YouTubeチャンネル登録者数50万人超え、ごく普通の外国人・がっちゃんによる英語参考書「がっちゃん英語 キミに読ませたくて創った文法書」(KADOKAWA)が発売中だ。本書は、韓国人であるがっちゃんが日本語で英語文法を解説するという新感覚の英文法書である。
※本稿は、ごく普通の外国人がっちゃん「がっちゃん英語 キミに読ませたくて創った文法書」(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■日本語の特徴と英語の特徴の整理
「日本語は、最後まで聞かないと結論がわからない」
当たり前のようですが、実はこれ、日本語ならではの特徴なのですよ(私の暮らす韓国の言葉も、日本語と同じ特徴を持っている稀な言語)。
たとえば、次のような言い方。
「やーめたーと見せかけてーやめない、の反対〜、っていうのは嘘〜、じゃないよ!さてどっちでしょう〜?」
一言で「やめた」って言えばいいものを、人を究極におちょくり倒して今にもゲンコツを誘発しそうな憎たらしい文ですが、これぞまさしく、日本語や韓国語だからこそ可能なヒネりワザ。英語圏では使えない「引っ張り芸」なのですよ。なぜならば、英語は「結論を先に言いたい主義」だから。

英語の文は基本的に「先に結論を言いながら始まる」ので、こんなおちょくり方ができないというワケなのです。このように、結論をできる限り先に言っておきたいのが、英語。
その反面、最後まで結論を温存できるのが日本語(と韓国語)。
面白いことに、その特徴の違いは言語以前に文化圏の違いとも共通しているようです。
日本は「控えめ」「へりくだり」で有名な文化圏。そんな日本で使われる日本語は、ちゃんと最後まで聞くことでようやく意思が伝わる言語。
一方、英語圏は比較的「自己主張」「個人主義」の強い文化圏。
「結論を先に言いたい主義」が強く表れる英語との意識の繋がりを感じずにはいられませんよね。
だからこそ私は最初に主張しておきたいのです。
「その国の文化を理解すれば、その国の言葉に対する理解も深まるのである」

■大多数の人が英語をあきらめる「3つの理由」
「がっちゃんはユノのことを……」
という出だしの文に出くわしたとしましょう。しかし我々、最後まで聞かないことには、がっちゃんがユノを好きなのか嫌いなのか、はたまた舐めたいのかすらわからないじゃないですか。いざ最後まで聞いてみたところ、「がっちゃんはユノのことをペロペロ舐めて、ファンから滅多打ちに遭った」というとんでもない内容である可能性だってあるワケですよ。ズバリ、こういう意味深な出だしが作れちゃうのは、 日本語(と韓国語)ならではの必殺ワザなのです(そう!語順が同じという理由だけでも、日本語と韓国語とはとても仲良しな言語ってこと)。
でも「結論を温存しておきたい」のが日本語で、「結論から出したい」のが英語ならば、それは「語順」がどうのこうのというよりも、そもそも考えを言葉にする際の脳の思考回路自体が違うのでは……。そう思えてきませんか。
数多くの日本人(と、同じく英語を苦手とする韓国人ら)がしばしば訴える「英語が難しい理由のTOP3」は次のようなものでしょう。

1. 文法が違う
2. 単語が違う
3. 発音がムズい

こんなバカバカしい理由のせいで、どれだけ多くの人たちが次から次へと英語の習得をあきらめ、英語戦死者(英語の勉強に挫折して、英語をあきらめてしまった人を本書では「英語戦死者」と呼ばせてもらいます)となってしまっていたことか……。 
そう、1番目の「文法が違う」という理由からして、「何がどう違うのか」はっきりとわかってないのです。
皆さんは、「そもそも何が違うのか」を教わらなかったのです。ズバリその「違い」とは一体何なのか……。さぁ、ここから先は読むのと読まないのとでは英語にまつわる運命すら変わりかねない中身なので、ぜひとも集中して読み進めてくださいますよう。

