SNSを中心に大きな話題を呼んだ、たばこのポイ捨てをなくすためのプロジェクト「ポイ捨て図鑑」。その新しい取り組みとして2022年5月21日、東京都渋谷区で「ポイ捨て投票所」がスタートした。

「ポイ捨て図鑑」プロジェクトとは、参加者が新宿区や港区など都内12区にて見つけたポイ捨てたばこ=“吸殻モンスター”をWeb登録することで、ポイ捨て多発地域の調査とポイ捨てへの意識改善を目指した取り組みだ。

これが「ゲーム感覚で楽しみながら参加できる」と評判になり、2021年12月から2022年5月まで約1700体が登録された。そのうち、およそ3割に当たる約480体が渋谷の中心エリアに集中。この結果を受けて、渋谷センター街の中ほどにあるL字になった路地、通称「クランクストリート」に土曜・日曜限定の喫煙所が設置された。

こぞって参加したくなるゲーム性の高い仕掛けが特徴的なプロジェクトだけに、設置されたのはただの喫煙所ではない。その名も「投票型喫煙所」。誰もが悩んでしまうような究極の2択を掲げ、吸殻を入れることで投票するユニークなものだ。

■プロジェクトの仕掛け人に直撃取材!
「ポイ捨て図鑑」を発案したコソド代表取締役CEO山下悟郎さんに、今回の取り組みにおける狙いや参加者の反応を聞いた。

――「投票型喫煙所」には、どのような質問がありますか?
【山下さん】今回は全部で5つの投票型灰皿を設置していますが、質問はどちらも選びづらい、悩ましい内容となるよう意識しました。一番反響が大きな質問は「永遠の愛、そして一文なし VS 一攫千金、そして永遠の孤独」ですね。「どっちもわかるけど、自分はこっち」というように、投票者同士がフラットに議論しながら投票してくれたらうれしいです。

そして、意外にも「喫煙所はポイ捨てに効果があるか」と尋ねた質問も同じくらい盛り上がっています。「喫煙所がもっと増えたらポイ捨てが減る」や「喫煙所が少なすぎるから投票しよう」など、参加者同士が会話をしながら投票していたことが印象的でした。投票することでポイ捨て問題について多くの人が考え、議論が進むきっかけになればと思います。

―― 投票者からは、どのような反応がありましたか?
【山下さん】灰皿を設置した場所が渋谷センター街ということもあり、20代の若者が多く投票している印象です。実際には「アイデアがおもしろい!どんどん増やしてほしい」「選択肢が絶妙で悩む…」「こういうゲーム性があると、ちゃんと灰皿に入れたくなる」「投票すること自体が楽しい。プラス、この場所に喫煙所ができたのもうれしい!」などの声が届いています。単純に喫煙所を設置するだけでも効果はあると思いますが、吸殻を捨てることにゲーム性を加えて、喫煙者のマインドを「ポイ捨てする」から「楽しみながら参加する」に変えられたのは大きな成果です。

また、「おもしろいし入れたくなる!ただ、たばこは吸わないので、拾って投票します」など、非喫煙者の方からも好意的な反応をいただいています。

―― 喫煙所を設置したことで、どのような変化がありましたか?
【山下さん】取り組みの前後にクランクストリートでの実際のポイ捨て数をカウントしたところ、設置する前と比べて約9割もポイ捨てが減少したことが分かりました。また、たばこだけでなく、空き缶や紙くずのポイ捨ても減っており、効果を実感しています。

私たちは、さまざまな活動や実証実験を経て、必要な場所への喫煙所設置を進めてきましたが、実際に設置できる場所を探すのに苦労しています。今回のような実績や反響をきっかけに、自治体にも私たちの活動を知っていただき、行政や商店街と協力しながら街の美化を実現していきたいです。

時間が経つごとに変わっていく投票結果も気になるところ。土曜・日曜に渋谷へ出かけた際は喫煙所に立ち寄って結果をチェックし、投票してみてはいかがだろうか。現在、吸殻モンスターの登録は東京12区に限定されており、投票型喫煙所もクランクストリートの1カ所のみだが、今後は全国に広がっていくことも期待したい。


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