上野のパンダでもキャバレーのダンスでもない! トラックドライバーが使う用語「カンカン」って何?

この記事をまとめると

■トラック業界における「カンカン」とは、過積載に対する取り締まりを指す

■重量を計る行為の古い言い方「看貫」が語源とされている

■過積載はトラックが最大積載量を超えて荷物を運ぶ危険な行為だ

「カンカン」はトラックの過積載の取り締まり

 トラック業界での通称「カンカン」とは、トラックの過積載に対する取り締まりのこと。トラックが最大積載量を超えた荷物を積み込んで運ぶ危険な行為を「過積載」という。

 過積載がなぜ危険かというと、道路と車体の両方にダメージが及ぶからだ。道路は轍が深くなってしまうと雨が降った際に排出されずに溜まって、乗用車はハイドロプレーニングを起こしやすくなる。それだけでなく、交差点や坂道などの加減速エリアでは路面が波打つような凸凹になり、トラックの足まわりへの負担が増すだけでなく、さまざまな方面に被害を与えることになる。

 橋など路面の下にコンクリートの底板が構造材となっている道路では、軸重10tのトラックに2倍の重量を積み込んで走行すると、底板の疲労は4000倍にもなるという試算も出ている。

 道路が傷むと補修の工事費用が嵩むだけでなく、乗用車の乗り心地にも悪影響を及ぼす。原因であるトラックの足まわりへの負担も増えることになる。さらに、傷んだ路面をトラックが通過する際に起こる衝撃が近隣住民の住宅へ振動となって伝わり、地震のような揺れや騒音に悩まされることになるのだ。

 さらには、車体への負担が増すのは当然のことだ。トラックメーカーは、車格に応じた軸重から車体や足まわりの強度を確保しているが、余裕を持たせているとは言っても常に過積載を想定している訳ではない。

「看貫」という重量を計る行為の古い言い方が語源

 昭和の時代、かつて過積載するトラックが多く、フレームや足まわりを補強していた中型トラックなども存在したが、大型トラックの割合が増えたこともあってか、過積載で検挙されるトラックの数は、5年前と比べても半減している。過積載の取り締まりは、交通量の多い街道や高速道路の入り口で車両重量を計れる大きな秤(はかり)を設けた計測所や、運搬可能な秤を設置して行われる。これが通称カンカンと呼ばれる過積載の取り締まりなのだ。

 カンカンとは、パンダの名前でもなければ、キャバレーのダンス(知ってる人は高齢か?)でもない。格闘技などでKO時に鳴らすゴングの音をイメージさせるため、ここから名付けられたという説もあるが、そうではなく看貫(かんかん)という重量を計る行為の古い言い方が語源らしい。

 カンカンの測定機は道路上に埋め込まれているものが一般的。オービスのようにカメラと連動して過積載車両が通過すると、軸重の合計と車両の撮影を行なう「車両重量自動計測装置」というものもあり、これによっても過積載は取り締まられる。

 また、ETCが普及した現在では、ゲートを通過すると軸重が自動的に計測される装置もある。この自動軸重計は、全国の高速道路で2023年4月から運用されており、882基を設置して取り締まりを行っている。これによって過積載の実態調査ができるだけでなく、取り締まりも可能になるから、普及が進めばより過積載は減っていくだろう。

 ともかく、過積載は荷主以外(検挙されれば荷主にもペナルティはある)にはメリットがない行為だ。物流2024問題が目前に迫ってきたいま、トラックドライバーの労働環境を改善しなければ、ますます成り手が居なくなってしまうだろう。