森永乳業から気になる調査結果が発表された。全国47都道府県1万人超を対象に行われた「大腸環境」の実態調査で、県別の「快便偏差値」が示されている。全身の健康の要となる大腸の健康に関する意識と実態を明らかにするため、みなと芝クリニックの川本徹先生監修のもと6年ぶりに行われたものだ。

■3人に1人以上は、「大腸環境」が乱れている
ここ数年、「腸活」なる言葉が定着し、美容や健康と腸の状態の関係が注目されている。しかし、大腸の機能・働きに関する関心・理解は浸透しきっておらず、大腸が全身の健康において重要な働きを持つ臓器であることや、大腸と小腸の部分的・機能的な違いは広く知られていないという現状がある。そこで、半世紀以上、ビフィズス菌の研究に取り組んできた森永乳業が、20〜59歳の男女1万1656人にインターネットによるアンケート調査を行い、昨年9月から今年の3月にかけて5回にわたってプレスリリースを発表した。

「大腸(腸内・おなか)の健康状態に不調はありますか?」という質問に対し、37.3%が「ある」または「どちらかと言えばある」と回答。つまり、3人に1人が「大腸環境」の乱れを感じていることになる。また、男性より女性のほうが多く不調を実感していることもわかった。具体的な不調は46.3%が便秘、29.4%が軟便・下痢。便秘と回答した人は女性が男性の約2倍、軟便・下痢は男性が女性の約2.4倍と、大腸環境の乱れに男女の違いがあることが明らかになった。

また、大腸と全身の健康とのかかわりとしては、実際に大腸環境の乱れとともに感じる不調には、「肌の調子が悪くなる/荒れる」が17.7%と最も多い。特に女性では25.8%が「肌の調子が悪くなる/荒れる」と回答。また、「全身が不調になる」という回答も14.1%あり、大腸環境の乱れによって全身の不調を感じる人も多いことがわかった。

「現在、大腸(腸内・おなか)の健康のために行っていることはありますか?」の問いには、「ヨーグルトを食べる」が40.5%で1位と、ヨーグルトが大腸(腸内・おなか)にいいという認識が定着していることがうかがえる。これに対し、監修の川本先生は、「大腸は全身の健康に深くかかわっているが、大腸自身も不調が慢性化しやすく治りにくい臓器。大腸の健康について若い時から意識をするのが大事」と話す。また、「ヨーグルトなどで体にいい菌であるビフィズス菌や乳酸菌などと、それらの菌のエサになる水溶性食物繊維(ゴボウやネバネバ食材)などをバランスよく、継続して摂取するような習慣をつけるといい」という。

■気になる「快便偏差値」、都道府県による差は?
今回の調査で気になったのが「快便偏差値」。これは、 “便秘の指標”の回答を点数化して算出したもの。便秘の指標として調査したのは、1. 排便回数、2. 便の臭い、3. 便の形状(固さ)・色、4. オナラの臭い、5. ストレス、6. 運動頻度、7. 睡眠時間(以上20点満点)、8. 排便時間帯、9. 残便感、10. 食事の回数、11. 朝食の摂取状況、12. 水分の摂取状況、13. 風邪のひきやすさ(免疫状態)、14. 発酵食品の摂取状況(以上10点満点)。

この調査で見事「快便偏差値」全国1位となったのは静岡県。「便の臭いが少ない」「オナラの臭いが少ない」ランキングでも1位、「毎日朝食摂取」「風邪をひきにくい」ランキングでも2位と好成績だった。一方、残念ながら「快便偏差値」が低く、“便秘県”となったのは長崎県。「毎日腸スッキリ」ランキング46位、「朝の排便習慣」47位、「睡眠時間たっぷり」「風邪ひきにくい」ランキングで44位と健康習慣があまりよくない状況が見受けられた。

川本先生いわく、「静岡県が『便・オナラの臭いが少ない』のは、大腸内の善玉菌の量が多く、大腸環境がいいことを示している。『便・オナラが臭い』と大腸内で悪玉菌が優勢になり、大腸環境が乱れている可能性がある。長崎県は『毎日腸スッキリ』や『朝の排便習慣』が下位になっているが、快便のためには毎日朝食後の排便の習慣化が大切」と言う。また、「風邪のひきやすさ」は免疫力低下が要因と考えられ、「免疫力を高めるためにも大腸環境と整えることが大切」と話す。

