レンタカーは「ガス満返却」が原則……じゃあEVは? 借りるなら「電気自動車」と「ガソリン車」ドッチがお得か計算してみた

この記事をまとめると

■レンタカーにもEVが増えつつある

■EVを借りると充電カードも一緒に借りることができるほか満充電で返却が不要だ

■ガソリン代と比較すると、EVのほうが若干ガソリン代を払うより安く乗ることができる

レンタカーでEVを借りると燃料代の精算はどうなる?

 原則、満タンで返却するのが条件となっているレンタカー。走行距離や燃料計などからガソリン使用量を割り出して燃料代を別途精算することもあるが、この場合はより割高となることが多い。では、充電が必要なBEVの場合はどうなのだろうか? 通常のガソリン車やハイブリッド車よりお得なのだろうか? そもそもBEVのレンタカーはあるのか? 今回はそんな疑問を紐解いていく。

BEVのレンタカー

 そもそもBEVのレンタカーなどあるのだろうか? 結論から言えば「ある」。しかし、どちらかと言えば「EVを体験してみませんか?」といった触れ込みのレンタカーが多く、レンタカーを借りる際の一般的な選択肢としてはまだまだ少ない状況。

 もちろん、BEVが好きな人はレンタカーでもBEVを選ぶ可能性はあるが、そういった人はしっかりとリサーチしてカーシェア系列のサービスなどを活用し、BEVレンタカーを探し出している状況が多いのではないだろうか。一般的な大手レンタカー会社でBEVが普通に選べる選択肢になっているかというと、まだまだ進んでいないのが現状だ。

 そんななかでもBEVレンタカーに積極的なのが日産レンタカーだ。元々日産が国内メーカーのなかではリーフを皮切りにBEVに積極的だったという背景もあるが、軽自動車のサクラが登場したことによって、よりレンタカーのBEVが選択肢として増えた印象だ。ちなみに、エリアはまだ限定的だが、サクラを導入するほかの大手レンタカー会社も出てきている。

料金は?

 では、料金的にはBEVレンタカーはお得なのだろうか?

 この記事を書いている2023年5月現在で、日産レンタカーでサクラを借りると一般会員は6時間7260円〜だ。同じ日産レンタカーの軽自動車ラインアップを見るとデイズが6600円、ルークスが7260円となっている。レンタル料自体はほぼ変わらないと言えるだろう。

 ちなみにリーフの場合は一般会員で6時間1万4520円〜。サイズ感が近しいところではノートe-POWERがラインアップされているが、コチラは一般会員8250円〜。リーフのほうが費用が高いようだ。

若干だがお得に乗れる可能性大!

ガソリン代に比べると……?

 ではガソリン代にあたる電気代は、レンタカーの場合どのように計算するのだろうか?

 サクラベースで考えてみよう。日産レンタカーの場合、充電カードは無料で貸し出しとなるが、現在は急速充電を利用すると10分毎に330円がかかる。なおこの充電料金は返却時に利用分を支払うシステムだ。

 200Vの普通充電は無料となっている。ちなみに返却時の充電は必要ない。サクラの実質的な航続距離は140kmほどなので、宿泊がある旅行や出張などで200Vの普通充電が設置されているホテルを選び夜間充電することが可能で、日中100km以内の利用ならばかなりお得と言えるだろう。

 反対に、急速充電でもガソリン代に比べればコスト的メリットはまだあるが、日帰りの利用などで急速充電を利用するシーンでは急速充電器に依存してしまう形なるため、充電時間が拘束時間になってしまうのが痛手と言えるだろう。

 またエリアが限定的ではあるが、ほかのレンタカー業者でサクラを借りた場合1kmあたり7円という距離料金が発生する場合もある。なお、日産レンタカーでBEVのレンタカーキャンペーンを行っていたときは同じ金額設定であった(リーフは1kmあたり8円)。

 仮にレンタカーで100km走行するとなるとサクラの場合は700円となる計算だ。デイズの燃費はWLTCモードで23.3km/L(NAモデル)、実質燃費が20.0km/Lでレギュラーガソリンの価格が160円と仮定した場合だと100km走るのにガソリンは5リットル必要でガソリン代は800円となる。わずかながらだがサクラのほうが移動に掛かるコストを安くすることができるわけだ。

充電プランと使用エリアを上手く相談すればお得

 BEVのレンタカーはまだ広く普及していないし、料金形態も各社バラバラなので、まだまだ手探り状態と言えるだろう。そのため、レンタル前に使用するエリアや充電に関する料金形態、充電施設に関してしっかりとリサーチしておくべきと言える。条件さえ噛み合えば移動にかけるコストを安く抑えることが可能だ。