公衆喫煙所「THE TOBACCO」を運営するコソドが、東京都内8区(豊島区・新宿区・文京区・渋谷区・世田谷区・港区・中央区・千代田区)で2021年12月7日よりスタートさせた、タバコのポイ捨て状況を可視化するプロジェクト「ポイ捨て図鑑」がSNSなどで話題になっている。

プロジェクトの参加者は、街なかで見かけたポイ捨てタバコをスマホで撮影して、サイト内地図に登録。ポイ捨てタバコを“喫煙所に戻れず、迷子になった吸殻モンスター”として捉え、登録時にモンスター名とキャラクターを設定する。吸殻モンスターはTwitterやFacebookで共有でき、現実世界とリンクした位置情報ゲーム(位置ゲー)のように楽しめる点がおもしろい。

そこで、このプロジェクトを企画したコソドの代表取締役CEOを務める山下悟郎さんに、プロジェクトの狙いや反響、今後の展開について話を聞いた。

■プレゼントキャンペーンあり!ユニークな吸殻モンスターを探そう
――「ポイ捨て図鑑」を始めた理由を教えてください。
【山下さん】始めた理由は2つあります。1つ目は「ポイ捨てを減らすための社会的意識を高めたい」ということ、2つ目は「新たに喫煙所を設置、清掃活動をするうえで需要の高い場所を知りたい」ということです。

「改正健康増進法」が施行された2020年4月以降、飲食店を中心に多くの喫煙所が閉鎖されました。それに伴い、喫煙者の数と喫煙できる場所の需給バランスが崩れ、多くの喫煙難民があふれています。結果、路上喫煙やポイ捨てが数多く見られるようになりました。コソドではオープン準備中を含めた都内6カ所の公衆喫煙所「THE TOBACCO」を運営し、喫煙関連のマーケティングを行ってきました。

これまでの活動を通して、ポイ捨てをなくすには、皆さまの意識をポイ捨てに向けていただくこと、そして需要がある場所にしかるべき喫煙所を設置することが大切だと実感しています。

―― ポイ捨てされたタバコを“迷子になった吸殻モンスター”として描く、という発想がとてもユニークだと感じました。このような着想はどこから得られたのでしょうか?
【山下さん】今回の取り組みは、「ポイ捨てされた吸殻に多くの興味を持ってもらうためにどのような参加動機を作ればよいのか?」という悩みからスタートしています。

通常、ポイ捨てされた吸殻は“汚いだけの存在”であり、無視されがちですが、キャラクターという要素とゲーム的な参加性を加えることで“喫煙所に戻れなかったかわいそうな存在”として描いています。このプロジェクトでは、「楽しそうだからやってみよう」という“ゲーミケーション”を通じて、新たな動機を作り出すことを目指しました。参加者からは「プロジェクトに参加してから、落ちている吸殻が気になってしまい、見方が変わりました」という声が挙がり、取り組みの効果を実感しています。

―― 実際に、どのような吸殻モンスターが投稿されていますか?
【山下さん】プロジェクトをスタートさせてから10日間で、300以上の吸殻モンスターが投稿されました。吸殻の形状や、周りの状況をもとに名前が付けられるなど、さまざまな視点からご投稿いただき、主催者である私たちも大変楽しく拝見しています。個人的には「火曜サスペンス」「吸殻の精霊」「送られたチョウセンジョウ」が好きです。

気に入った吸殻モンスターには「いいね」が付けられるようになっており、上位3人に合計で20万円分のAmazonギフト券をプレゼントする投稿プレゼントキャンペーンを行っています。実施は、2022年2月28日(月)23:59まで。吸殻モンスターを投稿できるのは都内8区のみですが、「いいね」はログインすれば誰でも付けられるので、たくさんの方に参加してほしいと思っています。

■SDGsにも貢献!渋谷区で開催されたイベントは大盛況
―― 渋谷区では屋外看板ジャックやイベントを行っていますね。反響はいかがでしょうか?
【山下さん】プロジェクト開始を大々的に告知するため、屋外看板を通じて渋谷区をジャックしています。この屋外看板は、実際に看板の周辺でポイ捨てされていた吸殻を収集して作成しました。看板を掲出することによって、街中でポイ捨てされた「迷子になった吸殻モンスター」に意識が向くようにしています。

また、12月11日・12日には、渋谷区宇田川町にあるコミュニティスペース「シブテナスペース」でポップアップイベントを開催しました。吸殻写真の展示とともに「ポイ捨て図鑑」への参加をガイドするイベントで、2日間合計で約400人の方がご来場くださいました。参加者からは「こういった社会貢献は腰が重くなりがちだが、これはゲーム感覚で気軽に参加できて楽しい」「ポイ捨て状況を可視化して、必要な場所に喫煙所の設置を検討していく発想がおもしろい」などの声をいただいています。

このイベントは、「渋谷区SDGs協会」と連携して開催したものです。ポイ捨ての問題は、タバコだけでなくすべてのゴミに関連してきます。ゴミの分別と同様に、吸殻を路上に捨てるのではなく、喫煙所の灰皿に捨てるという適切な処理につなげられれば、環境への負荷も軽減されるでしょう。

――「ポイ捨て図鑑」は、SDGsで掲げられている17の目標のうち、主にどの目標達成に貢献する取り組みだと感じていらっしゃいますか?
【山下さん】目標12の「つくる責任 つかう責任」に該当する活動だと思います。「ポイ捨て図鑑」のプロジェクトでは、ポイ捨てをする人だけの問題にとどまらず、直接関わらない人たちの意識まで広げていくことが重要です。この活動を通じて「吸殻を喫煙所にしっかりと戻す」という意識の底上げを行い、プラスチックごみをはじめとしたその他のゴミ問題に対する意識を上げていくきっかけになれば、と思っています。

―― ありがとうございました。

■喫煙者と非喫煙者が気持ちよく共存できる世の中を目指す
「ポイ捨て図鑑」への参加者は喫煙者だけに限らず、非喫煙者も少なくないという。社会全体でポイ捨て問題に意識が向けられるようになれば、必要な場所への喫煙所の設置、清掃活動の実施など具体的なアクションにつながっていくだろう。コソドでは、プロジェクト終了後に集まったデータを検証し、地図上で吸殻モンスターが多く投稿されたエリアには公共喫煙所「THE TOBACCO」の設置を進めていく見通しだ。最終目標として、ポイ捨てや受動喫煙がない美しく気持ちのいい街づくりと、喫煙者と非喫煙者が共存できる世の中の実現を目指している。

「ポイ捨て図鑑」をおもしろいと感じた人は、迷子になっている吸殻モンスターを発見したら、助けてあげる気持ちで灰皿まで連れて行ってあげてほしい。