「停止し、かつ、安全であることを確認」との記載

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ということわざがあるが、クルマの免許を取得するときにお世話になった教習所には、教習車以外、ほとんど実践されていない交通マナー(ルール)もいくつか重要な要素として教え込まれる。

 その代表的なものが、「踏切手前ではいったん停止し、左右の安全を確認するとともに、“窓を開け電車の音を確認”する」というもの。

 確かに今のクルマは遮音性が高く、オーディオをつけていると、救急車などの緊急車両が近づいてきても気がつきにくいケースもあるので、より安全性を重視すれば、教習所で教わったとおり踏切前では窓を開けて、耳を澄ませたほうがベターだろう。

 ちなみに「運転免許技能試験実施基準」を見ると、踏切進入時に左右の確認と窓を開けての音の確認を怠ると、「安全不確認」として、仮免検定、卒業検定では、10点の減点となる。技能試験は100点中70点以上で合格なので、10点減点というのはかなり大きなペナルティ。そう考えると、免許取得後も踏切を窓を閉めたまま通過すると交通違反になるような気もするが……。

 道路交通法の「踏切の通過」の項を確認してみよう。

・道路交通法第33条第1項 踏切の通過

「車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる」

 以上のとおり、一時停止と安全確認は義務付けられているが「窓を開けて、音を確認すべし」とは記されていない。

 したがって、踏切を渡るとき、窓を閉めたまま通過しても、法律上はノープロブレム。一種の努力目標だと認識しておけばいいだろう。ただし、踏切の警報機や遮断機も機械である以上壊れる可能性はあるし、列車の本数が少ない単線のローカル線などには、警報機や遮断機のない踏切も残っているので、窓を開ける・開けない別として、踏切を通る際は目視確認に加え、少し耳を澄ませて音に対しても意識を配ることを忘れないようにしておきたい。