想像以上に「ハードル」は低かった! まだ少数派の「ユーザー車検」の費用と手順

車検当日前までに予約と事前の点検を済ませておくべき

 自家用乗用車の場合、2年に一度(新車時は3年)義務づけられている「自動車検査登録制度」、いわゆる「車検」。

 道路運送車両法には、「自動車の使用者は、自動車検査証の有効期間の満了後も当該自動車を使用しようとするときは、当該自動車を提示して、国土交通大臣の行なう継続検査を受けなければならない」とあり、本来はユーザー自身が検査に持ち込む=ユーザー車検こそが車検の基本。

 現状では、陸運支局の全受検件数の約10%程度しかユーザー車検のクルマはいないそうだが、じつは思ったほどユーザー車検は難しくない。その手順を説明しておこう。

・予約

 車検=継続検査は、有効期間の1ヶ月前から受けることができるので、車検の時期が近づいてきたら、国土交通省の『自動車検査インターネット予約システム』(https://www.yoyaku.naltec.go.jp/pc/reservationTop.do)にアクセスし、希望日の希望時間に予約を入れる。

 検査は、全国どこの陸運支局でもOKで費用もどこでも変わらないので、最寄りの陸運支局を選んで予約しよう。また予約は土曜・日曜を含む15日前から可能だが、検査本番は平日しか選べないので要注意。

・点検

 継続検査に合格するには、事前の点検が重要。

 車検の時期に合わせて行われる、法定24ヶ月点検は、現行制度では検査の前に行っても、検査のあとに行ってもOKという仕組みになっているが、いずれにせよ点検が必要であることには変わりがない。

 ユーザー車検を受ける人は、検査後の整備=「後整備」を選ぶ人が多いが、ユーザー車検の受験者の32%は、不合格=要再検査となるデータもあるので、最低でもJAFが奨励している『日常点検15項目』(https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/self-check/daily-15check)ぐらいはチェックしてから検査に臨もう。

 とくに、タイヤの摩耗、ひび割れ、亀裂などは見落とさないように。4本のタイヤのうち、1本でもスリップサイン(残り溝の深さが1.6mm以下)だと不合格になるので、しっかりチェック。

 ライト類も厳しく見られる部分なので、ヘッドライト・テールランプ・ブレーキランプ・バックランプ・ナンバー灯・ウインカーなどが正しく点くか確認しておくこと。

 レンズが曇っていたり、光が漏れるほど割れているのは不合格となる。また、メーターまわりの警告灯(インジケータランプ)が点灯又は点滅しているクルマもNGなので気をつけよう。

 ブレーキパッドの残量の点検も忘れずに。

検査に不慣れなことを伝えれば丁寧に教えてもらえる

・検査当日(受付まで)

 検査当日は陸運支局に時間に余裕を持って着くように。現地入りは、受付開始1時間前を目安にしたい。

 必要な持ち物は、
車検証

 自賠責保険証

 印鑑(三文判でOK)

 バインダー(あると便利)、筆記用具

 定期点検記録簿(車検前に24カ月点検を済ませた場合提示。車検後整備の人はその旨を申告する)
陸運支局に到着したら、陸運振興センターか整備振興会の事務所に行って、継続審査のために必要な用紙と検査手数料印紙・証紙、自動車重量税印紙を購入。自賠責保険の更新もここで頼める。

 費用は下記のとおり。
自賠責保険24カ月=自家用乗用車25830円検査手数料

 普通車 印紙400円+証紙1400円

 自動車重量税:自家用乗用車1000〜1500㎏以下 24600円(※車歴13年・18年超え、エコカーの重量税は、金額が異なるので要確認)
支払いはすべて現金となる。

 必要書類→継続審査申請書、自動車検査票、自動車重量税納付書がそろったら、必要事項を自分で記入。車検証を見ながら書けばいいだけなので、誰でも書けるので安心を。

 書類が書けたら『ユーザー車検窓口』に提出。このとき予約番号を聞かれるので、インターネットで予約したときの予約番号を控えておこう。

・検査本番

 受付が済んだら、指定された検査ラインにクルマを並べる。自分の順番が来たら、係員に書類を渡し、『ユーザー車検で、検査には不慣れ』であること伝えること。そうすれば、あとは親切に手順を教えてくれる。検査ラインに入るときも、係員の指示に従って、ハザードランプを付けるといい(ハザードランプを付けていると、係員が手厚くサポートしてくれる)。

 すべての検査をクリアしたら、結果を自動車検査票に記録し、検査コース出口の総合判定係のところに書類一式を提出。「審査結果通知欄」に合格のハンコをもらえばOK!

 最後は受付棟に戻って書類一式を提出し、新しい車検証と検査標章(車検シール)をもらえば、車検はフィニッシュ。その場で車検シールを貼り替えればすべて終了。

 万が一、検査で不合格になった場合は、陸運支局の近所にあるテスター屋に駆け込もう。

 ライトの光軸、サイドスリップ、スピードメーター、排ガス関係なら、その場で対処してもらえる場合が多い(一度、検査に不合格になっても、指摘された点を整備し直せば、その日のうちに3回までは再検査を受けられる)。

 できればユーザー車検に持ち込む場合、朝イチでまずテスター屋で予備検査を受け、それから本番の検査を受けることをおすすめする。テスター屋での予備検査料は1500〜3000円。検査ラインになれるという意味でも、テスター屋の活用は有効だ。

 予約は不要だが、業者専門のところもあるので、あらかじめネットで調べておくといいだろう。

 検査当日は、なんだかんだで半日ほど陸運支局に拘束されるが、費用は法定費用のみなので、2リッターの普通車なら5万5000円ほど。テスター屋を使っても、6万円でおつりが来る。

 それに対し、ディーラーや整備工場、カー用品店などに車検を頼むと、この法定費用に、点検整備代、車検代行料などが加算されるので、中型乗用車の車検には10万円ぐらいはかかるはず。

 そうした意味で、ユーザー車検は、手間と時間はかかるが、費用面での魅力は大きい。クルマに愛情を持っていて、日ごろから小まめにメンテナンスしている人なら、一度チャレンジしてみてもいいかもしれない。