「つみたてNISAに興味があるけど、どうやって始めればいいか分からない…」という方も多いはずです。そこで、元銀行員で資産運用YouTuberとして活躍する小林亮平氏が、月3000円から気軽に始められる、つみたてNISAの第一歩を解説します。

つみたてNISAは一度始めさえすれば、そのあとはほったらかしでも大丈夫なので、忙しい人やズボラな人にもピッタリと言えるでしょう。初心者にまず選んで欲しい、おすすめの3銘柄も紹介しますので、ぜひ参考にして下さい。

■今さら聞けないNISAとは?
NISAとは、Nippon Individual Savings Accountのことで、少額投資非課税制度とも言われますが、投資の利益に税金がかからないお得な口座だと思ってください。

たとえば利益に税金がかかる課税口座で、株式などの金融商品を買って、値上がりにより売却時に10万円の利益が出たとします。すると本来、投資の利益には約20%の税金がかかるため、2万円が差し引かれて、手元に残るのは8万円になってしまいます。しかしNISA口座だと利益に税金がかからず、10万円がまるまる受け取れるので、課税口座よりも優先して使うのがおすすめです。

投資をこれから始めたいと思っている方も、まずはお得なNISA口座を利用してみるのがいいでしょう。

■つみたてNISAの特徴は?
NISA口座は現状、一般NISA、つみたてNISA、そして未成年者向けのジュニアNISAがあります。つみたてNISAのみ詳しく紹介しておくと、非課税枠(1月1日から12月31日までの1年間で投資できる上限額)は40万円とやや小さいものの、非課税期間(利益に税金がかからず運用できる期間)は、金融商品を購入した年から数えて最長20年と長いのが最大のメリットです。

また、つみたてNISAで選べる商品は、低コストなど金融庁が定めた一定の条件を満たした190本程度の投資信託などに厳選されているので、初心者でも迷わず選びやすいのも魅力です。

買付方法については、積立投資に限定されていますが、積立投資は相場の下落時に安い価格で買うことができて精神的な余裕を持ちやすいので、投資初心者にもピッタリです。ちなみに、非課税枠40万円を12カ月で割った約33000円が、つみたてNISAにおける毎月の積立額の上限としてよく使われるので、覚えておくといいでしょう。

■長期投資なら、つみたてNISAがおすすめ
つみたてNISAは非課税期間が最長20年と長いのが最大のメリットとお話ししましたが、運用を長く続けることで、利益が利益を生む複利効果が期待できます。仮に年間40万円、運用期間20年、運用利回り年5%としたら、5年目はまだ約27万円の利益ですが、20年目には約558万円もの利益に増えます。

本来なら558万円の利益に対して約20%の税金がかかるので、100万円以上は税金として取られますが、つみたてNISAなら課税されず丸々もらうことができます。ただ実際はここまで綺麗には増えず、時には暴落してマイナスになることもあるため、上下に値動きしながら長い目で見て複利が効いていくと思えばいいですが、じっくりとお金を増やしたい人には、長い非課税期間があるつみたてNISAが向いていると言えるでしょう。

■つみたてNISAは月3000円から始めてみよう
つみたてNISAについてだいぶ理解が深まったと思うので、毎月の積立額をいくらにするか考えてみましょう。つみたてNISA口座で選べる投資信託は、金融機関によって100円〜1000円程度から購入できるので、まずは少額投資から始めてみることをおすすめします。

少額投資と聞くと物足りなく感じてしまう方もいるかと思いますが、たしかに投資額を増やすと、それだけ利益も期待できる反面、損失も大きくなってしまう可能性があります。仮に100万円投資したとして、暴落が来て30%のマイナスになった際は30万円の損失になりますが、1000円の投資なら300円の損失で済みます。

