AT車は「P」や「N」じゃなきゃ始動しないのになぜ? ブレーキを踏まないとクルマのエンジンがかからないワケ

ブレーキを踏ませるのは誤発進を抑制するため

 2ペダルの自動車のエンジンを始動させるとき、最近のモデルであれば必ずブレーキを踏んでいないとエンジンが始動しないようになっている。また、3ペダルのMT車の場合はクラッチペダルを踏みこまないとエンジンがかからなくなっているが、どちらも理由は簡単で誤発進を防ぐためである。

 MT車の場合、万が一ギヤがニュートラルではなくどこかに入っている状態でエンジンをかけてしまうと、セルモーターの力でエンジンが回り、そのまま車両が動き出してしまう。それを防ぐために、クラッチペダルを踏んで動力が伝達されない状態でないとエンジンがかからないようになっているというわけだ(そのぶん、踏切で立ち往生などした場合、セルモーターの力で脱出するという方法が使えなくなってしまったが)。

 しかし、2ペダルのAT車であれば、基本的にギヤがPもしくはNに入っている状態でなければエンジンが始動しないようになっており、それであればブレーキを踏んでいなくても誤発進することはない、と考える人もいるのではないだろうか。

ATでもシステムが故障する可能性はある

 ただ、じつはこのシフトがどこに入っているかを判別しているのはギヤポジションセンサーというセンサーであり、このセンサーが故障する可能性もゼロではない。現に「Pに入っているのにエンジンがかからない」といったトラブルの原因のほとんどがこのセンサーの不良なのである。

 つまり、Pに入っているのにエンジンがかからないというトラブルが発生するということは、Pに入っていないのにエンジンが始動する、という可能性もあるということ。そういった意味で二重のセーフティ機構という考えでブレーキを踏んでいないとエンジンが始動しないようになっているというわけなのだ。

 その一方で、ブレーキやクラッチを踏まなくてもエンジンが始動できるようになるアフターパーツも存在しており、これらを装着することは違法改造というわけではないが、万が一のときのための機能をなくすということになるので、あくまで自己責任でお使いいただきたいところだ。