通行料は無料! 全長たった2km! 首都高の間に存在する謎の「東京高速道路」の正体

この記事をまとめると

■「東京高速道路」について解説

■首都高速道路とは管理団体が異なる

■2030年以降に首都高の地下化に伴い廃止される予定

区間内の通行量は無料!

 都心のど真ん中、しかも銀座エリアにあり、首都高と一体となって実質的に高速道路のように走れるのに、区間内の通行量が無料の道があるのがご存じだろうか。

 その道路は通称、会社線、またはKK線と呼ばれる「東京高速道路」のことだ。

 東京高速道路は、戦後の銀座復興と渋滞緩和のため、銀座周辺の外堀、汐留川、京橋川を埋め立てて建設された高架道路。1959年の開通で、自動車専用道路ではなく、一般自動車道となっている。
※一般自動車道は、道路法上の道路ではなく、道路運送法に基づき「専ら自動車の交通の用に供することを目的として設けられた道路のこと(道路運送法第2条第8項)」

 区間は、東土橋〜北数寄屋の片側1車線0.7kmと、北数寄屋〜新京橋/東土橋〜東新橋の片側2車線1.3kmの合計2.0km。

 南側は首都高都心環状線の汐留JCT、有楽町側では首都高八重洲線西銀座JCT、北側では首都高都心環状線京橋JCTに接続していて、首都高のバイパスでもあり、首都高の一部だと思っている人も多いぐらいだ。

 一番の特徴は、高速道路施設の敷地を東京都から賃借し、道路建設費と運営費を高架下のビル賃貸収益で回収して、通行料無料の自動車専用道路を提供している点。

 つまり、東京高速道路の区間内に限れば無料で通行でき、首都高から会社線を経由して首都高に戻る場合も、乗継券があれば再度通行料金を支払う必要はない(ETC搭載車は乗継所で停止しないで通過できる)。

 そのため、昔の首都高の走り屋たちは、都心環状線(C1)を何周か走ると、この会社線に入って乗継所で乗継券をもらい、そして会社線の出口で降りて、トイレを済ませたり、コーヒーを飲んだりして、再び会社線に乗り(10分以内)、乗継券で首都高に戻って再度C1を走るといったこともしていたという!

 なおこの道路は、東京高速道路株式会社という民間会社が管理運営を任されているが、当初、道路完成から35年後、道路と建物は東京都に寄付されるはずだった。しかし会社側が寄付するのは道路だけと主張し訴訟になり、結果的に東京都が勝訴し、東京高速道路が都から買収することで決着がついたといういきさつがある……。

 ちなみにこの東京高速道路の下のテナントビルには住所がない。

 前述の通り、もともと外堀、汐留川、京橋川を埋め立てて建設された高架道路で、その川の中央部分が千代田区と中央区、港区の区境だったため。川を埋め立てて道路を造る際にも、当初は高架下を倉庫や駐車場として利用する計画だったこともあり、境界は画定せず、住所も割り振られないまま今に至っているとのこと。

 このように異例づくしの東京高速道路だが、2022年2月、東京都は2030年代以降に東京高速道路を廃止すると発表。

 これは「首都高速道路 日本橋区間地下化事業」による首都高速都心環状線(C1)のルート変更にともなうもの。廃止後、東京高速道路は「空中回廊」に転用される計画だそうだが、一般自動車道が全区間廃止になるのは前代未聞。はたして?