舞台を中心に活躍中の若手俳優が集結したドラマ「あいつが上手で下手が僕で」(日本テレビ 毎週水曜24時59分・読売テレビ 毎週土曜24時58分)が、10月6日(水)からスタートする。“遭難劇場”と揶揄されるほど寂れたお笑いライブハウス・湘南劇場にさまざまな理由で集まった8人の芸人たちが、売れてこの劇場から脱出するべく奮闘していく本作。

物語は、主人公・時浦可偉(ときうら・かい/荒牧慶彦)が、ある事情から湘南劇場へ“島流し”されたところから始まる。玄人好みのシュールな芸風の時浦は、劇場のムードーメーカー的な存在である島世紀(しま・せいき/和田雅成)と漫才コンビ「エクソダス」を結成することに。

舞台「刀剣乱舞」シリーズなど、共演作も多数ある荒牧と和田に、コンビ役を演じることへの思いや、12月に上演される舞台への意気込みについて語ってもらった。

■リアルさが一番出せる間柄でコンビを演じられることがありがたい
――脚本を読んで、自分が演じる役に対してまずどんな印象を受けましたか?

【荒牧慶彦】時浦は、すごくニッチというか、変わってる人っていう印象です。着眼点がおもしろくて、ひと言ひと言が天然なのかな?と思いました。

【和田雅成】島は太陽みたいなやつですね。すべてにおいて物事をポジティブにとらえて、僕が目指してる人だなって感じでした。お笑いで売れることを目標にしていますし、みんなを笑顔にしたいという思いがあって、そこにいるんだろうなと思う人です。

――おふたりは共演作も多く、いろいろな現場を共にされてきていると思いますが、今回、コンビを演じることについてどう思いましたか?

【荒牧慶彦】役者としての力量など尊敬している部分がたくさんありますし、良い意味で隣にいることが当たり前になっているので、相方がまーしー(和田)でありがたいなと思いました。自然体で隣にいられるので、特に漫才を披露するシーンではこれまでの関係値がすごく活きていたと思います。

【和田雅成】漫才コンビとして、深い関係値がないとカメラに映るものが嘘になってしまうと思うので、僕もまっきー(荒牧)が相方でありがたかったですね。それに、日常会話がたくさんあるんですが、まっきーとは普段からたくさん話をしているので、リアルさが一番出る相手だと思いました。飾り気なく会話できるのが心強いというか、自分たちそのままのテンポでいけるなと。それが作品作りのうえで強みになったと思います。むしろ、やりすぎないようにしようね、くらいの感じだったよね。

【荒牧慶彦】そうだね。

【和田雅成】ふたりが出会うところから始まるから、最初の漫才で息が合いすぎるのも違うよね、って。

――自然体で一緒にいられる間柄ということで、相手のこういうところが特に好きという部分について教えてください。

【荒牧慶彦】場を盛り上げる力や、周りのスタッフさんへの気遣いがすごく大好きだし、見習いたい部分だなって思ってます。

【和田雅成】それはお互い様だよ。まっきーは作品のことを考えて、自分が今、何をしたらいいかを考えて行動している人だから。作品への向き合い方とか、僕も見習いたい部分はたくさんあります。

――荒牧さんは、芸人さんも舞台俳優もステージで頑張るというところに共感する部分がある、といったコメントを公式サイトに出されていますが、逆に違う部分での苦労はありましたか?

【荒牧慶彦】その苦労が、僕とまーしーの関係値だからなかったんですよね。息を合わせるとか、テンポ良くやるとか、ここをこうしようね、っていう芝居の話し合いが必要になるような相手だったら苦労はあったかもしれないです。普通だったら必要になるであろうステップを、何個も飛び越えたところからスタートできたのは大きかったと思います。

――コンビを組む相手を自分で決める芸人と違って、決められた相手と息のあった漫才を見せなくてはいけないというのも、俳優ならではかもしれないですね。

【荒牧慶彦】そうでしょうね。息の合わせ方は、本当に絶妙なところで垣間見えるので。

■役作りはピース・又吉&ティモンディ・高岸をモデルに
――役作りについて気になったのが、今作ではキャラクターの誕生日と血液型が決まっていることだったのですが、役作りのうえでそういう設定は意識されるんですか?

【荒牧慶彦】そういう性格診断って当たってる部分もあるとは思うんですけど、僕自身は占いとかをあんまり信じていない方です。当たってたらうれしいな、くらいにとらえてます。だから、誕生日とか血液型っていう設定は気にしていなかったですね。監督からピースの又吉直樹さんのようなイメージで演じてほしいというお話があったので、ああいう感じのテンションで、というのをすごく意識して演じました。

【和田雅成】星座や血液型を意識したとしても、芝居はあんまり変わらないと思うんですよね。ただ、島には6人兄弟の長男っていう設定があるので、そこについては意識した部分もあります。長男としていろいろなことを我慢してきたと思うし、兄弟の面倒をよく見てきたいいお兄ちゃんなんだろうなということが台本からも受け取れたので、そういうバックボーンをちゃんと感じたうえで役を生きました。

――和田さんが演じる島も、どなたかイメージされた方がいらっしゃるんですか?

