2017/08/09 19:35 ウェザーニュース

約19日間に渡り存在した台風5号は、8月8日3時に山形沖で温帯低気圧へと変わりました。
歴代で言うと第3位の長寿台風で、その動きは最後までゆっくりとしたものでした。

動きが遅いことで長時間の強雨が続き、各地で大雨や暴風での影響が出ました。

どうしてスピード遅く、長生きだった?

通常、台風は太平洋高気圧の縁の気流に乗って北上しますが、今回は西日本方面に別の高気圧があり、台風5号は行く手を阻む高気圧に取り囲まれてしまいました。
このため、なかなか北上できず、日本の南海上を迷走。長寿への一歩を踏み出しました。
さらに、日本の南海上の海水温は水深50mくらいまで台風の発達を維持できる温度になっており、発達もしくは勢力を維持できていました。

日本上空に来ると、通常は「偏西風」と呼ばれる強い西風に乗りスピードアップしますが、偏西風ははるか北の中国大陸にあり離れていたため、引き続きスローペースで移動。西日本の南海上をノロノロと進み、寿命をさらに延ばしたのです。


最後は2つに割れた?

この図は、ウェザーニュースの独自観測機「ソラテナ」で観測した気圧差の影響です。

種子島・屋久島を通過した台風5号はノロノロと四国沖を進み、さらに紀伊半島の和歌山に上陸。

さらにその後ノロノロと北上していきますが、気圧差の変動を見ると、岐阜から長野の中部山岳を境に、北陸方面へ向かう低圧部 (橙色エリア) と 愛知・静岡、関東方面に向かう低圧部の2つに分かれた様子が分かります。

2つに分かれたうち北に向かったのが台風本体、南に向かったのが、熱帯の空気をまとった台風5号の残骸です。

この日、関東の朝の湿度は90%を超えていました。また、8月9日は東京で体温並みの高温になっていますが、これも実は台風5号の分裂した空気が原因なのです。

分裂する台風で、見解も割れる

幾つかの予報機関では、この関東に向かう低圧部を台風と解析していました。ただ、実際は台風として運ぶはずの高気圧の動きが遅く、結果、北に向かう台風が本体になるという結果となりました。