復活の8シリーズとスープラの兄弟車Z4のコンセプトは必見

 2017年10月25日、NHK交響楽団のバイオリンとチェロによる優雅な調べで幕を開けた、第45回東京モーターショー2017のBMWのプレスカンファレンス。同社はコンセプト8シリーズやコンセプトZ4、新型M5、6シリーズ グランツーリスモ、X3などアジアプレミア5モデルを中心に展示を行なった。

「コンセプトZ4」は、9月に開催されたフランクフルトショーで一般デビューした期待の2シーターオープンコンセプト。その名の通り次期Z4を示唆するモデルであり、今後のBMWデザインを示唆する重要なコンセプトだ。Aピラーやドアミラー、ロールオーバーバーあたりはショーカー然としているが、それ以外は市販モデルもこのデザインを踏襲してくると思われる。日本のクルマ好きにとっては、トヨタと共同開発中の「次期スープラ」の兄弟車として注目が集まる1台でもある。

「コンセプト8シリーズ」も、2018年に新生8シリーズとして発売がアナウンスされている期待のモデルだ。初代モデルは90年代末に生産終了しており、約20年ぶりに復活することになる。エクステリアデザインは大きくなったキドニーグリルと薄いヘッドライトを組み合わせたエレガントな造形で、次世代のBMWデザインを示唆していると思われる。

 インテリアはセンタークラスターにドライバー側を向いた大型モニターを採用しているのが目を引く。また、今回の東京モーターショーでは展示されなかったが、市販モデルと並行してFIA WEC(世界耐久選手権)参戦用のレーシングモデル「M8 GTE」も鋭意開発中。つまり市販版M8の存在も公の秘密と言ったところだろう。

「M5」は日本でも発表されたばかりのブランニューモデルで、今回で6世代目となるスーパースポーツセダンだ。今回のトピックスは、史上初めて駆動レイアウトに4WDを採用した点にある(従来はFR)。メルセデス-AMG E63S 4MATIC+アウディRS6などのライバルに対抗すべく、全輪駆動化に踏み切ったということか。

 搭載されるエンジンは4.4リッターV型8気筒ツインターボ。現行モデルより高回転化されており600馬力/750N・mという凄まじいパワーを絞り出している。トランスミッションはMステップトロニック(8速AT)を組み合わせる。

 今回採用されたMモデル専用4輪駆動システム「M xDrive」は、従来のインテリジェント4輪駆動システム「BMW xDrive」と「アクティブMディファレンシャル」をベースにMモデル専用に開発された制御システムで、日常走行からサーキット走行までカバーする。DSCオフ時に「4WDモード」「4WD Sportモード」「2WDモード」の選択が可能で、従来通りFRらしいドリフト走行も可能となっている。

 すでに国内で受注を開始しており、価格は17,030,000円(税込)。また、発売を記念して世界400台限定(日本限定5台)で、特別なフローズン・ダーク・レッド・メタリックのボディカラーなどを採用した「M5ファースト・エディション」をリリースしている。

発表直後の市販モデルも多数並ぶ

「6シリーズ グランツーリスモ」は従来ラインアップされていた5シリーズ グランツーリスモの後継車だ。フランクフルトショーでワールドプレミアされたニューモデルである。全長5105×全幅1900×全高1540mmと、5シリーズ グランツーリスモより105mm長く、25mm低くなったボディはより優雅なスタイリングへ進化した。スタイリッシュなクーペスタイルとラグジュアリーセダンをミックスした秀逸なデザインといえるだろう。大型のリヤハッチの採用で使い勝手も申し分ない。

 国内に投入される「640i xDrive Gran Turismo M Sport(10,810,000円・税込)」は340馬力/450N・mを発揮する3リッター直列6気筒ツインターボを搭載。また注目は部分自動運転を可能とした「ドライビング・アシスト・プラス」を採用している点。これは同社最新の安全機能・運転支援システムのことで、ルームミラー内のステレオ・カメラやミリ波レーダー・センサーを前方に3基、後方に2基装備し車両周囲を監視。夜間や悪天候下でも危険を検知し、ドライバーに警告することで、安全をサポートしてくれる機構だ。

 また、このモデルにもローンチエディションとして40台限定の「新型BMW 640i xDrive Gran Turismo M Sport Debut Edition」が用意されている。

 上記4台のコンセプトモデルや新型車のほかにもBMWのブースは、ゾーン分けしてさまざまな注目モデルを展示した。

 ハイパフォーマンスモデルの「M」ゾーンでは、「M2」や「M4CS」、「M760i」を展開。注目は「M4CS」で、同社いわく「初代E30型M3ヴォリューションの系譜を継ぐハイパフォーマンス・カー」。フロントバンパーにカーボン・フロント・スプリッターやMコンパウンドブレーキ(オプションでMカーボン・セラミック・ブレーキを選択可)を採用したほか、3リッター直列6気筒ツインターボはノーマルより10馬力&50N・mアップの460馬力/600N・mをマーク。ニュルブルクリンク北コースで7分38秒というベストラップを叩き出す、スーパーマシンである。

  

 このほかSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)ゾーンには、発売されたばかりの新型X3やX6Mを出品。前車は2リッター直列4気筒ガソリンターボ、ディーゼルターボがラインアップされるFRベースの4WDで、会場にはX3 xDrive20d M Sportを持ち込んだ。

 さらには電動化ブランドiシリーズのi3、i8や530e iPerformance、740e iPerformanceを展示した。530eは車両とともにワイヤレス・チャージングをディスプレイ。現時点ではいつ市販されるかは未定だが、来たるべき電動化時代の本気度が伺えた。

 また、同社のモーターサイクル部門も併せて出展しており、G 310 R、K 1600 B、R nineT Urban G/S、C evolutionを会場に持ち込んだ。C evolutionは既に市販されている最大航続距離160kmを誇る電動スクーターで、普通充電用200Vで80%まで3.5時間で充電が可能とのこと。

 BMWは、クルマ好きのみならず、バイク好きにとっても注目のブースといえそうだ。