タイムマシンのベースになったクルマはデロリアンDMC-12

 ついにその年が来た! と、2015年に再び話題となった80年代を代表する大ヒット映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は今でも多くのファンがいる。今回はその映画内でタイムマシンになったデロリアンについて振り返りたい。

 デロリアン・モーター・カンパニーが製造したスポーツカー、デロリアンDMC-12を改造したタイムマシンに乗って、主人公のマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)や、タイムマシンの発明者ドクことエメット・ブラウン博士が、現在=1985年を中心に、過去=1955年、未来=2015年、過去=1885年、そして現在とタイムトラベルをするストーリー。

 綿密に作り込まれたシナリオに、最適のキャスティング、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの主題歌『The Power of Love』をはじめとする音楽など、非の打ちどころのないSFエンターテイメント映画に仕上がっている。

 メガホンを握ったのは、スティーヴン・スピルバーグ監督。 2015年10月21日には、劇中、主人公たちが30年後の未来へ旅した“その日”を迎え、各地で記念イベントが催されたのは記憶に新しいところ。 さて、そんなバック・トゥ・ザ・フューチャーのタイムマシンのベースとなったのは、デロリアンDMC-12。

 タイムマシンにふさわしい近未来的なデザインは、ジョルジェット・ジウジアーロ(イタルデザイン)が担当。無塗装ステンレスのエクステリアに、ガルウイングドアというのがインパクト抜群だった。 エンジンは、自然吸気のV型6気筒SOHC2849cc。プジョーとルノー、ボルボが共同開発したPRV型というエンジンで、最高出力は130馬力と、かなりおとなしめ……。

 これをミッドシップではなく、RRにレイアウトしているのも大きな特徴。1981年にデビューして、1982年にデロリアン・モーター・カンパニーが倒産、製造中止になってしまい、総生産台数はおよそ9000台。 しかし、バック・トゥ・ザ・フューチャーに登場したおかげで、世界的にファンが多く、現在、日本国内にも150台近くが輸入されている。

  

生産終了後35年が経過しても補修部品がすべて新品で手に入る

 特筆できるのは、35年前に製造が終わっているのに、今でもすべての補給部品が、新品で手に入ること! 外装は、ステンレスなので錆びる心配はないが、高温多湿の日本では、X型バックボーンフレームは錆びてくるとか……。

 しかしこの撮影車のオーナーは、冬にスタッドレスタイヤを履かせ、純正オプションのリヤキャリアに純正(!)のスキーキャリアをとりつけ、スノーボードに出かけるほどのデロリアン好き。

 車体は基本的にオリジナルだが、主人公が着ていたオレンジのダウンベストや、JVCのビデオカメラ、スニーカー、ラジコンのプロポ、Tシャツなどの、バック・トゥ・ザ・フューチャーグッズのコレクションは充実している。 オーナーは26歳のころ、USAからレストアされたデロリアンを購入(300万円台)。その後、スイスの専門店から2台目のデロリアンを入手して、デロリアンを2台乗り継いでいる。

 アメリカやヨーロッパ、工場のあった北アイルランドベルファストのデロリアンのイベントにもたびたび参加していて、メンテナンスは基本的に自宅ガレージで自分で行っているという、自他ともに認めるデロリアン・ガイだ。参考までに、今日本である程度まともに走るデロリアンを購入しようとすると、相場は700〜800万円とのこと。これからも夢を載せて走り続けて欲しいと思う限りである。

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