いま買いはズバリ「ホンダ」! お得度なら「N-BOX」と「フリード」が狙い目だった

この記事をまとめると

■2023年8月の新車販売台数統計が自販連と全軽自協からそれぞれ発表

■乗用車、軽自動車ともにコロナ禍前の水準に近づきつつある

■いま買いはモデル末期のホンダN-BOX

前年比では登録車も軽自動車もプラス

 自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車それぞれの2023年8月単月締めの新車販売台数統計が発表された。

 登録乗用車の販売台数は18万3299台(前年同期比118.8%)、軽四輪乗用車の販売台数は9万7238台(前年同期比121.8%)となった。前年同期比では絶好調にも見えるが、2022年夏はまだまだいまより深刻な納期遅延状況であったことを考えると当たり前の結果といえる。コロナ禍前の2019年8月単月締め新車販売台数と比較すると、登録乗用車が約90%、軽四輪乗用車が約84%となっている。

 登録乗用車はほぼコロナ禍前の水準ともいえるが、軽四輪乗用車は2019年同期比でマイナス幅が大きい。これは、2019年10月より消費税率が10%へ引き上げられる直前の駆け込み需要が、2019年8月単月締めでは登録車より顕著だったことが影響しているので、軽四輪乗用車もほぼほぼコロナ禍前のレベルへ戻っているといえよう。

 軽四輪貨物では、ダイハツが2023年7月比で171.7%となっている。これは7月がダイハツの仕入れ先の火災により部品が欠品し、工場の稼働停止があって7月が落ち込んでしまったことが影響しているといえる。

 軽四輪総台数では、ダイハツがスズキにわずか123台の差でトップとなっている。軽四輪乗用車ではスズキがトップとなっているが、軽四輪貨物では3000台以上差をつけられダイハツがトップとなっている。7月の分を挽回するような増産体制とならなければ、軽四輪総台数ではスズキが快勝していたかもしれない。

納期遅延の目立っていたトヨタの人気車が「一時的」な受注再開

 登録車では、トヨタの人気車で納期遅延が目立っていたモデルの納期が、一時的に短くなっていることが8月のトピックといえよう。改良を直前に控えていたカローラ・クロスは短期間で現行モデルの新規受注を再開、しかも数カ月レベルの納期で一時的に販売していた。

「現状ではハリアーが売れ筋のZレザーパッケージでも年内納車が間に合いそうといったレベルになっています。RAV4もいまなら年内納車も十分期待できるそうです(いずれも本稿執筆時点)」とは事情通。ただ、あくまで“タイムセール”のようなレベルの短期限定での話になるようだ。納期トラブルを避けるために、トヨタではかなり緻密な生産計画を立てているとのこと。

 当初の計画で新規受注を停止させながら生産を進めるなかで、追加で生産できる余力が発生すると短納期での新規受注を一時的に再開しているようである。「新型アルファード&ヴェルファイアもスポットでときどき1台といったレベルで新規受注可能になることがあるそうです」(事情通)。

 8月最終週になると、例年どおりホンダが「プレミアム決算フェア」のテレビコマーシャルを流しはじめた。目玉は現行N-BOXとフリード。両車は在庫車で、希望があれば9月中納車も夢ではないほど短納期となっている(本稿執筆時点)。

 とくにN-BOXはすでに次期型の先行予約も開始している。次期型も売りたいところだが、軽自動車はモデル末期で熟成したタイミングで値引き拡大している時期によく売れるのも特徴のひとつ。とくに次期型では、割高感を抱くお客も多くなりそうなので、そのようなお客には「現行型はいかがですか」と勧めることができるのである。

 日産サクラのようにBEV(バッテリー電気自動車)になったり、見た目が大きく変わるようなことがないので、再販価値も目立って落ち込むことはなく、大幅値引きで買えれば現行型を買うほうが“賢い買い物”ともいえるのである。

 フリードはN-BOXのモデルチェンジが優先され、モデルチェンジが延期されているとも聞いている。ライバルのシエンタはハイブリッドで納車予定が2024年3月ぐらい以降とそれほど待たないで済むという、トヨタ車では許容範囲にもなっているので(新規受注停止しているよりはマシ)、モデルが古い分だけに購入条件(値引きなど)で勝負ということになる。

 9月の事業年度締め上半期締め決算セールはホンダ主導で進みそうである。とくにN-BOXの現行モデルは事実上ファイナルセールと捉えて動いたほうがいいだろう。