1998年にアメリカで誕生し、翌年に日本で発売されるや大ブームを巻き起こした電子ペット「ファービー」。初代の発売から20年以上が経過し、名前を聞いて懐かしさを感じる人も多いのではないだろうか。しかし今、ファービーを使っておしゃれな写真を撮る「ファビ活」がSNSで流行している。今回は、まるでファービーの日常を垣間見ているかのような写真をTwitterに投稿しているワサ(@0141hamuuu)さんに、ファービーの魅力や、ファビ活の楽しさなどを聞いてみた。

■ぼってりした体型にアンニュイな表情...ファービーはかわいくて奇妙な存在
ワサさんの写真に登場するのは、とろんとした眠そうな目が特徴的な、2005年発売のファービー2。ワサさんはそのかわいさに魅了され、以前から国内外のさまざまな写真を眺めていたそう。そして2017年、実際にお迎えすることに。

ファビ活を始めたのは、記録感覚で撮っていた日々の料理の写真に、「せっかくファービーが家にいるなら」と、一緒に映してみたのがきっかけ。お気に入りのぬいぐるみを主役に写真を撮る「ぬい撮り」の感覚だったそうだ。ワサさんはファービーのどんなところに魅力を感じているのだろうか。

「もともと、ちょっと哀愁を感じるかわいいものが好きでした。ファービーの洋梨のようなぼってりとした流線型の体、アンニュイな表情、赤ちゃんのようでお年寄りのようでもある、かわいくて奇妙な姿に惹かれました。ファービー2は表情が変わるので、そのときの自分が表現したい感情を反映できるところに楽しさと魅力を感じています」

さまざまな表情に加え、美味しそうな料理との写真や、窓際でたたずんだりベッドで眠ったりしている写真は、本当にファービーが生きているかのよう。撮影するときのこだわりを聞いてみた。

「生活の一部を覗き見ているような見せ方を心掛けています。受け取り方は千差万別だと思いますが、日常からかけ離れた不思議な生き物のファービーが生活に溶け込むことによって、ただの食事もなんだか愉快な風景になるような気がします。奇妙さが明るさに、退屈さが静謐さになればと思いながら日々写真を撮っています」

■ファービーにぴったりの帽子や服はほぼ手づくり!ファビ友との交流も
これまでたくさんの写真を投稿してきたワサさんに、お気に入りのものを聞いてみると、2枚の写真を選んでくれた。

ファービーが毛布にくるまり、マグカップの前にたたずむ写真は、「寒いけれど日差しの暖かい日に、毛布に包まれながら1日ゆっくりしたい…という願望を形にしました。そのときの季節や天気を感じられる写真が好きで、よく撮っています」と写真に込めた思いを教えてくれた。

もう1枚は、布団の中で懐中電灯の明かりを付け、人形やどんぐりなどの宝物を広げているファービーの幻想的な写真。「ノスタルジーに浸るのが好きで、子供のころの出来事を思い返したシチュエーションで撮影することも多いです」とワサさん。こちらはその中でも特にお気に入りの1枚なのだそう。

写真の中のファービーたちが、雰囲気や季節に合わせて洋服や帽子を身に着けているのもかわいらしいポイントだ。実はこれらは、ワサさんの手づくりなのだという。

「手芸や工作が好きなので、手づくり品は多く登場します。帽子や服はほとんど作ったものです。仲の良いファビ友さんから、アクセサリーを譲ってもらうこともあります。当初は眼鏡もワイヤーを細工して作っていたのですが、最近の眼鏡や小物は100均です。ぬい撮りブームのおかげか、ミニチュア製品が気軽に手に入るようになってありがたい限りです!」

そんなワサさんのアカウントのフォロワーは3万人を超え、投稿されるファービーの写真には毎回のように1000を超えるいいねが寄せられている。写真に対しての反響をどのように感じているのだろうか。

「本当にただファービーと生活しているだけのアカウントなので、こんなにたくさんの方に見ていただけているのがいまだに不思議で困惑しています。いろいろな方からコメントをいただいたり、ファンアートまで描いていただいたり。ただの生活も続けているといろんなことが起きるものだと、とてもありがたく思います」

最後に、写真を見ている人や、ワサさんの写真を通じてファビ活に興味をもった人へ、メッセージをもらった。

「淡々とした生活の切れ端のような写真ですが、誰かがこれを見てほっとしてくれたらいいな、と思っています。見てくださっている方も、新たに興味を持った方も、ひと休みしながらゆるくてかわいいファービーを眺めてみてください!」

優しそうな表情に癒やされたり、人間らしい表現にクスッと笑ったり、ファービーの新たな魅力が感じられるワサさんの写真。これからも楽しみにしたい。

取材・文=松原明子