教習所では教えてくれない! 初心者やペーパードライバーが公道デビュー前に知っておくべき12のマナー

コロナ禍でマイカー移動を選択する人も増えている

 コロナ危機は、クルマ社会にも思わぬ状況をもたらした。電車バスなどの公共交通機関よりマイカー移動の方がウイルス感染リスクは低いということで、ペーパードライバー講習を受ける人が増えているのだ。とくに、小さな子供のいる家庭でマイカー移動のメリットが見直されているという。

 小さな子供は常にいろんな場所を触ろうとするし、その手で顔を触ることも多い。そのため、電車やバスでの移動に不安を覚える親が、可能な限りマイカー移動を選択する傾向が強まっているようだ。

 実際、街や道路で初心者運転と思しきクルマを見かける頻度は高まっていると見受けられる。

 そこで今回は、運転の初心者やペーパードライバーの皆さんに、覚えておくと役立つ運転のマナーやちょっとしたコツを紹介。運転のベテランには釈迦に説法だろうが、意外と忘れていることがあるかも知れないので、あらためて思い出しておきたい。

1)「横断歩道は歩行者が優先」の鉄則を忘れない

 信号のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしていたら、原則としてクルマは停止しなければならない。マナーというよりこれは義務なのだが、ベテランドライバーでも忘れている、あるいはわかっていながら無視する人がかなり多いので注意したい。もちろん取り締まりの対象にもなり、違反すれば切符を切られる。信号のない横断歩道が目に入ったら、渡ろうとする歩行者や自転車の存在を確認する意識を忘れないようにしよう。

 とくに交通の流れが速めの郊外では、横断歩道は歩行者優先の原理を無視するドライバーがかなり多いので、追突されるリスクを避けるためにも、信号のない横断歩道の横に歩行者がいる場合はなるべく早めに減速し、「急」のつく減速にならないよう注意したい。

2)右左折では早めに意思表示をする

 右折レーンのない道では、自車が右折すると後続車が通れず、急にウインカーを出すと追突や渋滞の原因となるため、早めに意思表示するよう心がける。左折でも同じく、自分の行動を周囲に明らかにしようとする意識を持つことが大事。信号は、青の次は黄色、そして赤と順番に変わるが、もし青から急に赤になると大混乱を生じる。

 それと同じで、ウインカーを出すことは信号の黄色と同じ意味をもつ。よく追突される人は、その順番をおろそかにしている可能性があるといわれる。まずは、信号における黄色の意味をもつウインカーで周囲にアピールすることを忘れないようにしよう。

3)路地や交差点でのパッシングはみだりに使わない

 一般道で対向車がパッシングをする場合は「相手に譲る」「お先にどうぞ」の意味がほとんど。たとえば右折レーンのない交差点で右折待ちをしているとき、対向車が減速してパッシングしたら、「先に曲がれ」とのメッセージなので、直進優先の原則を一時的に無視して右折しよう。もちろんその際は、対向車の動きはもちろん、対向車の陰に隠れているかもしれないバイクや自転車の存在を警戒することを忘れないようにしたい。

 直進側が渋滞などで徐行状態に陥っているときなどは、右折車を先に行かせてくれる場合が多い。

 ただし、自車が直進側の場合は、交差点ではあくまで直進が優先される原則を大事にしないと追突されるリスクが高まることも忘れずに。対向車線の右折待ちが長く続いている様子を見て、直進側がとくに混んだりしていないのに、親切心で右折待ち車に譲ったりすると、後続のクルマにとっては予期せぬ動きとなり、追突を招きかねないので注意したい。基本、直進車は右折待ち車のことなど気にせず直進すべきものと認識しよう。

4)道路警備員の誘導を全面的に信頼しない

 商業施設の駐車場などで警備員の誘導を受ける場合、道路警備員の誘導が原因で事故を起こしたとしても、ドライバー側にも過失が発生する場合は多いので、誘導を鵜呑みにしないよう注意したい。警察官ではない民間の道路警備員の誘導は無視しても違法にはならないとはいえ、あからさまに誘導を無視するのもドライバーとしての品格が疑われるが、盲信的に信用して指示を鵜呑みにしたりせず、自分でもしっかり安全確認を取ることを忘れずに。