【和田雅成】こういう人でありたいな、っていうのは、ティモンディの高岸宏行さんですね。島はすごくポジティブで、人を明るくしたいと思っている太陽のような存在。僕にとっては高岸さんにそう感じるというか、見ていて元気をもらえる方です。

――ちなみに、ご自身の星座の性格診断は合っていると思いますか?荒牧さんの水瓶座は、「好奇心旺盛。チャレンジ精神がある。ユニークで知的」などと言われています。

【荒牧慶彦】ユニークとか、好奇心旺盛だよね、とは周りからめちゃくちゃ言われます。そういう部分は合ってるのかもしれないですね。

――和田さんの乙女座は、「しっかりもので几帳面な性格。完璧主義。ロマンチスト」など、ということです。

【和田雅成】それはもう、僕です。

【荒牧慶彦】ロマンチスト?

【和田雅成】あはは。でも、言われたらそうかも?そういう性格だと自覚して生きているわけではないけど。あと、僕はA型なんですが、A型は気にしいって言いますよね(笑)。…ロマンチストはどうなのかな?自分ではわかんないや!

【荒牧慶彦】まーしーの俳優以外の人生についてはそこまでわからないけど、本当はロマンチストなのかもね。星好き?

【和田雅成】星は、まぁまぁ。

【荒牧慶彦】はい、ロマンチストです。

【和田雅成】ちょっと、何それ!(笑)

【荒牧慶彦】僕、星好きなんですよ。夜空とか夜景とか。いや、だからって僕がロマンチストってわけじゃないけど…。何をもってして、ロマンチストなんだろう。

【和田雅成】難しいよね。

【荒牧慶彦】いろいろなものにロマンがありますからね。

【和田雅成】おお〜!名言出ました!

■舞台では、ハプニングも笑いに変えていきたい
――そんなお二人が、今回のドラマで一番見せたいものはどういったところですか?

【荒牧慶彦】「エクソダス」の結成から、ふたりが成長していく過程ですかね。それに、最初は腐っていた売れない芸人たちがどんどん意気投合して、劇場ごと盛り上げていこう、という姿勢の変化も見どころなんじゃないかなと思ってます。

【和田雅成】僕らにカメラが付いてくる形で、湘南劇場にいる姿を長回しで撮っている10分くらいのワンカットシーンがあるんです。ドラマではあまりない演出なので新鮮だと思いますし、見ている人が僕らと共にその瞬間を生きている感覚になれるのが魅力のひとつだと思います。そのカットの中でも、笑えることやいろいろなことが起こっていくので、ドラマの世界で一緒に生きて楽しんでほしいですね。

――そして、12月には舞台も上演されます。今、一番楽しみにしていることを教えてください。

【荒牧慶彦】やっぱり生の漫才を披露できるということですね。お客さんが本当にお笑いライブを見にきたような感覚になれるのが、舞台化の醍醐味じゃないかなと思います。お笑い会場の空気感をぜひ味わってもらいたいです。

――先ほどお話されていたおふたりの空気感も体感できますし、逆におふたりは客席の生の声も聞けますね。

【荒牧慶彦】映像だとうまくいったカットを使うので、うまく見えていて当たり前なんですけど、舞台は生なので噛んだり、失敗したりもすることもあると思います。でも、そんなハプニングさえも、笑いに変えていける舞台にしていきたいです。

【和田雅成】僕は、お笑いというものの難しさを感じるんじゃないかなと思ってます。もちろん、お客様たちは僕らを応援してくれていて舞台を観に来てくださるので、味方ではありますけど…でも、本当におもしろくなかったら笑わないでしょうし。それに、笑い声を抑えなきゃいけないという今の状況下で、笑って欲しいという思いで悩むことにもなりそうだな、と思います。それは、お笑い芸人さんたちのリアルな悩みでもあると思うので、その辺りも感じながら、苦しみつつ楽しみたいですね。

――こういう世の中だからこそ、たとえ声は出せなくても笑顔になってもらえる舞台として、期待して来てもらいたいですね。では、最後に、もしおふたりがプライベートで湘南に遊びにいくとしたら、何をしたいですか?

【和田雅成】「スラムダンク」の聖地に行ってみたいですね!でも、湘南といえばやっぱり海だよね?

【荒牧慶彦】そうだね。僕は日焼けしないように、海鮮丼を食べながら海を眺めていたいかな。

【和田雅成】僕は、海で泳いで、上がって、フランクフルトに「ブタメン」!って感じですね。海といえば、昔からそんなイメージがあります。

【荒牧慶彦】今の、なんか「湘南乃風」の歌詞みたいだったよ(笑)。

撮影=八木英里奈
取材・文=大谷和美