おいしくできたチャーハンを残しておこうと思ったのに結局、全部たいらげてしまったり、降水確率50%の日に残りの50%に賭けて洗濯物を干し、雨に降られた経験はないだろうか。

そんな日常の“あるある”を描く「コアラ絵日記」は、コアラを主人公にした4コマ漫画。そのキュートで和やかな雰囲気が人気を呼び、Twitterでは27万いいねを獲得する作品も。今回は、作者のSさんに話を聞いた。

■共感の嵐!1人暮らしあるあるをコアラで描く
日常でよく抱く感情やあるあるな行動をコアラのイラストで表現しているSさんだが、最初は個人的な日記のつもりでイラストの投稿を始めたそうだ。コアラを主人公にしたのは、コアラの絵文字がお気に入りだったため。そんな些細なきっかけからコアラ絵日記はスタートした。

最初は1枚のイラストだったが、4コマ漫画形式へと変更してからは一気に注目を集め、「自分と同じことしてる!」と共感の声が多く集まった。漫画の内容にはSさん自身の日々の暮らしや小さな願望を描くことが多く、身近なできごとを漫画のネタにすることでより多くの共感を呼んでいるようだ。

数ある作品のなかでも、『作り置きできずに食べ切ってしまったコアラ』は特に反響が大きく、18万以上の“いいね”を獲得。「自炊あるあるすぎる」や「自分もよくやる」という反応が多数寄せられた。

「作り置きしようと思ってたくさん作っても、食欲に負けて全部食べきってしまうことがよくあります」と、Sさんも自身の経験を振り返る。

Sさんのお気に入りでもある『夢を見るコアラ』は、これまでとは少しテイストの違う作品だ。日常を描くというよりも、「夢の中」という幻想的で不思議な世界が描かれている。

「この話を考えた時に、頭の中に浮かんだ色味に近いものが表現できたような気がしました」。優しい色合いのこの作品は、他の作品のかわいくユーモアのある内容とはまた違うおもしろさだ。

どの作品も日常を切り取っていることから、家の中での様子ばかり。それらの作品にはなるべく“生活している感じ”が出るようにこだわって描いているそうだ。

例えば『マヨ炒めをしようとしてぶち撒いてしまったコアラ』の背景にある梅酒の中身は、まだ作り立てなのか梅がごろごろしている状態。しかし『作り置きできずに食べ切ってしまったコアラ』ではすっかり漬かっている。本編に関係のない細かいところまで楽しむことができる。

■どんな人でも楽しめることができる漫画に
Sさんは4コマ漫画を描くことについて、「読者の方にご感想をいただけるとうれしく、描いていてよかったなと思います」と話す。読者の声が漫画を描く原動力の1つになっているようだ。

また、コアラ絵日記には台詞がほとんど出てこない。それには「どんな言語を用いる人にも伝わる作品にできれば」という思いがあるという。台詞がないことで描ききれない部分が出てくる可能性もあるが、むしろ書かないことでより多くの人がコアラ絵日記を楽しむことができるのかもしれない。

「これからも『描きたい』と思ったことをより明確に描けるように、自分の表現力を磨いていきたいです」と意気込みを語るSさん。コアラの日常を垣間見て、癒やされてみよう。

取材・文=織田繭