5)「◯◯だろう」は厳禁

 以前、元F1ドライバーの中嶋 悟さんを取材して「一般道で事故を起こさないための最大のコツは?」と尋ねたところ、常に「〇〇かもしれない」と思いながら周囲を認識すること。死角から子供が飛び出すかもしれない? 自転車が急にフラついてくるかもしれない? といった感じで、目の前の状況で起こりうるすべての可能性に対して常に警戒する意識をしていれば、それが実際に起こったときに対処できる可能性が高くなると語った。

 さらに中嶋さんは「たとえ信号が青でも、信号無視のクルマが居ないかなど、常に警戒感を抱きながら走っています。危機を予測しながら乗っていれば不測の事態は少なく、パニックに陥ることもありません」とも語り、逆に「◯◯だろう」と決めつけることは絶対厳禁だという。

 事故を起こさないドライバーは、周囲の状況をよく把握できているため、ピンチに陥ったり、ヒヤッとするような場面に遭遇しないもの。急な飛び出しは予測不可能ではあるが、飛び出しが発生しやすそうな場所は予想できるので、警戒意識を高めることでヒヤッとする機会を回避できるのだ。運転していて危機的な状況によく陥る人は、周囲の状況を把握できていないか、注意力が散漫になっている可能性がある。

高速域では分岐や合流などに注意が必要!

6)追い越し時以外は走行車線を走る

 ベテランのドライバーでも理解していない人が多いが、高速道路の追越車線は「追い越すときにだけ使うもの」という原則を忘れないようにしたい。遅いクルマを追い越したら走行車線に戻るのが基本。「法定速度で走っているのだから、後続車に譲る必要はない」などと考え、追越車線を延々と走り続けるのは明確な違反であり、取り締まりの対象にもなる。追越車線に居座り続けると、先を急ぐ後続車のドライバーをイライラさせ、煽り運転を招く原因のひとつにもなりかねない。

 日本では「車線変更をすることは良くない」という通念が一部に広まっており、車線変更を抑制したがる傾向があるが、それは誤った考えだ。車線変更に自信がなく、なるべく機会を減らしたい場合は、車線変更時に隣の車線に車両がいると警報で注意を促してくれる運転支援システムが装備されたクルマを選ぶのも有効な対策となる。

 ただし、首都高速の環状線のように、短い区間で多数の分岐点が入り乱れているような設計の道路では、追い越し時以外にも右側車線を走らざるを得ない状況が強いられるなど、例外もあることを覚えておこう。

7)合流ポイントでは加速レーンでしっかりと加速をする

 合流ポイントで上手く合流できず、モタモタした挙げ句に止まってしまうクルマを見かけることがあるが、合流ポイントで止まってしまうと合流がさらに難しくなってしまううえ、後続車から追突されるリスクが高まるなど、大変危険だ。合流ポイントは「加速ポイント」として認識し、できるだけ目一杯加速することを心がけよう。遠慮してゆっくりとアプローチすると合流は難易度も危険度も高まってしまう。本線の流れと同じ速度か、やや上まわる速度に達していればスムースな合流がしやすくなる。合流ポイントが短い場合は、より大胆に加速することが求められる。

 また、高速の合流では加速性能が高いほどラクになる。高速道路に乗る機会の多い人は、初心者でもある程度パワーのあるクルマを選んだ方が圧倒的にラクで安全だ。NAの軽自動車の超ハイトワゴンなど、加速性能が低いクルマでは合流の難易度が上がるとも言える。

8)分岐ポイントでは迷う瞬間がもっとも危険

 首都高や阪神高速などの都市高速道路では、分岐や合流ポイントが多く、コースレイアウトが複雑化している。走り慣れていないドライバーにとっては冷や汗ものの場面だが、進路に悩んでアッチコッチと悩む瞬間は運転そのものに対する集中力が緩慢になり、周りの状況が把握できていないと非常に危険な状態に陥ってしまう。初めて走る道路で悩んでしまうのはある程度仕方がないが、「常に周囲をよく見る」の基本に則り、周囲の状況を把握できていれば、多少迷うことがあっても危険度を低減させることができる。基本に立ち返ることがより重要となるのだ。

