富山県に本社を置く石黒産業の社長であり自動車愛好家の故・前田彰三氏が、1978年に開館させた「日本自動車博物館」(石川県小松市)。

国内最初の自動車博物館として誕生した同館には、高度経済成長期を経たことで車が使い捨てられる風潮に違和感を覚えた前田氏の情熱が注がれている。収蔵車は自動車黎明期から第2次世界大戦後の車を中心にラインナップされていて、その数は約500台。国内外の乗用車だけでなく、バスや消防車といった公用車・商用車を展示しているのも特徴的だ。

今回は、展示車のなかから、世界に一台しか存在しない幻の車や世紀の名車などをピックアップ。故・前田彰三氏が熱心に収集した注目の公用車・商用車も紹介しよう!

■世に出たのは各1台のみ!コニリオクーペとジオット キャスピタ
■制作されたのは世界でわずか1台のみ「コニリオクーペ」(1967年)
ホンダS600やS800をベースに、R.Q.C(レーシングクォータリークラブ)が製作したレーシングカー。展示車は製造されたコニリオのなかでもオープンタイプにキャビンを取り付けたもので、このようなクーペタイプのコニリオは1台しか存在しない。

■道路を走るF1「ジオット キャスピタ」(1989年)
第28回東京モーターショーに参考出品された1台。「道路を走れるF1」を目指し、ワコール関連会社のジオット、童夢、スバルが共同開発した。残念ながら市販には至らなかったものの、最高出力は驚異の585馬力を誇る。

■自動車史にその名を残す世紀の名車たち
■高性能×高級感を演出「トヨタ スープラ」(1988年)
当初はセリカXXの名で1978年に国内販売をスタートさせた。その後、1986年のモデルチェンジに合わせ、海外で販売していた名前のスープラへと統一された。高性能にして高級感をまとうスープラは、トヨタが手掛けたスポーツGT(グランドツーリングカー)として高い人気を誇る。

■従来デザインを一新して登場「日産 フェアレディZ 300ZX」(1989年)
車体フロントが長いロングノーズスタイルだったフェアレディZにおいて、ワイドで低いスタイルで300ZXは登場した。FR(フロントエンジン、後輪駆動)スポーツカーに大きな影響を与え、“Z”のなかでも記念碑的なモデルとされる。展示車のグレードは「2by2」と呼ばれるホイールベースが長い特別仕様車だ。

■ホンダスポーツカーの代名詞「ホンダ NSX」(1990年)
エンジンを車体中央に置くミッドシップレイアウトを採用して登場した初代NSX。バブル期に販売され、価格約900万円ながら1年間の納車待ちとなる人気に。操作性が高く、誰でも運転できるスポーツカーと評価された。

■ピュアスポーツの傑作車「マツダ アンフィニ RX-7」(1996年)
コンセプトは「ロータリーエンジン・ベスト・ピュア・スポーツカー」。マツダ独自のエンジン機構であるロータリーエンジンに、ツインターボを搭載した圧倒的なパワーと、無駄を排した車体軽量化により、ピュアスポーツと評価される。

■日本が誇るラリーカー「スバル インプレッサ WRX STI」(2000年)
三菱のランエボとともに、ラリーの競技用車両としても販売されWRCを沸かせた名車。大型リアスポイラー、フロントバンパーとフロントグリルなど、競技車両をそのまま公道に持ち込んだようなスタイリングで話題を集めた。「インプ」の名で愛される名車であり、WRX STIは最も走りに特化したグレードだ。

■昭和の時代を彩った、日本の商用車&公用車も展示
■人気の大型輸送車「いすゞ BXD30 ボンネットバス」(1968年)
古くから日本の輸送大型車で圧倒的なシェアを誇り続けている、いすゞ。現在走っているほとんどのバスはリアにエンジンを置くが、ボンネットバスはフロントにエンジンを置く。乗用車の延長としてバスが造られていた時代を感じさせる。

■傑作車と呼び声高い「ニッサン消防車 PS580」(1958年)
1941年、国産で初めて本格的な消防車を製造した日産。前モデルに比べて、サスペンションを強化した580は、エンジン、トランスミッションとも完成度が高く「ニッサントラックの傑作」と呼ぶ声もあるほど。


●日本自動車博物館 / 住所:石川県小松市二ツ梨町一貫山40 / 電話:0761-43-4343 / 時間:9:00〜17:00(最終入館16:30) / 休み:水曜、年末年始 ※夏季(8月1日〜31日)は無休 / 料金:入場料大人1200円、小中学生600円、65歳以上1000円 / 駐車場:200台(無料)


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