店名の「ふくぼく」とは、中国の思想家・荘子の言葉に由来し、「原点回帰」の意味を持つ。海外で和食のコーディネートを手がけるオーナーが、「原点に返ったシンプルなラーメンを作りたい」と世に送り出したのが、スープと麺のみの澄まし麺だ。

■ ラーメンの原点に返った現代版“一杯のかけそば”

早稲田通りから一本入った路地裏にあり、店内は高級感ある空間が広がる。麺メニューは「澄まし麺」(並盛700円)と醤油かけ麺(並盛700円)。それぞれ半盛各500円もあり、食べ比べてみるのも楽しい。麺のお供に名物鴨だしご飯380円も人気だ。夜は日本酒割烹「蒼穹」として営業している。

スープは真昆布と2種の煮干し、削りたてのカツオ節で作る一番ダシで、味付けは塩のみ。麺は菅野製麺所の細ストレート。小麦の味を主張しすぎず、それでいて上品な和ダシに合うよう、試行錯誤を繰り返したそう。

スープの香りをダイレクトに感じてもらうため、レンゲの用意はなし。麺は喉越しのよい細ストレート。スープを吸うとモッチリになり、意外と食べ応えがある。別皿で薬味のネギと岩海苔が付く。

■ラーメンデータ<麺>細・角・ストレート/製麺所:菅野製麺所・140g<スープ>タレ=塩・仕上げ油=なし/濃度:こってり○○○○●あっさり/種類:魚介(煮干)

北海道産の真昆布に、2種の煮干し、削りたてのカツオ節で丁寧にダシを取っている。味付けは塩のみで、ダシそのものの味で勝負。

途中からは調味料で好みの味に調整。コクを出したければ胡麻油、サッパリさせたければ昆布酢を。ただし、どれも入れすぎに注意。

濃厚な味が好まれる昨今、あえて時代の流れに逆行するスープと麺の潔すぎる一杯。だからこそ一切のごまかしがきかないその心意気を、五感を研ぎ澄まして味わってみたい。【ラーメンウォーカー編集部】