このように投資額を少なくすれば、それだけ金額面での損失を抑えることができて精神的にも余裕を持ちやすいので、投資初心者は少額投資から始めるのがいいと思います。私のおすすめは月3000円で、次に紹介する3銘柄に月1000円ずつの積立投資を検討してみましょう。

■つみたてNISAのおすすめ3銘柄を紹介
つみたてNISAの対象商品は投資信託という、様々な株式や債券が袋詰めになった商品ですが、その中身によってリスク(値動きの幅)が変わってきます。基本的には、株式が多ければ値動きが大きいハイリスク・ハイリターン、債券が多ければ値動きが小さいローリスク・ローリターンという認識を持っておくといいでしょう。

ここで大事なのはどれだけ儲けられるかより、どれくらいの損失まで自分が我慢できるかを考えることです。これをリスク許容度と言いますが、投資が続かないよくあるケースは、リスク許容度を超える損失を抱えてしまった時です。○%あるいは○万円のマイナスまでなら我慢できるといった具合で、自分のリスク許容度がどれくらいなのかを把握しておくのが重要です。

ただそうは言っても、自分がどれくらいの損失まで我慢できるかは、実際に投資を始めてみないと分からないと思う方も多いはずです。そういう人は、まずリスクが高い商品から低い商品まで少額投資してみて、値動きを比べながら運用することで、自分のリスク許容度のイメージトレーニングをするのがいいでしょう。

運用を続けているとそれぞれの運用成績に差が出てくるので、高リスクの商品は低リスクの商品と比べてどんな値動きになるかを肌で感じて、投資に慣れることもできます。私はこれら3銘柄に月1000円ずつ積立をしていますが、値動きに違いが出て分かりやすいと思います。

高リスク商品は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がおすすめで、先進国・新興国合わせて50カ国の3000銘柄もの株式に手軽に分散投資ができます。ちなみに、全世界株式の中身の半分以上は現状、米国株が占めています。米国株はAppleやAmazonなど、今を時めくIT企業の牽引もあって人気が高いので、米国株のみで運用したいなら、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を選ぶといいでしょう。

中リスク商品は、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)という株式や債券、REIT(不動産投資信託)などでバランス良く構成されている投資信託がよく選ばれています。ただ2020年のコロナショックの際、8資産均等型はREITの回復が鈍かったことで全世界株式以上に損失が大きくなった時もあったので注意しましょう。

低リスク商品は、三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)がおすすめです。つみたてNISAでは債券のみで運用する投資信託を選ぶことはできないですが、この銘柄は債券が多めの構成になっているので、比較的値動きが安定しています。

これら3銘柄で6カ月ほど運用してみて、それぞれのリスクの違いがだいたい分かった後は、自分のリスク許容度を改めて考えた上で商品や積立額をアレンジしてみるといいでしょう。たとえば長期運用を前提として、もっとリスクを取ってみたいと思ったら、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の積立額を増やすのもアリです。

私がこの3銘柄で2020年の初めから6カ月間運用した実績も載せておくので、参考にして下さい。2カ月目にコロナショックで大きく下落したので、それぞれの値動きに差が出ています。コロナショック後の株式相場は、比較的早期に回復したので、全世界株式については6カ月間、月1,000円を積み立てした結果、+7.95%(+477円)の含み益となりました。大手銀行の普通預金金利は年0.001%である事から、投資でお金が増える実感が湧くと思います。ただし、今後もこのペースで増えていくとは限らず、全世界株式に関しては、長く運用を続けた結果、平均で年4〜5%程度の利回りを見込んでおくといいでしょう。

最後に、つみたてNISAをどこの金融機関で始めるかについては、豊富な商品ラインナップがあり、またポイント還元がお得なネット証券をおすすめします。特に、楽天証券では、投資信託の積立を楽天カードでクレジット決済することができて、積立額の1%が楽天ポイントとしてもらえて大変人気です。

投資の一歩目にもおすすめのつみたてNISA、月3000円とおこづかい程度から始められるので、ぜひ試してみて下さい。