通信エラーで決裁できない! 目的地を入力しても遠回りルート!? 便利なようでいまひとつなタクシーアプリに感じる日本のデジタル化のちぐはぐさ

この記事をまとめると

■現在はタクシー配車アプリが普及しており料金決済もアプリに登録したクレジットカードで行うことができる

■便利になった一方でシステム障害などが発生したときは現金がないとタクシーに乗れないというリスクもある

■日本のデジタル社会化は通信インフラはじめとしてチグハグな部分があるなと感じる

現金を持っていないことでのリスク

 先日、タクシーを利用した際、乗った車両は筆者がスマホにダウンロードしている配車アプリサービスに対応していた。タクシー乗り場から乗車したので配車要請をしたわけではないが、このスマホアプリはこのようなケースでも車内にて、配車アプリに登録したクレジットカードにて料金決済することが可能となっている。

 単純にクレジットカード決済してもよいのだが、目的地に到着してからクレジットカード決済の操作をすると、筆者の感覚では決済完了まで結構時間がかかり、現金決済のほうが早く済む印象をもっていた。

 一方、車内でスマホ決済に切り替えると、目的地到着後数十秒で決済が終了しそのまま降車することができるので、筆者は便利に感じており、このときもスマホ決済にしようとすると、助手席ヘッドレスト部に装着されたディスプレイが真っ黒でスマホ決済ができない状態になっていた。

 運転士さんに「なんかディスプレイが真っ黒なんですけど」と話しかけると、「あれっ、まただな。ちょっと待っててね」と、再起動のような操作をしてくれた。「たまに通信障害なのか使えなくなることがあるんだよね」と、その運転士さんは話してくれた。

 結局、再起動はしたもののなぜかスマホ決済画面には切り替えることができず、現金で料金を支払った(ちょうど小銭をいっぱいもっていたのでお釣りなく支払えた)。

 最近はすぐに降車できる便利さにはまり、だいたいスマホアプリで配車要請したり、スマホで料金決済してタクシーを利用しているが、「通信障害」ともされている今回のようなトラブルに遭遇したのは初めてであった。

 ちなみに先日、ある地域のコンビニエンスストアへ行くと通信障害で現金決済のみとなっていた。世のなかではさまざまな方法による「キャッシュレス決済」が普及しているが、日本では通信インフラが脆弱なのか、「通信トラブル」リスクが諸外国より高いように感じている。若い世代の人を中心に現金をもち歩かないのがトレンドになっているようだが、日本では自然災害も多いので、現金をもち歩かないことはリスクの高い行為のように見えると再認識した。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災のとき、筆者は交通機関がマヒするなか都内から自宅へ帰るためにレンタカーを借りて帰宅した。震災直後のレンタカーの予約システムは、まずはじめは原因はわからないもののクレジットカード決済システムが休止した。

 筆者はギリギリカード決済できたのだが、それ以降は現金でのみレンタカー料金の支払いを受け付けることになっていたようだ。

タクシー配車アプリに全幅の信頼を寄せられない事情

 当時に比べれば通信環境はだいぶ変わっただろうが、仮に混乱に乗じた不正使用防止のためのシャットダウンとなれば、通信環境の進化は関係なくなる。筆者はこの経験もあるので一定額以上の現金を常にもち歩くようにしている。

 さらに遡ると、タクシーにクレジットカード決済機が導入されたころには、地域によっては通信状況が悪く決済ができないほうが多かったということもあった。

 タクシーのスマホ配車システムは急速に普及しており、少し前にはスマホで配車要請がなかなかできなかった筆者の自宅周辺も、サービス加盟事業者が増えたいまでは繁忙時間帯以外ではすぐに配車マッチングできるようになっている。ただ、サービスネットワークが広がるなかで、その運用管理にバラつきがあるようで、今回体験したようなシステムトラブルがときおり発生しているようにも感じている。

 外気温が40度にもなろうかという高温多湿の日に駅最寄りのスーパーで買い物をしたあと、駅前のタクシー乗り場へ行こうとしたのだが、暑さに耐えられず(乗り場へ行ってもタクシーがいる可能性も低かったので)、その場でスマホでタクシーの配車要請を行った。到着したタクシーに乗り込むと、「せっかく目的地を入力してもらっているので……」と、何やら画面操作をしていた。

 どういうことかと聞くと、お客が入力した目的地は表示されるのだが、そこまでのルート案内を地図画面に引くかどうかは運転士の任意判断になっているとのことであった。ルートを引いたあとも、「ルート案内とは異なる経路で行きますね」というので、詳しく話を聞くと、必ずしも最短距離でルート案内してくれるわけではないというのである。確かにそのときも、いつも運転士さんが使うルートとは異なる遠回りのルートを引いていた。地図画面通りに進むと、数百円は料金が高くなるとのことであった。

 いままで都内などで利用していても、スマホで目的地を入力しているのに、行き先を確認されたり、ルート確認されたりして不思議に思っていたのだが、その理由がシステムに頼り切ることができない事情があったことがわかった。

 タクシーの運行にあたっては、乗客に経路確認するのだが、原則最短ルートで目的地に向かわなければならない。ただ、自動で地図上に引いたルートは運転士が見ればすぐわかるほど迂回しているケースも多いようである。

「道を知らない新人運転士は地図上のルート案内にそのまま従うケースが多いので結構トラブルになっているようだ」ともその運転士は話してくれた。スマホで配車要請して乗車したときも、初めて訪れる場所ではお手上げだが、わかるところならば自分でルート指示をしたほうがいいようである。

 日本のデジタル社会化は通信インフラはじめ、個々でチグハグな部分があるなと感じるのは筆者だけの過剰反応なのだろうか。