9)2時間運転したら休憩を

 高速道路での巡航では、疲労感を自覚しない場合でも必ず定期的に休憩をとること。休憩をとるインターバル時間には個人差があるが、長時間運転が苦にならないタイプのドライバーでも2時間程度で休憩を挟むことが望ましい。そうすれば集中力や注意力を高いレベルで維持することができるはずだ。運転や体力に自信のある人のなかには、無休憩で何時間も走り続ける人がいるが、耐久レースに出るレーシングドライバーでも2時間以上は連続して走らないもの。トイレや食事の欲求がなくても、マメにSA・PAに立ち寄ろう。

駐車や狭い路地、洗車時でも周囲のクルマへの配慮を!

10)駐車はなるべくバックで行う

 初心者やペーパードライバーにとって、最大の難関のひとつが車庫入れだ。バックカメラの普及が進み、軽自動車でも俯瞰映像で自車の周囲を確認できる車種が増えたとはいえ、多くの初心者にとって緊張を強いられる場面であることに変わりはない。車庫入れにおいては「可能な限りバックで入れる」を大原則として意識しよう。クルマの前方はボディの隅などが見えないが、バックならドアミラーにボディのサイド側が確認できるし、ハンドルによる修正も比較的容易となる。

 車内から車庫の様子が見にくい場合は、面倒でも一旦クルマから降りて確認すると状況が正確に把握できて、車内に戻ってからも頭の中で正確にイメージしやすくなる。自信がないのにロクに確認もせず、勘だけで入れようとすることだけはやめよう。

 また、道路に面した駐車スペースの場合、頭から入れる方がラクだが、交通量が多いと出すときに確実にツラくなることも忘れずに。道路に面した駐車スペースでは、バックで入れるのが多少面倒くさい状況でも、なるべくバックから駐車したほうが総合的にはラクになる。

11)狭い路地で対向車とすれ違うときは徐行と自己アピールを忘れずに

 狭い路地で対向車とすれ違うのは、ベテランドライバーにとってもスリリングな場面。大原則として覚えておきたいのは「とりあえず徐行する」ということ。対向車の存在が確認できない状況でも可能な限り速度を落として「徐行」をするのが一番。徐行していれば対向車の存在に気がついたとき、左端に寄せられるスペースを探すなどの対処を考える余裕ができるし、歩行者や障害物を見落とすリスクも下がる。

 狭い路地で対向車と遭遇して困ったときは、まずは自分がどうしたいかを対向車に伝える。自車の近くに回避スペースがある場合は、すみやかにその場所に停めてウインカーなりハザードを点灯。対向車側に譲ってほしい場合は、パッシングをするなどしてその意思を伝える。裏路地でクルマをギリギリまで寄せるときは側溝や障害物に気をつけたい。最悪なのは、意思表示を何もせず、ただ停まってしまうこと。そうなると対向車もどう動けば良いのかわからず、両車とも立ち往生しやすくなる。

コイン洗車場でのマナー

12)洗浄後は「拭き上げスペース」へ移動

 在宅時間が長くなり、時間つぶしがてら入念な洗車を行う人が増えており、洗車場は意外と混み合うケースが増えた。スチームスプレーガンを使っての洗浄後は、速やかにクルマを拭き上げスペースへ移動させよう。洗浄エリアから移動せず、その場で拭き上げやワックスがけをするのはNGだ。

13)無駄に場所を占有しない

 たとえ洗車で利用したとしても、タイヤローテーションやオイル交換など、内外装の掃除とは関係のない作業を行うのもNG。空いているからといって場所を占有し続けると、急に混み合った時などに他の利用者の迷惑になる。ジャッキアップなどをしていると落下事故の恐れもある上、そういった事故では保険が効かない場合がほとんどなので、絶対に避けたい。