自動車税や燃料代は欧州のほうが高いものの……

 日本は、「世界でもっとも自動車の維持費が高い国」と言われている。それは、アフリカや東南アジアなどの経済新興国と比較しているのではない。自動車発祥の国・ドイツを含めた欧州各国と比較しても、日本で自動車を維持するのは高くつく。

 まずは税金だが、自動車税はドイツが日本の3〜4倍、フランスやイギリスではそれ以上の差(クルマの仕様による)がある。日本のように、自動車税がエンジン排気量区分によって細かく分かれているケースもほとんどない。

 ガソリン代については、欧州主要国はおおむね高い。ユーロ、ポンド、スイスフランなどの為替レートによっても違いはあるが、日本と同等か、日本以上に高いケースもある。とくに欧州で普及しているディーゼル燃料は日本よりも高く、レギュラーガソリンとほぼ同じ価格の場合が多い。

 高速料金については、欧州の多くの国は無料だ。速度無制限の区間があるドイツのアウトバーンも通行料はタダだ。そのほか欧州各国の都市周辺の一部で有料の場合もあるが、数百円程度と安い。

 また、ロンドンなどで実施されている、都市部への交通量制限を目的としたコンジェスションチャージもある。平日の日中は都市部に入るために、事実上の通行税を支払うことで渋滞緩和を狙った政策である。車検についても欧州各国で運用システムに違いはあるが、日本ほど高い修理費用を要求されるケースは少ない。

 次に駐車代についてだが、ロンドンやパリなど都市部ではかなり高い。日本では近年、パーク24や三井リパークなどが駐車場の場所によって夜間料金や入庫後24時間最大料金など割引料金を設定しているが、欧州ではこうしたサービスはほとんどない。

 また欧州の場合、都市部だけではなく地方都市でも持ち家やマンションを購入するのではなく、賃貸マンションやアパートを借りている人が多い。その場合、駐車場が付いていることはまずないので路上駐車をすることになる。都市部では日中のみが路上駐車が禁止または有料で、夜間になると無料の路上駐車がOKになるケースもある。

 最後に、自動車のリセール(再販)についてだが、各国の社会事情や車種の人気の度合いにもよるが、日本と比べるとおおむね高値で取引されている。欧州では乗用車でも国を超えて長距離走行をするため、走行距離が10万キロ以上の中古車でも付加価値が高いのだ。

 以上のように、自動車の維持費について日本と欧州では項目毎に違いはあるが、欧州のほうが安いといえる。