2021年6月23日に上野動物園で生まれた双子のパンダ、オスの「シャオシャオ」とメスの「レイレイ」が2022年1月12日から一般公開。しかし、 新型コロナウイルス感染症の急拡大を受け、1月11日からは臨時休園となってしまった。すでに抽選済みの当選者を対象に1月12日から14日までの公開のみとし、それ以降の観覧の抽選は一時中止に。初日の応募倍率は335倍、2日目は338倍、3日目は370倍と人気の高さがうかがえるだけに、公開再開を心待ちにしたい。そんな双子パンダを昼夜問わず見守ってきた教育普及課の課長、大橋直哉さんに公開への思いを伺い、写真とともに、その成長を振り返ってみたい。

■上野動物園は今年で開園140周年!メモリアルイヤーで双子パンダをお披露目
上野動物園は、1882(明治15)年3月20日に誕生した日本で最初の動物園。1972(昭和47)年に日中国交回復を記念して、ジャイアントパンダの「カンカン」と「ランラン」が来園、その後、年間入園者が700万人を超える年が続くほどの、日本におけるジャイアントパンダの聖地となった。

そんな歴史のある動物園に双子パンダが誕生。その時の心境を聞くと「双子のジャイアントパンダが生まれたのは、140年の歴史を持つ上野動物園では初めて。昨年は本当に記念すべき年になりました」と言う大橋さん。しかし、その反面「双子が生まれてうれしいという喜びと同時に、2頭を無事に育てあげていくために必要なことが頭をよぎり、身が引き締まる思いでした」と誕生当時を振り返った。

■24時間体制で慎重に見守られながら、すくすく成長!
上野動物園でのジャイアントパンダの誕生は、「シャンシャン」以来4年ぶり!双子を、母親のシンシンと飼育係が1頭ずつ育てることになり、24時間の飼育管理が10月末まで続いたそうだ。

公式サイトで毎週更新される飼育記録には、これまでの無邪気な姿がいっぱい!最初は保育器に入れられていた2頭も、よちよち歩きができるようになり、じゃれあったりごろごろしたりと圧倒的な愛らしさからもう目が離せない!

生後2か月の2021年8月には名前を公募。約19万件の応募の中から、オスがシャオシャオ(暁暁)、メスがレイレイ(蕾蕾)と名付けられた。シャオシャオには「夜明けの光が差して、明るくなっていく」、レイレイには「蕾から美しい花が咲き、未来へ繋がっていく」という意味が込められている。

生後4か月ごろからは、耳の発達に合わせて人の声に慣れさせるためにラジオを聞かせる訓練を行っているそうだ。

2頭の見分け方は、背中に緑色のマークがついているほうが、オスのシャオシャオ。個体を区別するために塗られたもので、このマーカーは動物にとって安全な成分でできている。これなら違いは一目瞭然だ。

こうして、誕生時には124gと146gしかなかった2頭だが、今では12Kgを超える重さにまで育ち、満を持してのお披露目となった。

■国内外のパンダ専門家の手助けに感謝!そして、母親シンシンの子育てにも
晴れて公開となった双子パンダへの思いがひとしおの大橋さん。「公開に向けた訓練を慎重に取り組んできました。小さく生まれた2頭がここまで育ったことは、飼育係や獣医師だけの努力ではなく、母親シンシンの献身的な子育てに加え、中国ジャイアントパンダ保護研究センターやアドベンチャーワールドからの助言、そして、みなさんからの多くの応援があったことに感謝しています」と小さな命を無事に育てたいと思う多数の手助けがあったことを語った。

かわいらしさいっぱいの双子パンダ。でも一つ伝えておきたいのは、上野動物園ではあくまで「野生動物としてのジャイアントパンダ」という観点から情報を発信しているということだ。野生動物としての本来の姿や、生態系の中でいかに暮らしているのか、そんな視点での彼らの魅力もぜひ味わってほしいという思いがある。

観に行ったみんながかわいさだけではないたくさんの発見をして、ジャイアントパンダを始めとした野生動物たちを守るため、行動の変化を起こしてもらいたい。そのことが、絶滅の危機にあるジャイアントパンダの保全につながることになるのでは、という強い思いが、この公開にも込められている。

大橋さんも「パンダの観覧を通して、野生動物の保全について思いを馳せてみてください。何かできることを思いついたら、彼らのためにぜひサポートをお願いいたします」と締めくくった。

■公開が再開されたら、上野動物園史上初「5頭のジャイアントパンダ」が園内で見られるかも!?
双子パンダがいるのは2020年9月にできた「パンダのもり」。ここは、野生のジャイアントパンダが生息する森林を再現した場所だ。この施設で、母親のシンシンと双子パンダのシャオシャオ、レイレイが共に過ごす様子を見ることができる。

さらに、本来ならすでに中国へと返還されている予定だった4歳のメス「シャンシャン」は東園のジャイアントパンダ舎に、父親のリーリーは「パンダのもり」にいるので(ただし、母子パンダとは別)、通常通りに公開が再開されたら、パンダ5頭すべてを観て回ることができるのも楽しみ!シャンシャンは、2022年の6月末までに中国へ返還される予定なので(2021年12月現在)、上野動物園史上初の5頭のジャイアントパンダに会えるチャンスはあとわずかなのだ。

■見学は要予約。抽選で1日最大1080人限定
では、どうやったら双子パンダに会える?

双子パンダの公開時間は、当面10:00〜12:00の2時間限定。1日最大1080人のみとなっている。
公開が再開したら、上野動物園の公式サイト内にある「ジャイアントパンダ母子観覧抽選サイト」から申し込みを(会員登録必須)。現在は抽選の受付は中止。抽選受付が再開されたら公式サイトの説明をよく読み、期間を間違えないように申し込もう。

また、上野動物園は1月11日から休園中。再開した時の入園方法は、上野動物園公式サイトに公開される予定。新型コロナウイルス感染症の影響で入園者数を制限する、整理券予約制となる可能性が高い。しっかりと上野動物園の公式サイトを確認し、入園準備をしてからお出かけの予定を立てよう。

※再開園後も双子パンダの観覧には、事前に「ジャイアントパンダ母子観覧抽選サイト」から応募して当選することが必要。入園するための整理券だけでは双子は観られないので注意しよう。双子観覧に当選した人の入園方法については、園からの案内をよく読んで確認を。

取材・文=田村のりこ