SUVを買うなら「3つの角度」のチェックは必須! 「悪路の強さ」を決める「AA」「LBOA」「DA」ってなに?

この記事をまとめると

■SUVが悪路に強いかどうかは「3つの角度」が重要になる

■3つの角度は地面のギャップや坂道でクルマを「ぶつけない」かどうかの指標になる

■本記事では「AA」「LBOA」「DA」という3つの角度を解説する

オフローダーを語るならはずせない「AA」「LBOA」「DA」

 ランドクルーザープラドが、ランドクルーザー250と名前を改めて発売されることになった。トヨタ自身が原点回帰と呼ぶデザインは骨太感にあふれていて、これまで以上にオフロード性能が期待できそうだ。

 とはいえ現時点でわかっているスペックは、ランクル初のハイブリッドを含めた5種類用意されるパワートレインとボディサイズぐらいで、これだけで走破性を占うのは難しい。

 個人的には車体と路面が作り出す対地障害角、具体的にはアプローチアングル(AA)、ランプブレークオーバーアングル(LBOA)、ディパーチャーアングル(DA)がどのぐらいになるかが気になっている。

 それぞれの言葉がわからない人のために説明すると、AAとは前方の障害物をフロントバンパーが地面に接触せず前輪が乗り越えられる角度、DAは逆にリヤバンパーやマフラーが接触せずに障害物を後輪がクリアできる角度で、LBOAは障害物を乗り越えた際に床下が接触しない角度のことだ。

 最新のSUVはたしかに高度な駆動制御を持っており、以前ではその道のエキスパートでなければ難しかった悪路の通過がイージーにできるようになった。しかし、バンパーやフロアが引っかかってしまっては、そもそも前に進めない。ゆえに走破性を真剣に考える人にとっては、3つの数字は大事だと思っている。

オフローダーを選ぶならスペックにもこだわりたい

 ではこの分野で最強の1台は何か。スズキ・ジムニーであることは多くの人が予想できるだろう。実際の数字はAA=41度、LBOA=28度、DA=51度で、前後とも40度を超えるのは驚異的だ。登録車のジムニーシエラはバンパーが長いのでAA=36度、DA=50度となるが、すごい数字であることは変わらない。

 ちなみにインドで発表されたジムニー5ドアは、ホイールベースが伸びたのでLBOAは24度になり、リヤも少し伸びているようでDAは47度になっている。

 オフローダーの元祖であるジープ・ラングラーについても紹介しておくと、AA=44度、LBOA=22.6度、DA=37度で、フロントオーバーハングの短さが際立つ。ランドローバー・ディフェンダー110は38・28・40度で、床下の余裕があるようだ。

 ランクルファミリーは、ランドクルーザー300が32・25・26度、現行プラドは31・22・28度で、ボディサイズを考えれば300は優秀だ。250は資料によれば31・23・23度で、300と同じプラットフォームを使うが、数字は異なる。

 いまやSUVはデザインやライフスタイルで選ばれる車種であり、多くのモデルはオフロードを真剣に走ることは想定していない。ただ、クロスカントリー性能をウリにするモデルについては、こうしたスペックにもこだわりを持ち続けてほしいものだ。