こんな文章があるとします。

「がっちゃんは、ユノを、愛しています。」
この文章の単語の順番をバラバラにしてみましょう。
「ユノを、がっちゃんは、愛しています。」
なんとも詩的な書き方になりましたねー。じゃあ、別のパターン。
「愛しています、ユノを、がっちゃんは。」
これは随分ドラマのセリフっぽくなってしまいましたが、どちらにせよ伝えたい意味に変化はありませんよね?つまり、どうバラバラにしても「がっちゃんはユノを愛している」という意味。

■みんな必見!日本語と英語の「決定的な違い」とは?
ところがこれが英語だと、話はまったく変わってきます。

Gatchan loves Yunho.
(がっちゃんはユノを愛しています。)

こちら、先ほどとまったく同じ文章ですね。ではこの文章も、先ほどの日本語と同じように、単語の順番をバラバラにしてみます。
Yunho loves Gatchan.
…あれ???
なんだか、とってもがっちゃんに都合の良い文章になりましたねぇ。
「ユノは、がっちゃんを愛しています。」ですって!あー、聞き心地いいですねぇ、英語って最高!
要するに日本語は、単語の位置が変わっても意味が変わらない言語。その理由は?
「を」や「は」などの素晴らしい機能を備えた道具があるから。一方、英語の場合、単語の位置が変わると意味が変わってしまいます。なぜなら、「を」や「は」という道具がないからです。言われてみると今まで「Iは、Love、Yunhoを。」
なんて、聞いたこともないでしょう。あれ?と思いますよね。
じゃあ英語は「を」やら「は」などを、どう表してたっけ? と。
とたんに迷宮に迷い込んだ人がいる一方で、カンを働かせて何かに気が付いた人もいるでしょう。

そう、位置なんです。
位置がすなわち、助詞なのです。単語が置かれる位置こそが、すなわち助詞的な役割を果たす。「を」や「は」という助詞を使わない代わりに、位置が「を」であり、位置が「は」である。要するに英語というのは「位置の言語」だったのです。単語の役割を、ズバリ「位置」が決めてしまう言語ということ。

一方、日本語は、単に単語の後ろに「〜を」「〜に」といった助詞を付けることで役割を決める「助詞の言語」なのです。特に意識せず母語として自然に使っている立場だと気付けませんが、「助詞」というのは英語圏からしたらとっても特殊で便利な「道具」という事実。

この点こそが日本語と英語との、決定的な違いだったのです。皆さんが学校で呪文のように唱えた「あい(I)まい(my)みー(me)まいん(mine)」。覚えてますよね?あの意味不明な呪文を練習したのは、実はこれが理由だったんです。位置が、すなわち「を」であり「は」であり「に」だから。「私」が「〜を」という位置に居座るには「I」じゃなくて「me」に変身する必要があるのです。

もしくは、「私」が「〜は」の位置に居座るためには、「I」という服を着ないといけないというワケですよ。「me」ではその位置には座れないのです。

知れば知るほど、突き詰めていけばいくほど、意外と規則どおりで、思っていた以上に単純明快な仕組みなんですよ、英語って。

■書籍概要
『がっちゃん英語 キミに読ませたくて創った文法書』
定価:2420円
版型:A5版/416P
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322007000525/
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4048968793

【プロフィール】
ごく普通の外国人・がっちゃん

英語を日本人に教えているごく普通の韓国人

YouTubeという場にて、英語を日本人に教えているごく普通の韓国人。
英単語の画期的な習得方法の特許と英語の発音矯正に関する国際特許をそれぞれ取得し、自身で直接描いた6000個のイラストを用いて作った英単語アプリ「Gボカ」はリリース当時iOSストア有料カテゴリー1位を記録した。
YouTubeのチャンネル登録者数は50万人を超えており、幅広く人気がある。

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