【漫画】拡散される恐怖!?SNSでの誹謗中傷を可視化すると「リアル」「ゾッとする!」視点を変えて描くネット問題
■些細なことでも個人を特定し、拡散される恐怖を現実世界に置き換えてみると…!?
森本大百科さんは、大阪よしもとに所属するピン芸人。芸人になる前は「カバチタレ!」で作画を担当していた東風孝広先生のアシスタントに従事。本作「炎上」は、「世にも奇妙な物語×少年ジャンプ+ presents 『奇妙』漫画賞」に応募するために描いたもので最終候補まで残った。
本作を描いたきっかけを森本大百科さんに伺ったところ「業界関係者が書いたネットニュースの記事で『人の悪口を聞いてしまって腹がたった』という内容のものを読みました」
「悪口を言っていた人の名前は伏せて、悪口の標的にされた人の名前を伏せていませんでした。その記事のせいで“聞かなくていい悪口が、本人に届いてしまうやんけ”と、ずっと引っかかってました。それをアナログに置き換えると、と考えた結果、この漫画が生まれました」(森本大百科さん)
記者が記事を投稿した途端、知らないおばさんから「今、あそこの女子高校生があなたを気持ち悪いって笑ってたわよ!?」と言われる。これが奇妙な物語のスタートとなる。
本人にいちいち知らせなくてもいいのに…。しかし、おばさんはその事実を広く拡散しようとする。まさに、これがネットの世界なのだ。
おばさんの一言で周囲にいた人々が「本当だ」「確かにキモ」とざわめき、さらにいろんな人に広めようと携帯を取り出す。突然、自分がターゲットにされたことに、呆然とする記者。
あんな些細なことで人々が自分をネタに注目するなんて…。男は自分が注目される理由がわからず、急いで家へ戻る。しかし最終的には、人々に追い詰められ、住居まで見つかるハメに。
「被害に遭う主人公を誰にしようかと考えた時、普段ネット記事で人のことを悪く書いてる男が分かりやすくて、良いフリになるかなということで記者の投稿から始めました」と森本さんはいう。
後を絶たないネットトラブル。このように漫画として第三者の目線でみると、わかりやすいのではないだろうか。
現在は、芸人活動ともともに漫画を構想中。捉え方の違いで見え方まで変わる「価値観」や宅配業者の恐怖を描いた「留守番電話」など、背筋がゾッとする作品を描いている。
取材協力:森本大百科(@mdaihyakka)