ただ、静岡県と長崎県の違いを比較したところ、「便秘だと思う状態」に差があった。静岡県は毎日排便がないと便秘だと認識する人が多く、長崎県は3日以上排便がないときに便秘と認識する人が多かった。県によって便秘のとらえ方に差があり、結果的に快便県ランキングにも差が出ることとなった。

■テレワークが排便回数に関係あるというデータも!
また、今の状況下だからこそのデータもある。テレワークと排便回数の関係だ。昨年から出勤日を減らしリモートワークを導入する企業が増えた。とはいえ、調査の段階では60.2%の人が「ほぼ毎日(週4日以上)出勤している」という結果だった。そこで「現在の働き方」別に1週間の排便日数を比較。「毎日排便」の人の割合が「ほぼ毎日(週4日以上)出勤している人」で50.4%なのに対し、「週2日以上テレワークで働いている人」の加重平均は39.1%。約1.3倍もの差があった。

さらに、排便する日が「1週間に1日より少ない」人の割合が、「ほぼ毎日(週4日以上)出勤している」人では2.8%なのに対して、「完全にテレワークで働いている」人では12.8%で、ちまたで言われる“巣ごもり便秘”が実際にあることがわかり、テレワークによる運動不足や同じ体勢を続けることが排便に影響すると推察される結果となった。

■パワーワード「快便偏差値」。興味を引くための言葉をチョイス
今回の調査では、「快便偏差値」というユニークな言葉や、都道府県別でデータが出たことで、“大腸環境の乱れ”に対し、自分ごとのように、興味がわいた。森永乳業広報IR部広報グループマネージャーの見上亮さんは「メーカーからの押し付けではなく、生活者側に立った情報提供が大切」と話し、調査結果に興味を持って見てもらうため、今回『快便偏差値』という言葉を使ってランキングや調査結果を発表した」という。

そもそも、森永乳業は半世紀以上ビフィズス菌の研究を行ってきた、腸や腸内環境、腸内細菌のスペシャリストだ。こうした調査は2014年にもビヒダスヨーグルトのPRの一環として行っていた。森永乳業マーケティング総括部素材企画グループ(現・営業企画部素材戦略グループ)マネージャーの赤津裕之(現・経営企画部所属)さんは「ここ数年、腸内環境が話題となり、国民の意識も変わってきました。しかし、まだまだ正しい理解を得られていない面もあるため、大腸や大腸と全身の健康との関係などにより興味を持っていただきたい」と話す。

「今回の調査結果に関しては、大腸の健康状態の考え方や感じ方に地域差が表れていて、非常におもしろい結果となりました。例えば、1日お通じがないと便秘であると感じる人が多い県もあれば、3日以上で便秘と認識する人が多い県もありました」と赤津さん。

続けて「大腸環境は乱れやすいですが、改善ができるもの。そして、大腸環境を良くすれば全身の健康につながることもわかっています。今回のような調査を行い、広く知ってもらうことで“大腸環境”を意識してもらい、日常のケアを始めるきっかけになればと思っています」と、日頃から大腸環境に意識を向けることの重要性について語ってくれた。

森永乳業は、昨年、ヨーグルト業界初の便秘気味の人の便通を改善する機能を表示したヨーグルト「ビヒダス ヨーグルト 便通改善」シリーズを販売。3日間試してみて86.1%の人が満足と回答している。赤津さんは「50年を超えるビフィズス菌研究の成果を生かし、お通じに悩む人に寄り添いたいという思いから“便通改善プロジェクト”をスタートしました。こうした商品開発とともに、毎日の生活ですぐに実践できる便通改善の知識などを紹介しています。これからも当社の研究成果、商品などを通して、大腸環境の改善や健康をサポートしていきたいと考えています」と話す。

今回の調査を全国10地域に分け、分析した結果も発表している。第2弾の地域篇では、甲信越地方が快便偏差値68.4の全国ナンバーワンの“快便”地域を、第3弾ではライバル篇として比較されがちな「東京都と大阪府」など、3つのライバル地域を分析。第4弾近畿地方篇、第5弾東海地方篇と発表されている。自分の住んでいる地域の調査結果をチェックして、自分の大腸環境を考えるきっかけにしてみてはいかがだろうか。