人気漫画の主人公役など、数多くの舞台やドラマ・映画に出演する俳優の小林亮太が都内近郊のグルメバーガー店をナビゲート。食レポはもちろん、ハンバーガー好きの目線で取材したおいしさの秘密をお届けする。

今回は、東京・江東区にある「潮見スキッパーズ」で、「スキッパーズバーガー4.0〜ブルーチーズとオニオンソース〜」(2140円)を紹介!

■運河を眺めながらゆっくり過ごせる店内
オープンから6年目を迎えた「潮見スキッパーズ」の店主・東條正寿さんは、2021年にアメリカで開催されたハンバーガーの世界大会「World Food Championships」(ワールドフードチャンピオンシップ)に初めて出場した日本人チームのメンバーということでも有名。先日放送された情報バラエティ番組「ジョブチューン」(TBS)のハンバーガーチェーン店イチ押しメニューのジャッジに、超一流料理人のひとりとしても出演し、その名を轟かせている。

そんな東條さんが作る絶品バーガーがいただける同店は、大きな窓から汐見運河を臨むことができ、夜はライトアップでムードも満点。船の往来を眺めながら、50席の広い店内でゆっくりと過ごすことができる。

なお、最寄りの潮見駅からは徒歩2分ほどと駅近の立地だが、車や自転車で来店する人も多いことから、ノンアルコールドリンクも種類豊富に取りそろえているのだそう。

■2層のパティや自家製ソース・バンズに注目!
自家製オニオンソースを使った同店のシグネチャーメニューには「スキッパーズエッグチーズ〜スタンダード〜」(1860円)をベースに、4つのバージョンがある。

前回来店した際に、アーリーレッド、トマト、グリーンカールをサンドしたスタンダードに近い「スキッパーズバーガー3.0〜ハンバーガーってやっぱりこうだよね〜」(1420円)を食べたという小林たっての希望で、今回は初めて食べる「スキッパーズバーガー4.0〜ブルーチーズとオニオンソース〜」をセレクトした。

パティはオーストラリア産のビーフ100%で、旨みの強い部位であるチャックアイロール(肩ロース)のひき肉と、1センチ角にハンドチョップすることで食感を強調したシルバーサイド(外もも)を2層構造で成形しているそう。さらに、ひき肉側を下にしてヒール(下のバンズ)にのせ、舌へダイレクトに旨みが届くビルドで提供する。

ちなみに、ひき肉とダイス状の肉で熱による収縮に差があるため、焼くときに層が分かれないように鉄板にのせたパティの下に一度ヘラを差し入れ、鉄板に張り付かないようにするというひと手間もかけているのだとか。

説明を聞くだけでおいしさを想像してしまうパティに合わせるのは、一級品の利尻昆布と羅臼昆布、鰹節、どんこ椎茸の出汁とアーリーレッドで作るオニオンソース。しょうゆ、みりん、お酢で味を整え、和の風味に仕上げる。

「潮見スキッパーズ」では、パティやソースに限らず、多くのグルメバーガー店がベーカリーに発注しているバンズまで、毎朝店内で焼き上げているという。さぞかし、手作りへのこだわりがあるのかと思いきや「別に手作りじゃなきゃいけないというわけではなく、自分がおいしいと思うバーガーを作るうえでベストを考えていくと結局自家製になるんですよ」と東條さんは話す。

しかも、それぞれのレシピをお店の公式YouTubeで公開しているから驚きだ。

「グルメバーガーって安い食べ物じゃないですけど、これだけの手間暇をかけているのを見たら、この金額は高いものではないと思ってもらえるはず。家で作ろうとしたら、この金額では食べられないですからね(笑)」(東條さん)

■海外で戦った店主が作る日本ならではのバーガー
「スキッパーズバーガー4.0〜ブルーチーズとオニオンソース〜」に入っている野菜は、ルッコラとドライトマト、そしてハラペーニョ。ブルーチーズは水分と相性が悪いと考え、あえて水分の少ない素材を組み合わせたバーガーにしたそう。仕上げにトリュフオイルをかけたおしゃれなバーガーを、小林がレポート!

「う〜ん!ブルーチーズ、うまいですね」と、このバーガーの一番の特徴であるチーズに触れた小林は、一般的なハンバーガーとは異なる具材をふんだんに使ったバーガーを手に、「何から説明しよう」と悩んでいる様子。

まずは、ふかふかの自家製バンズがしっかりと肉汁を吸って、おいしさを逃さずに食べられることに触れながら、ブルーチーズの濃厚さや香り、ヒールに塗られたマヨネーズとオニオンソースの相性を堪能しながら食べ進めていくと、真ん中に置かれたハラペーニョが顔を出す。

「うーん、ハラペーニョ!ハラペーニョの味変もめちゃくちゃいい。一気にさわやかになって全然違う味になる感じがします。普通のハンバーガーはレタスを使うところ、ルッコラを使っていて香りも全然違うんです。イタリアンにアレンジしたバーガーでトマトソースと合わせて使っているものはときどきあるけど、オニオンソースとの組み合わせはめずらしいですよね」(小林)

小林は「バンズもそうだし、全体的に柔らかいのがスキッパーズのバーガーの特徴のような気がします」と続ける。

「2種類の肉を使っている、ほかとは違うパティの存在も大きいです。肉汁と食感を楽しめるというのがすごくわかります。ここではほかのバーガーも食べたことがあるんですが、特にこの4.0はブルーチーズとオニオンソースの旨さがプラスされてパンチがあるけど、パティの食感が優しくて、そのバランスがいいなと思います」(小林)

「とにかくオニオンソースの旨みがすごいですよね。昆布に鰹節にしいたけも加えて、手をかけて作ってるんですよね」と話す小林に、東條さんは「初めて世界大会に行ったときは3.0までしかなかったんですよ。アメリカのハンバーガーは縦にも横にも大きくて、味の濃さも規格外。でも、それを日本で出してもウケない。日本で勝つにはルックスは小さいままにすごくソフトで食べやすく、旨みの強さで大きい相手に勝たなきゃいけないと気づいて、日本に帰ってきてから生まれたバーガーなんですよ」と教えてくれた。



ヘアメイク=田中宏昌
撮影=小山志麻
取材・文=大谷和美

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