を開く第一歩が、『まだ知らない動物たちとの出会い』であることを願って、5月に埼玉県こども動物自然公園から当園へ引っ越し。今回の公開に至りました」と教えてくれた。

初めての飼育にあたり注意している点や苦労を聞いたところ、プーズーは非常に警戒心が強いため「大きな刺激に対してパニックを起こすこともあるため、慎重に飼育しています」と田中さん。ただ、警戒心が強いからこその「絶妙な距離感がかわいいです!」とのことなので、足を運んだ際には飼育スタッフとの距離感もしっかりと観察したい。

田中さんが思うプーズーのチャームポイントは、ずばり「短い足と小さい目」。見慣れたシカの神秘的な佇まいとはまた違う愛嬌とゆるさが、多くの人を癒してくれそうだ。

■プーズーの他にも園内には「地味だけど凄い」動物がたくさん
150種類800頭羽の動物たちが、いきいきと暮らす神戸どうぶつ王国。ハシビロコウやスナネコのように注目される動物がいる一方で、来園者に素通りされてしまったり、見つけてもらえなかったりする動物も。今回紹介したプーズーもちょっぴりマイナーで派手さはないものの、非常に珍しい動物だ。そんな同園の「地味だけど凄い動物」の中でも、編集部が特に気になった動物をいくつか紹介しよう。

まずはネズミ科の中で最大種の「ウスイロホソオクネズミ」。日本での飼育は2園だけで、西日本では神戸どうぶつ王国のみ。愛らしい見た目とは裏腹にかじる力が非常に強く、木によく穴を開けているそう。

「オーストラリアガマグチヨタカ」はとにかくじっとしており、来園者は気づかず通り過ぎることが多いのだとか。仮に気が付いても「置き物?」と言われるくらいじっとしているそう。なお、つがいは片方が死ぬまで一緒にいるという超仲良し夫婦だ。

神戸どうぶつ王国のパフォーマンスといえばハリスホークやインコのイメージが強いが、実は凄いのが「ペリカンフライト」。ペリカンのトレーニングを行い実現したフライトは大変珍しく、日本ではここでしか見ることができない。動物業界人も驚愕のショーだという。

神戸どうぶつ王国に訪れた際はぜひ、至るところで目を凝らして観察してみては。小さく愛らしいプーズーをはじめ、今まで気づかなかった動物との新たな出会いがあるかもしれない。

取材・文=石川知京(関西ウォーカー編集部)

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